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きれぎれ 単行本 – 2000/7/7
- 本の長さ188ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2000/7/7
- ISBN-104163193308
- ISBN-13978-4163193304
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商品の説明
商品説明
著者は、パンク歌手であり詩人であり俳優であるという異色作家。『夫婦茶碗』 『へらへらぼっちゃん』など、独特のビート感あふれる作品を意欲的に発表し、個性派作家として注目を浴びている。若い世代を中心に「ストリート系」、「J文学」などともてはやされる一方で、ナンセンスなストーリー展開やメッセージ性の希薄さなどから「キワモノ」であるという冷ややかな評価も受けていた。ところが、一見、一貫性を欠いているようにも思われる言葉の連射の間隙に、透明感を与えることに成功した本作で芥川賞を受賞したことで評価は一変し、純文学の新たな地平を開く作家としての栄誉を得た。好悪の分かれる作家ではあるが、繰り出される言葉のリズムに身をまかせて一種のカタルシスを得ることができるか、違和感を抱くか、それは作品に触れて確かめてほしい。(梅村千恵)
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2000/7/7)
- 発売日 : 2000/7/7
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 188ページ
- ISBN-10 : 4163193308
- ISBN-13 : 978-4163193304
- Amazon 売れ筋ランキング: - 369,401位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 62,209位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について

作家、ミュージシャン。1962年大阪生まれ。高校時代より町田町蔵の名で音楽活動を始める。97年に処女小説『くっすん大黒』で野間文芸新人賞、 Bunkamuraドゥマゴ文学賞、2000年には「きれぎれ」で芥川賞を受賞する。01年詩集『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、02年「権現の踊り 子」で川端康成文学賞を受賞、05年『告白』で谷崎潤一郎賞、08年『宿屋めぐり』で野間文芸賞を受賞した(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 あなたにあえてよかった―テースト・オブ・苦虫〈8〉 (ISBN-13: 978-4120041235 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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文脈も文意も通常を逸脱している小説は彼の出自になぞらえ音楽(パンク)に喩えられるけれども、たとえば大作「告白」は叙事的・叙情的な物語ゆえに長時間の演奏がプログレの要素を纏い、それは必定であるし、これまでにない絵巻的グルーヴ感が多くの方からの絶賛を得たように思うが、自分にはいまいち残るものがなかった。音楽においても瞬発と構築は馴染まないので。
一方で彼特有の、粉々に砕けた中から形のない音像が立ち上がる作品として、初期作や短編が結構好きだったのだけど、今作にあっては、滲み出る哀切が何より響く。平常運転でのシュールさ、おかしみも勿論良い。ただ、読み物としてのスタンダードを意図的に壊しながらその行間から絶妙な哀しみを鳴らすというのは、これは尋常な才能ではない。そのことをこの作品にあって初めて強烈に感じた。
分かり辛い物言いで恐縮ですが、音楽でも文学でも映画でも笑いでも、浮かび上がる哀切の感覚にひっかかりを感じる人であれば、数ある町田康の作品の中でも間違いなくおすすめの一作です。そして論理性や整合性よりも感性で物事を掴む人なら、きっと気に入ると思います。
今更ながらのレビューですが、これから読もうか考えている方がいらっしゃったら、一度手にとってみてください。収録されている二編、表題作も「人生の聖」も共に、非常によく出来ています。
(ちなみに順序が逆だけど文体や雰囲気は「苦役列車」を彷彿としますね。その類似性や相違性を読んで考えるのも時間があれば一興、かも。)
ピカソのゲルニカだな。何の説明も無しにいきなりこんな調子で始まる小説、ありなんですか! ありなんだなぁ はぁ、驚いた。
タイトル作の「きれぎれ」は、幻惑されつつも、どこか魅力があり、もう一度じっくり読んだ方が良いかも・・・なんて、個人的に思ったりした。
「人生の聖」は、もう何が何だか・・・(笑
場面がバンバン切り替わり、よく分からない描写や情景がでてくるので、ついていくのがやっとだった。
もう、町田康の本は10冊以上は読んだが、この芥川賞受賞作の「きれぎれ」は、最も不可思議な一作だったかも。
偶然にもこれが芥川賞受賞作だったということも分かって納得。こんな文体は今まで接したこともないし、それは新鮮なおどろきでもあった。とにかくこの音楽的なリズム感といい自在な発想で際限なくパラドックスの世界に突入すると、ますますその滑稽さが浮き彫りにされ嬉しくなってくるのだ。読んでいて笑えてくるほどに楽しいのである。
百鬼園先生(内田百けん)のこだわりも相当なものだが、町田康は増殖するように次々と展開されどこまでもどこまでも徹底してズレていくから凄いのである。。
次は『くっすん大黒』を読むことに決めているけど、噂にたがわず最高レベルでおもしろいと思った。
「笑いとは瞬間的な優越感である」と定義づけた人があるけれど、このパラドクシカルな展開は日常とのズレを生み、笑いを誘う。それも裕福な家庭にありながら放蕩のすべてを備えたように浪費家で夢見がちな絵描きの「俺」の趣味はランパブ通い。高校を中途でやめてランパブで出会った女・サトエと結婚するが労働が大嫌いで当然のことのように金に困るという設定。
自分より劣る絵なのに認められ成功しそのうえ自分の好きだった女・新田富子と結婚している同級生の吉原に金を借りに行く羽目になる。
ここで持ち前のパラドックスが炸裂。思いがけないきれぎれのエピソードがフル回転となるのである。この一文だけで充分イメージしていただけると思います。
…俺はおまえの恵んだ金で絵具を買い、傑作をものにしておまえのいまの地位を脅かすのだ。そうなるとおまえの自慢の美人妻はもともとが計算高い女だけにおまえを見限るよ。わはは。その後、誰の元に走るのかは云わぬが花でしょう。これをみたか。これが俺の悪意だ。光にぬめる鎌草の復讐。鎌草少将の智謀によって吉原は結果的に終わるのである。(p100)
アドリブ演奏のように自らをおとしめ「現実がなんだ、現実とは…」と問うように自分の日常を異化するのだ。だから、必然として“笑い”を生じるのかもしれない。
これは病み付きになりそうな不思議で稀有な名作と云っていい。
支離滅裂な内容。
よくこんなんで芥川賞とれたな。
もう二度と読まない!
読みにくいし読んでいても面白みにかけた
解説者は「洒落」とか「粋」とか言うけれど
私にはとてもこの出鱈目な文章が実は予定調和で文学とはとても理解できない
そもそもこんな文章は売れないだろう・・・・
ここんとこ、普通のものばかり読んでいたので、理解にかなり苦しみました。
んーーークラクラしています。
あぁ 町蔵さんなんだな・・・と・・。
いいえ。べつに「いぬ」には さほど 拘りはないのですよ
俺が学生で 彼らがバンドをやってた頃なんかには。
ぶっちゃけ バブルの時期に 何?パンク?という思い、しかなかった。
その中で、まともなことを言ってたように感じたうちの、ひとつではあるけど・・・
あいかわらず、あがいて、いがんで、ぐぎっている町蔵さんが、あーここにいるんだ と 思った。