2011年発行の本です。
アメリカの凋落、中国の台頭で多極化する世界勢力図の中にあって、日本の将来の指針を現実的・具体的・客観的に示しています。
日下公人先生の対談の相手は1953年生まれでワシントン在住の国際政治評論家・伊藤貫さんです。
大東亜戦争敗北で、日本は、アメリカの属国のようなスタンスで経済大国として一人の戦死者も出さずに、これまでやってきました。
将来はどうかというと今までの延長で、サバイバルが出来ない恐れが大きいです。
過去500年の近代現代の歴史と潮流を俯瞰してもパワーバランスが崩れたときに戦争が起こり、勢力図が変わります。
それを防ぐには、アメリカにおんぶに抱っこの軍備を見直し、自主独立国として中国、ロシア、アメリカの軍事的脅威に対抗できるように国家戦略のグランド・デザインが必要です。
清国は、江戸時代末期に欧米列強国に侵略されブザマで惨めな姿を晒しました。
それを目の当たりにした明治政府は、自主独立の覚悟を決め、気概に満ちた富国強兵策で、欧米列強に伍すす強大国になり、植民地化を免れ、独立国としての矜持を保ちました。
独立国家には、3つの条件が必要です。
①自分の国を自分で守る安全保障( 軍人的要素)
②適正レベルの経済成長( 商人的要素)
③高貴で卓越した価値を選択追求する価値規範 (哲人的要素)
明治時代には揃っていた3つの条件のうち、現代日本にあるのは、②適正レベルの経済成長(商人的要素)だけです。
明治時代以降続いていた①自分の国を自分で守る安全保障(軍人的要素)と③高貴で卓越した価値を選択追求する価値規範(哲人的要素)は失われました。
占領軍アメリカのウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(戦争についての罪悪感を日本人の心に植えつけるための宣伝計画)とその尻馬に乗った日本共産党などの左翼勢力、朝日新聞・NHKなどのマスコミ、日教組による反日キャンペーンが原因です。
その結果、日本人ほど自国の安全に無責任な国はなく、自国の安全保障を外国に託し,事足れりとひたすら安逸を貪る国に成り下がりました。
占領軍のマッカーサーでさえ「敗戦後の日本国民ほど徹底的に屈服した国民はない。歴史上、これほどの屈服は “前例” がない」と断言しています。
1972年2月、ニクソンの北京訪問時に、米中による日本封じ込め共同計画が発表されました。
内容は・東アジア地域で日本には『絶対』に核を持たせない
・日本独立を『阻止』するため米軍は日本駐留を続ける
・朝鮮半島と台湾の問題に関して日本に『発言権』を与えない
この基本戦略は21世紀の今も変わりません。
アメリカ中国は日本の実力、台頭を恐れているのです。
日本と日本人の存在意義、そしてそれを継続して守り、共有する為に必要な条件のひとつが国防です。
日本が独立国としての外交・防衛体制を持つ為に核武装する事を提案しています。
日本も中国、朝鮮、ロシア、アメリカも、核兵器で攻撃する事は出来ませんが、数十発保有するだけで、数万発保有する国と対等に渡り合う事が出来ます。
北朝鮮がいい例です。
核ミサイル搭載の潜水艦を日本周辺の海に配備すればいいだけです。
それだけで抑止力になることは、1945年の広島・長崎以降、核爆弾が使われたことがないのは歴史的事実が証明しています。
覇権主義で世界一の軍事力の地位を保ちたいアメリカは他国が核兵器を持つことを嫌い反対してきました。
イギリス、フランス、インド、北朝鮮に対して激しい非難と妨害を行ってきました。
しかし、一旦、核兵器保有国になってしまうと、手のひらを返して、核兵器保有国として対等に付き合います。
オバマ大統領が広島に来たのは、日本人の核アレルギーに乗じて平和の名のもとに日本が核兵器を持つことを抑えようとしたのでしょう。
アメリカ自身は、10000発もの核爆弾を保有しているのに、よう言うわ、と思います。
猿芝居です。
アメリカの核の傘はや日米安保条約は当てになりません。
日本が中国・朝鮮・ロシアから核攻撃を受けてもアメリカ大統領やアメリカ議会は自国の若者を報復のために戦場へ送るわけがありません。
そんなことをしたら議員は落選、大統領は次がありません。
自分の国を自分で守るのは次世代の日本人に対する当然の義務です。
その義務を果たさない国に国としての正当性は無い。
自主独立の気概を持つべきである。
この本は、全編を通して「我々日本国民には、自らを自らが守る覚悟、意志があるのか?」を問うています。
わが意を得たりの感銘深い一冊でした。
