解くすべもない惑ひを背負うて、行乞流転の旅に出た…分け入つても分け入つても青い山
この前書のあるこの句が山頭火の境涯を象徴しているように思われる。居ても立ってもいられない何かの事情があってのことだろう。煩悩と言ってしまえばそれまでだが、解きたいけれども解けない人生の謎をそのまま背負って、乞食同然の流転の旅を続けた。
自嘲…うしろすがたのしぐれてゆくか
この簡単な前書のあるこの一句。山頭火の代表句として人口に膾炙している。著者はこの句を「乞食の態の自分の姿を、客観化することで、あらためて自分を責めた」とみる。「自嘲」とは自分を見るもう一人の自分がいて、二つに切断されたどうにもならない〈内部矛盾〉を自嘲しているのだとみなしている。
自嘲…六十にして落ちつけないこころ海をわたる
晩年のこの句も「自嘲」を前書としている。山頭火58歳(大正15年)10月11日松山一草庵に死去。芭蕉が「夢は枯野をかけめぐる」と辞世を詠んだように、山頭火も(辞世ではないにしても)安住の地ははるかなるところにあり、永遠の旅人であったと言えよう。
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種田山頭火:うしろすがたのしぐれてゆくか (ミネルヴァ日本評伝選) 単行本 – 2006/9/10
村上 護
(著)
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種田山頭火(1882年から1940年)
生涯を漂泊行乞の旅に生きた、俳人山頭火。破天荒な一俳人の澄んだ声は、いまなお、われわれの魂を揺り動かす。
[目次]
まえがき
種田家家系図
行乞足跡地図
第一章家族の肖像
1 事実は一つ
2 種田家のこと
3 少年時代
4 東京寄留
5 家業と結婚
第二章分散流離
1 挫折と文学
2 烟霞の癖
3 俳縁波紋
4 離郷・熊本
5 旅宿の東京
6 天災人災
第三章世捨て逡巡
1 機縁
2 堂守
3 捨身懸命
4 捨て難き情
5 父と子
第四章自照の過客
1 行乞記
2 同宿の世間師たち
3 三八九居
4 再びの行乞記
5 奮闘の結庵計画
第五章草庵と旅
1 其中庵
2 隠遁の矛盾
3 道中記
4 銃後の俳句
5 風来居
第六章念願二つ
1 ひよいと四国へ
2 遍路行
3 終の住処
4 ころり往生
参考文献
あとがき
種田山頭火略年譜
人名索引
生涯を漂泊行乞の旅に生きた、俳人山頭火。破天荒な一俳人の澄んだ声は、いまなお、われわれの魂を揺り動かす。
[目次]
まえがき
種田家家系図
行乞足跡地図
第一章家族の肖像
1 事実は一つ
2 種田家のこと
3 少年時代
4 東京寄留
5 家業と結婚
第二章分散流離
1 挫折と文学
2 烟霞の癖
3 俳縁波紋
4 離郷・熊本
5 旅宿の東京
6 天災人災
第三章世捨て逡巡
1 機縁
2 堂守
3 捨身懸命
4 捨て難き情
5 父と子
第四章自照の過客
1 行乞記
2 同宿の世間師たち
3 三八九居
4 再びの行乞記
5 奮闘の結庵計画
第五章草庵と旅
1 其中庵
2 隠遁の矛盾
3 道中記
4 銃後の俳句
5 風来居
第六章念願二つ
1 ひよいと四国へ
2 遍路行
3 終の住処
4 ころり往生
参考文献
あとがき
種田山頭火略年譜
人名索引
- 本の長さ496ページ
- 言語日本語
- 出版社ミネルヴァ書房
- 発売日2006/9/10
- ISBN-104623047202
- ISBN-13978-4623047208
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商品の説明
著者について
《著者紹介》 *本情報は2019年7月時点のものです
村上 護(むらかみ・まもる)
1941年 愛媛県大洲市生まれ。
伊予松山で過ごした後、26歳から東京在住。作家・評論家。数種の職を経ながら執筆活動に入る。
72年に評伝『放浪の俳人山頭火』でデビューした後、異端の人物伝や俳句評論が多い。2013年逝去。
村上 護(むらかみ・まもる)
1941年 愛媛県大洲市生まれ。
伊予松山で過ごした後、26歳から東京在住。作家・評論家。数種の職を経ながら執筆活動に入る。
72年に評伝『放浪の俳人山頭火』でデビューした後、異端の人物伝や俳句評論が多い。2013年逝去。
登録情報
- 出版社 : ミネルヴァ書房 (2006/9/10)
- 発売日 : 2006/9/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 496ページ
- ISBN-10 : 4623047202
- ISBN-13 : 978-4623047208
- Amazon 売れ筋ランキング: - 338,506位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年2月23日に日本でレビュー済み
山頭火の伝記です。
彼の自由律の俳句に目を奪われて、句を追いかけるほうに夢中になり、どんな人生を送ったひとなのかは知らないでいました。
放浪の俳人、そのひとことで済んでしまう気がしていたからです。
この本も初めから終わりまで通して読むことはありませんでした。
パラパラとページをめくり、気に入った句を見つけるとそれを味わい、ついでに前後を読んでああそうかと思う。
伝記をそんなふうに読むのは邪道でしょうが、結果としてそうなりました。
山頭火は自身でも日記をかいていましたので、著者の伝記/山頭火の日記/山頭火の句が織り交ぜられています。
わたしは山頭火の句も好きですが、日記(雑文)もいいと思います。
文章にセンスがあるんですね、小説家でもいけたのではないでしょうか。
でも、彼の俳句がなかったらさみしいか。
彼の自由律の俳句に目を奪われて、句を追いかけるほうに夢中になり、どんな人生を送ったひとなのかは知らないでいました。
放浪の俳人、そのひとことで済んでしまう気がしていたからです。
この本も初めから終わりまで通して読むことはありませんでした。
パラパラとページをめくり、気に入った句を見つけるとそれを味わい、ついでに前後を読んでああそうかと思う。
伝記をそんなふうに読むのは邪道でしょうが、結果としてそうなりました。
山頭火は自身でも日記をかいていましたので、著者の伝記/山頭火の日記/山頭火の句が織り交ぜられています。
わたしは山頭火の句も好きですが、日記(雑文)もいいと思います。
文章にセンスがあるんですね、小説家でもいけたのではないでしょうか。
でも、彼の俳句がなかったらさみしいか。