石川淳の数ある作品のうち,たまらなく大好きな作品が連発された時期があります。
それが昭和21〜22年(1946〜47年)の戦後直後に執筆された作品群です。
この頃執筆された短編は,奇跡的なまでにすべて素晴らしく,本作品集には,ここから
「焼跡のイエス」「かよい小町」「処女懐胎」の3作品が収録されています。
(ほかに戦前の作品として「山櫻」「マルスの歌」が,昭和24年の作品「善財」の三作品が収録されています。)
この時期の他の作品は,同講談社文芸文庫の「黄金伝説」に6作収録されています。できれば同じ雰囲気をもつ一連の作品集として一つにまとめていただきたかったと個人的には思っています。
石川淳の作品を読む楽しみは,なんと言ってもその文体の妙にあります。
マルケスのように一文が非常に長く,ある作品では一ページの半分が一文であったりするのだけれど,それが音楽のようなリズムがあり,流麗で生き生きとし,かつユーモアも潜んでいて,読んで非常に気持ちが良い。
執筆時に何度も音読してリズムを確かめて書かれたものだと何かで聞いたことがあります。
昭和10年以降に執筆された作品(本作品集では「山櫻」が昭和11年の作品)からこの文体が確立されたように思いますが,
石川淳の文体に初めて触れたときの感動は今でも忘れられません。まさに衝撃でした。
戦時中思うように執筆出来なかった思いが爆発するかのように,戦後直後に書かれた作品たちは,何かキラキラと輝いて見えます。
終戦直後の町や人々の雰囲気が石川淳の文体によって目の前に浮かび上がり,それでも生きていくんだという勢いを感じます。
町田康が好きな方,結構石川淳もいけますよ(雰囲気が似ています)。
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焼跡のイエス・善財 (講談社文芸文庫) 文庫 – 2006/11/11
石川 淳
(著)
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敗戦直後、上野のガード下の闇市で、主人公の「わたし」が、浮浪児がキリストに変身する一瞬を目にする「焼跡のイエス」。少女の身に聖なる刻印が現われる「処女懐胎」。戦後無頼派と称された石川淳の超俗的な美学が結晶した代表作のほかに「山桜」「マルスの歌」「かよい小町」「善財」を収録し、戦前、戦中、そして戦後へ。徹底した虚構性に新たな幻想的光景を現出させた、精神の鮮やかな働きを示す佳作6篇。
戦前から戦後へ。
精神の運動の輝かしい軌跡を描く秀作6篇。
敗戦直後、上野のガード下の闇市で、主人公の「わたし」が、浮浪児がキリストに変身する一瞬を目にする「焼跡のイエス」。少女の身に聖なる刻印が現われる「処女懐胎」。戦後無頼派と称された石川淳の超俗的な美学が結晶した代表作のほかに「山桜」「マルスの歌」「かよい小町」「善財」を収録し、戦前、戦中、そして戦後へ。徹底した虚構性に新たな幻想的光景を現出させた、精神の鮮やかな働きを示す佳作6篇。
立石伯
石川淳の現実や時代と切り結び、闘いつづけた精神の軌跡は、一言でいえば、仮定から仮定へと飛翔するダイナミックな言葉の響きあう波動と延々とつづくその努力の線上にくっきりと刻印されている。原稿用紙にひとたび書きはじめられた言葉の力は精神の磁場を形成し、そこに生みだされた質量をバネにしながら、現実の闇のなかをペンが発明に向けて運動していくものにほかならない。――<「解説」より>
戦前から戦後へ。
精神の運動の輝かしい軌跡を描く秀作6篇。
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立石伯
石川淳の現実や時代と切り結び、闘いつづけた精神の軌跡は、一言でいえば、仮定から仮定へと飛翔するダイナミックな言葉の響きあう波動と延々とつづくその努力の線上にくっきりと刻印されている。原稿用紙にひとたび書きはじめられた言葉の力は精神の磁場を形成し、そこに生みだされた質量をバネにしながら、現実の闇のなかをペンが発明に向けて運動していくものにほかならない。――<「解説」より>
- ISBN-104061984586
- ISBN-13978-4061984585
- 出版社講談社
- 発売日2006/11/11
- 言語日本語
- 寸法10.8 x 1.2 x 14.8 cm
- 本の長さ320ページ
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2006/11/11)
- 発売日 : 2006/11/11
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 320ページ
- ISBN-10 : 4061984586
- ISBN-13 : 978-4061984585
- 寸法 : 10.8 x 1.2 x 14.8 cm
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2011年7月22日に日本でレビュー済み
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2013年3月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
母の実家の名字が善戝なもんで。
でも、これは《善戝童子》のに引っかけたお話でした。
でも、これは《善戝童子》のに引っかけたお話でした。
2013年10月5日に日本でレビュー済み
同じ講談社文芸文庫の「普賢・佳人」は
なるほどこれが町田康のルーツかとは思ったものの、
正直文章は読みづらく感じ、あまりピンと来なかった。
こちらが読めてないだけなんでしょうけど。
ただしこの作品集の特に「焼跡のイエス」は強烈。
戦後の上野の闇市の描写、中でも太もも丸出しで
威勢良くおむすびを売る若い女や
「イエス」に喩えられた浮浪児の描かれ方は
思想も倫理も関係ない異様な生命力に満ちている。
全体により町田康的なとぼけた表現も目立ち
重くも描けるテーマをひょうひょうと書いているのがいい。
「焼跡のイエス」というタイトルもいかしてるよね。
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