伊藤貫氏に、注目です。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
自主防衛を急げ! 単行本(ソフトカバー) – 2011/4/15
◆核議論をしていれば、原発事故も防げていた 福島原発事故は想定外の津波によって、 施設は破壊され、放射能漏れが現在も続いている。 後手後手に回る東電や政府の対応は、 これからの日本に教訓となるべきものである。 なぜならば、政府の無知は 菅総理に代表されるように、 原発反対、核武装反対の立場を取ってきたために 原発や核に対する知識がなさすぎたことである。 もし、以前から核について議論していたら 原発に関する安全性は見直されていたはずである。 つまり、今回の事故は未然に防げた可能性が高い。 嫌なことは後回しにする体質、 おざなりのまま大切な議論をしない体質、 日本の外交を考えない体質……。 実はすべてが、今回の原発事故をまねいた。 この事故は明らかな“人災”なのだ。 ◆日本はこのまま崩れてしまうのか? 大地震により国内の問題一色になった日本。 しかし、国際環境を見回せば、 現在、ただならぬ状況にある。 アメリカの経済圧力(TPPなど) 中東革命による石油高騰 中国のインフレと暴動の可能性 北朝鮮の核の脅威など、 このまま国内問題に終始していれば、 近いうちに日本は国際環境のなかで取り残される。 本当の独立国となるには、 やはり核議論は避けては通れないのである。 アメリカ在住の政治・外交評論家である伊藤貫氏は、 アメリカの真の狙いを肌身で感じた経験を踏まえて語り、 日本を愛し、経済・政治・社会など あらゆる分野を辛口批評で警鐘する日下公人氏は、 日本人としての覚悟を語る。 戦略なき日本に明日はあるのか? 白熱の議論が展開される。 ◆「核」を議論しなければ日本人は前に進めない 今回の震災に遭っても、 明日への希望を失わない日本人の素晴らしさが 世界のニュースを駆け巡っている。 しかし一方で、危機管理能力のなさが露呈したのも事実である。 危機管理は、平和な状態が長く続いた日本人には、 消失してしまった言葉である。 突然の事故に対する再生ができるのに、 それを防ごうとする対策はできない。 だから、国益や国防といった日本の未来に左右する 大問題ですら対策を議論しない、 もはやこれは国民性といっていい。 今回の原発事故で、国民はいっせいに 原発反対論者となってしまうのだろうか。 日本の未来を考えたとき、それは得策ではない。 あえて核について議論する。 その強さこそが日本を再び世界一の国にするための スタートとなるのだ。
- 本の長さ378ページ
- 言語日本語
- 出版社フォレスト出版
- 発売日2011/4/15
- ISBN-10489451933X
- ISBN-13978-4894519336
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
●日下公人(くさか・きみんど) 評論家。日本財団特別顧問。社会貢献支援財団会長。 三谷産業株式会社監査役。日本ラッド株式会社監査役。 1930年、兵庫県生まれ。東京大学経済学部卒業。 日本長期信用銀行取締役、社団法人ソフト化経済センター理事長を経て、 東京財団会長を務める。 ソフト化・サービス化の時代をいち早く先見し、 日本経済の名ナビゲーターとして活躍。 著者に『日本と世界はこうなる』『デフレ不況の正体』など100冊以上。 ●伊藤貫(いとう・かん) 1953年、東京生まれ。東京大学経済学部卒業後、 コーネル大学で米国政治史、国際関係論を学ぶ。 その後、ワシントンのコンサルティング会社で、 国際政治・経済のアナリストとして勤務。 『シカゴ・トリビューン』『ロサンゼルス・タイムズ』 『フォーリン・ポリシー』『正論』『Voice』『東洋経済』などに 外交評論と金融政策分析を執筆。 CNN、CBS、NBC、BBCの政治番組に外交、国際関係、金融問題の解説で出演。 ワシントンに25年在住。 著書に『中国の核戦力に日本は屈服する』がある。
登録情報
- 出版社 : フォレスト出版 (2011/4/15)
- 発売日 : 2011/4/15
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 378ページ
- ISBN-10 : 489451933X
- ISBN-13 : 978-4894519336
- Amazon 売れ筋ランキング: - 197,897位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 34,187位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2011年10月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日下公人と伊藤貫共著の『自主防衛を急げ』の骨子は次の通り。
' 自分の国を自分で守るのは当然の義務である。
' その義務を果たさない国にレジティマシーが無い。
' 自主独立の気概を持つべし。
' 独立核を持ったインドに学べ。 インドが核を保有した当時は非難を受けたが核を持ったことによる強みが効いて国際社会から認められた。
' アメリカは頼りにならない。 過去にアメリカの高官は日本の有事に自国の兵士を危険に晒すことはないと再三にわたって明言している。
' 核の傘は当てにならない。 日本が核攻撃を受けたらアメリカが必ず報復するという保障は無いのだから。
' ニュークリア・シェアリングは自主防衛とはならない。 受け渡しの決定権はアメリカ大統領ないしはアメリカ議会にあるのだから。
' 日本を守れるのは結局は日本だけである。
骨子は良い。 私から付け加えるとすれば、自主防衛と核武装はイスラエルに学ぶべき、ということである。 小さな国土と敵に囲まれた厳しい環境で生き残り、立派に経済を発展させきたこの国の姿勢から学ぶことは多いはずである。
この本は随所に間違いを含んでいる。 そして深刻な左翼の毒にちりばめられている。 したがって防衛に興味ある人間は上に挙げた項目だけ読んだらそれで十分である。 上の項目を頭において、どうすればよいか自分で考えるべきである。 この本は読むべきではない。 間違いと毒でむしろ悪影響を与える本である。
伊藤貫という人物はアメリカ在住が長いようであるが、アメリカを熟知しているとは思えない。 むしろ肝心なことを全く理解していない。 イスラエルをバッシングするが中東のことも全く理解していない。 リベラルの特殊な考えに偏っており保守ではない。 そして氏が取り上げる人物はどれも保守ではないどころかいかがわしい際物である。
その代表がミアシャイマーという人物。 こんな変な名前は聞き覚えがないと思って調べてみたら分かったが、「The Israel Lobby and U.S. Foreign Policy 『イスラエルロビーとアメリカの外交政策』」という本の著者である。 この本は反ユダヤ主義に根差した陰謀論である。 ユダヤ人がアメリカ政界を操作し、イスラエルに有利な外交をするよう仕向けている、という根も葉もないガセネタである。 ゴミである。 私は一行も読んでいない。 なぜならばゴミだからである。 反資本主義・反ユダヤ・反イスラエルの極左ノーム・チョムスキーからは高く評価されているそうで何とも不名誉なことである。
氏は殊更にイスラエルを中国、ロシアと並べて覇権主義国家と呼び貶める。 イスラエルの面積はニュージャージー州程度である。 ちっぼけな国土である。 この国がいつ誰に対して覇権を主張したのか。 それどころか、6日戦争以来、国土は縮小する一方である。 現在までにシナイ半島、南レバノン、ガザを手放している。 土地を次々と手放す覇権国家があり得るだろうか、ということである。
氏はイスラエルの6日戦争が国際法違反のパレスチナ侵略と呼び、イスラエルの軍事行動をパレスチナ人虐殺と呼んでいる。 市民の犠牲者を最小化せんとするイスラエルと、市民の犠牲者を最大化せんとするパレスチナ・テロ側の戦いをこのように表現する氏の視点の偏りと不道徳さと意地悪さは南京大虐殺をでっち上げたアイリス・チャンといい勝負である。
氏はアメリカの戦争は全部悪だとしている。 インディアン制圧、南北戦争、ベトナム戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争、これら全部を十把一絡げで愚劣な戦争と評している。 ベトナム戦争はアメリカがベトナム全土を共産化させようとする北ベトナムに対抗する南ベトナムを支援して起きた戦争である。 ニクソン時代に完全に勝利を収めたにも関わらず、次のフォード時代に民主党議会が南ベトナムへの戦力支援継続を拒否したために北ベトナムが勢力を盛り返して泥沼化したのである。 アメリカが敗退したのはリベラル勢力の妨害のせいであって決して「ベトナムに大義があったから」などではない。 サイゴン陥落後多くのベトナム人が共産主義者の暴力の犠牲になり、更にはカンボジアの大虐殺が引き起こされた。 氏がことを忘れたのか分かっていないのか知らないが、いずれにしてもこの不見識は青い左翼青年そものもである。
氏はイラク戦争の理由づけとなった証拠を捏造としている。 また戦争そものもを国際法違反であり不必要であるとしている。 このセリフも左翼原産である。 当時は共和党も民主党も一致してイラクのアメリカへの脅威を認識し、国益と安全を守るために議会の承認を得て開戦に踏み切ったのである。 「大量破壊兵器」だけが理由ではなかったのである。 むしろサダム・フセインこそが大量破壊兵器なのだから、何も問題も無いのである。
氏はブッシュ大統領を殊更馬鹿にする。 ブッシュよりもクリントンはましだった、オバマもましであると。 「ブッシュがビン・ラディンより怖かった」とまで言う。 氏は9.11で犠牲になったのはアメリカ人だけではないこと、その後イギリスも、スペインも、インドネシアもイスラム・テロの犠牲となったことを知らない。 少なくともアメリカを素早く立ち直らせ、その後今に至るまで同様のテロを防いだブッシュの功績を認める良識はないのか。 9.11は前任のクリントンがテロを野放しにしたために起きたものである。 オバマはブッシュが国民の安全を維持するために行った数々の政策を保護にしている。 それをブッシュよりまし、とはあまりにもふざけていないか。
経済のことも語っているが、「デリバティブはニューヨークのユダヤ人が金儲けを企んで作った」などというのは失笑ものである。 この本の目的は日本の防衛ではなくユダヤ人叩きか、と言いたくなる。 Community Reinvestment Actをカーターが成立させ、クリントンが推進し、低所得者への住宅融資を民主党議員が銀行に強制したことから投資家がリスクを分散させるためにデリバティブが生まれたという経緯を知らないのか、ということである。 左翼運動による市場の攪乱が破滅的な結果を生んだという事実を知らないのか、ということである。
伊藤氏と共同執筆者の日下氏にアドバイスするとしたら次のとおりである。 アメリカを正しく判断したければ、亜流ではなく、保守本流を見るべきである。 2012年大統領選挙は保守本流の回帰となる。 オバマ政権はもう終わりである。 アメリカ本来の保守であり、合衆国憲法オリジナリストであり、バランスのとれた知性と経験を持つミシェル・バックマン、ハーマン・ケイン、リック・サントラム、彼らのいずれかが次期大統領の本命候補である。 彼らの原点はレーガンが命を吹き込んだ保守運動である。 彼らの思想にこそ着目するべきである。
' 自分の国を自分で守るのは当然の義務である。
' その義務を果たさない国にレジティマシーが無い。
' 自主独立の気概を持つべし。
' 独立核を持ったインドに学べ。 インドが核を保有した当時は非難を受けたが核を持ったことによる強みが効いて国際社会から認められた。
' アメリカは頼りにならない。 過去にアメリカの高官は日本の有事に自国の兵士を危険に晒すことはないと再三にわたって明言している。
' 核の傘は当てにならない。 日本が核攻撃を受けたらアメリカが必ず報復するという保障は無いのだから。
' ニュークリア・シェアリングは自主防衛とはならない。 受け渡しの決定権はアメリカ大統領ないしはアメリカ議会にあるのだから。
' 日本を守れるのは結局は日本だけである。
骨子は良い。 私から付け加えるとすれば、自主防衛と核武装はイスラエルに学ぶべき、ということである。 小さな国土と敵に囲まれた厳しい環境で生き残り、立派に経済を発展させきたこの国の姿勢から学ぶことは多いはずである。
この本は随所に間違いを含んでいる。 そして深刻な左翼の毒にちりばめられている。 したがって防衛に興味ある人間は上に挙げた項目だけ読んだらそれで十分である。 上の項目を頭において、どうすればよいか自分で考えるべきである。 この本は読むべきではない。 間違いと毒でむしろ悪影響を与える本である。
伊藤貫という人物はアメリカ在住が長いようであるが、アメリカを熟知しているとは思えない。 むしろ肝心なことを全く理解していない。 イスラエルをバッシングするが中東のことも全く理解していない。 リベラルの特殊な考えに偏っており保守ではない。 そして氏が取り上げる人物はどれも保守ではないどころかいかがわしい際物である。
その代表がミアシャイマーという人物。 こんな変な名前は聞き覚えがないと思って調べてみたら分かったが、「The Israel Lobby and U.S. Foreign Policy 『イスラエルロビーとアメリカの外交政策』」という本の著者である。 この本は反ユダヤ主義に根差した陰謀論である。 ユダヤ人がアメリカ政界を操作し、イスラエルに有利な外交をするよう仕向けている、という根も葉もないガセネタである。 ゴミである。 私は一行も読んでいない。 なぜならばゴミだからである。 反資本主義・反ユダヤ・反イスラエルの極左ノーム・チョムスキーからは高く評価されているそうで何とも不名誉なことである。
氏は殊更にイスラエルを中国、ロシアと並べて覇権主義国家と呼び貶める。 イスラエルの面積はニュージャージー州程度である。 ちっぼけな国土である。 この国がいつ誰に対して覇権を主張したのか。 それどころか、6日戦争以来、国土は縮小する一方である。 現在までにシナイ半島、南レバノン、ガザを手放している。 土地を次々と手放す覇権国家があり得るだろうか、ということである。
氏はイスラエルの6日戦争が国際法違反のパレスチナ侵略と呼び、イスラエルの軍事行動をパレスチナ人虐殺と呼んでいる。 市民の犠牲者を最小化せんとするイスラエルと、市民の犠牲者を最大化せんとするパレスチナ・テロ側の戦いをこのように表現する氏の視点の偏りと不道徳さと意地悪さは南京大虐殺をでっち上げたアイリス・チャンといい勝負である。
氏はアメリカの戦争は全部悪だとしている。 インディアン制圧、南北戦争、ベトナム戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争、これら全部を十把一絡げで愚劣な戦争と評している。 ベトナム戦争はアメリカがベトナム全土を共産化させようとする北ベトナムに対抗する南ベトナムを支援して起きた戦争である。 ニクソン時代に完全に勝利を収めたにも関わらず、次のフォード時代に民主党議会が南ベトナムへの戦力支援継続を拒否したために北ベトナムが勢力を盛り返して泥沼化したのである。 アメリカが敗退したのはリベラル勢力の妨害のせいであって決して「ベトナムに大義があったから」などではない。 サイゴン陥落後多くのベトナム人が共産主義者の暴力の犠牲になり、更にはカンボジアの大虐殺が引き起こされた。 氏がことを忘れたのか分かっていないのか知らないが、いずれにしてもこの不見識は青い左翼青年そものもである。
氏はイラク戦争の理由づけとなった証拠を捏造としている。 また戦争そものもを国際法違反であり不必要であるとしている。 このセリフも左翼原産である。 当時は共和党も民主党も一致してイラクのアメリカへの脅威を認識し、国益と安全を守るために議会の承認を得て開戦に踏み切ったのである。 「大量破壊兵器」だけが理由ではなかったのである。 むしろサダム・フセインこそが大量破壊兵器なのだから、何も問題も無いのである。
氏はブッシュ大統領を殊更馬鹿にする。 ブッシュよりもクリントンはましだった、オバマもましであると。 「ブッシュがビン・ラディンより怖かった」とまで言う。 氏は9.11で犠牲になったのはアメリカ人だけではないこと、その後イギリスも、スペインも、インドネシアもイスラム・テロの犠牲となったことを知らない。 少なくともアメリカを素早く立ち直らせ、その後今に至るまで同様のテロを防いだブッシュの功績を認める良識はないのか。 9.11は前任のクリントンがテロを野放しにしたために起きたものである。 オバマはブッシュが国民の安全を維持するために行った数々の政策を保護にしている。 それをブッシュよりまし、とはあまりにもふざけていないか。
経済のことも語っているが、「デリバティブはニューヨークのユダヤ人が金儲けを企んで作った」などというのは失笑ものである。 この本の目的は日本の防衛ではなくユダヤ人叩きか、と言いたくなる。 Community Reinvestment Actをカーターが成立させ、クリントンが推進し、低所得者への住宅融資を民主党議員が銀行に強制したことから投資家がリスクを分散させるためにデリバティブが生まれたという経緯を知らないのか、ということである。 左翼運動による市場の攪乱が破滅的な結果を生んだという事実を知らないのか、ということである。
伊藤氏と共同執筆者の日下氏にアドバイスするとしたら次のとおりである。 アメリカを正しく判断したければ、亜流ではなく、保守本流を見るべきである。 2012年大統領選挙は保守本流の回帰となる。 オバマ政権はもう終わりである。 アメリカ本来の保守であり、合衆国憲法オリジナリストであり、バランスのとれた知性と経験を持つミシェル・バックマン、ハーマン・ケイン、リック・サントラム、彼らのいずれかが次期大統領の本命候補である。 彼らの原点はレーガンが命を吹き込んだ保守運動である。 彼らの思想にこそ着目するべきである。
2019年7月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第二次世界大戦後のアメリカの対日政策の基本は、日本を徹底的に平和国家にすることである。そうすることによって再びアメリカに刃を向けない国になる。日本の自衛隊は、そのようなアメリカの対日政策の枠の中にある限り、自国を衛るための実力組織ではなく、アメリカの対アジア軍事戦略を補完する部隊でしかない。憲法9条と安保条約はそんな日本の現状を法的に表現したものである。日下氏と伊藤氏は、日本の対米従属状態政策を解消し、自主防衛政策に切り替えることを提唱する。50年後、いや100年後の日本を見据えたとき、通過しなければならない議論である。
2017年6月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これが現実世界です。
難しい記述や表現はほぼ皆無で、非常に読みやすい。
わかっていたつもりだった国際政治や外交の厳しい現実が堂々と述べられ、読了後は清々しく感じてしまいました。
現実は厳しいですが、多くの日本人がくるくるパーだからそう感じるのであって、その世界を各国の人間は生きているのです。
早急に奴隷の平和からの目覚めが必要です。じゃないと眠ったまま滅亡することになる。
まずは核武装を。
難しい記述や表現はほぼ皆無で、非常に読みやすい。
わかっていたつもりだった国際政治や外交の厳しい現実が堂々と述べられ、読了後は清々しく感じてしまいました。
現実は厳しいですが、多くの日本人がくるくるパーだからそう感じるのであって、その世界を各国の人間は生きているのです。
早急に奴隷の平和からの目覚めが必要です。じゃないと眠ったまま滅亡することになる。
まずは核武装を。
2018年4月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
かなり前に読んだが、良い本だった。
日下先生は保守の大御所になってしまったなあ。
日下先生は保守の大御所になってしまったなあ。
2020年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日下さんは前世紀の遺物のごとし。骨董右翼か。
伊藤氏の高度な議論とは全くかみ合わず、
むしろ、じゃまな存在。星ふたつは伊藤氏分。
伊藤氏の高度な議論とは全くかみ合わず、
むしろ、じゃまな存在。星ふたつは伊藤氏分。
2011年11月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
過去500年の世界史、今後の世界の潮流をふまえ、
戦後日本国を属国と定義し、
これからの日本国の進むべき道を解説している。
また、日本の社会科学系知識人のほとんどが、
諸外国の知識人と比較し、知的に劣ったコラボーレショニストであると定義されている。
戦争に敗北した国家の運命について、
キッシンジャーの解説が、そのまま日本の戦後史に当てはまる事に慄然させられた。
近現代史を踏まえた上で、
今後の日本の国家戦略を、明確に定義してある本は、そうそう無いと思える。
このまま中国がひたすら膨張をつづけるという、著者の主張や
アメリカ衰亡の急激かつ激しさを強調する、著者の主張には、多くの異論が有るのだろうが、
それゆえ、本書がより注目を浴び、専門家間で論争をよんでほしいと、
国際政治の素人である自分は希望します。
戦後日本国を属国と定義し、
これからの日本国の進むべき道を解説している。
また、日本の社会科学系知識人のほとんどが、
諸外国の知識人と比較し、知的に劣ったコラボーレショニストであると定義されている。
戦争に敗北した国家の運命について、
キッシンジャーの解説が、そのまま日本の戦後史に当てはまる事に慄然させられた。
近現代史を踏まえた上で、
今後の日本の国家戦略を、明確に定義してある本は、そうそう無いと思える。
このまま中国がひたすら膨張をつづけるという、著者の主張や
アメリカ衰亡の急激かつ激しさを強調する、著者の主張には、多くの異論が有るのだろうが、
それゆえ、本書がより注目を浴び、専門家間で論争をよんでほしいと、
国際政治の素人である自分は希望します。
2014年11月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
伊藤貫さんのファンです。日下公人さんのファンです。
日本は自主独立の覚悟を決める。
日本は自主独立の覚悟を決める。