著者は夫の転勤を機に小学生の息子との家族3人で2007年からメリーランド州に移り住んだ人物。日々の暮らしの中で気づいた、不思議で愛すべきアメリカについて綴ったエッセイ集です。
『アメリカなう。』というふざけたタイトルで、砕けたトーンの筆致で綴られているとはいえ、書かれていることはいたってまじめで、深い洞察力が感じられます。それもこれも著者が17年間毎日新聞に勤めていた記者だったからでしょう。ジャーナリストとしての観察眼と描写力は、蔽い隠しようもないという印象を受けました。
芝生を重んじる郊外住宅街ではタンポポは最も忌み嫌われる雑草である。それが生えているのを放置することは社会に混乱を与える所業とみなされる。
痛みに弱いアメリカ人は無痛分娩どころか、親不知を抜くのにさえ全身麻酔が施される。
反抗期にあるはずのアメリカの子どもたちが親と仲良しであるように見えるのは、週末に車で送迎してもらうために親との全面対決を避ける傾向があるから。
購入したものをかなり緩い条件で返品できる文化があるので、贈り物にも返品を想定してバーコードだけが書かれたギフトレシートが付けられている。
日本に居ながらにしてもアメリカ文化は映画やテレビドラマを通じてかなりの程度その情報に接する機会があると思っていました。ですが、この本を読むと、まだまだ興味深い未知のしきたりがあるのだなということがよくわかります。思わず感嘆の声を幾度もあげながら頁を繰りました。
各エッセイに付されたフジモトマサルの猫の一コママンガが微苦笑を誘い、これまたなんとも楽しい読書になりました。
著者にはぜひ続編を期待したいと思います。

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アメリカなう。 単行本 – 2011/3/1
小国 綾子
(著)
- 本の長さ255ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2011/3/1
- ISBN-104093798192
- ISBN-13978-4093798198
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登録情報
- 出版社 : 小学館 (2011/3/1)
- 発売日 : 2011/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 255ページ
- ISBN-10 : 4093798192
- ISBN-13 : 978-4093798198
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,240,872位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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大阪生まれ。90年毎日新聞社に入社。07年秋に退社。家族で米国メリーランド州へ。4年間の米国滞在中は、週刊ポストに「ニッポンあ・ちゃ・ちゃ」を連載。また、季刊誌「青少年問題」に、社会学者の土井隆義氏と往復書簡形式で、日米の若者をめぐる諸問題を連載した。11年帰国し、毎日新聞社に再就職。
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」でミズノスポーツライター賞(優秀賞)受賞。「?が!に変わるとき 新聞記者、ワクワクする」は、2015年度の読書感想画中央コンクール課題図書に。
https://www.facebook.com/ayako.oguni
twitter: @ayaoguni
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年4月8日に日本でレビュー済み
2013年6月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読みやすいエッセイである。が、私の知りたいことは何ひとつ書いていなかった。その上、内容をどこまで信頼していいのかがわからない。赴任前に現地の生活の実際が知りたいとか、調査研究用に具体的な証言の類が知りたいとか、そういうことにはまるで役に立たない。購入の必要はないと思う。
あらゆるエピソードにまるで現実味がない。著者は、あるときにはママ友らしき人々と自在に異文化交流をこなし、ある時は息子の通う現地校の教師と語り合う。そうして軽妙な調子で文章をつづるのだが、著者によれば、著者は少なくとも自分の息子よりは英語ができない。であればどうやって、教師から「すごいプレッシャーなのよね」(p.148)などという本音が引き出せるのか。おそらく、面談に行き、片言でコミュニケーションを試み、そのような説明を受けたと本人が理解したのだろうが、そこに脚色があることは明らかだ。
もし事実を語りたいのなら、無責任な脚色ではなく、主観的な解釈で勝負すべきだ。新聞記者なのだったらそれがどういう意味かわかるだろう。たとえば現地校に子供を通わせることの得失は、早期英語教育が盛んに議論されている日本だと議論のすばらしいテーマになる。著者の軽妙な筆致が、もしそういう知的な掘り下げ作業と合わさっていたのなら、本書にはもうちょっとましな書評が寄せられたことだろう。
家探しにしても学校探しにしても、子供をサッカークラブに入れるにしても、あらゆるところで感じるであろうギャップについて、何ひとつ伝わってこない。このような現実味のなさの由来はちょっとよくわからない。非常に不思議だ。あらゆる具体的な内容を捨象して、ここまでよく他人事風に書けるなと思う。この人には現地語を話せる召使でもいるのだろうか。
あるいはひょっとしてこれは、たいてい持ち込まれた資料や発表資料をもとに記事を組み立てる新聞記者の性みたいなものに由来するのかもしれない。そうだとすると、この著者に何を言っても無駄であろう。事実に肉薄するということの意味すら共有できていないのだから。
あらゆるエピソードにまるで現実味がない。著者は、あるときにはママ友らしき人々と自在に異文化交流をこなし、ある時は息子の通う現地校の教師と語り合う。そうして軽妙な調子で文章をつづるのだが、著者によれば、著者は少なくとも自分の息子よりは英語ができない。であればどうやって、教師から「すごいプレッシャーなのよね」(p.148)などという本音が引き出せるのか。おそらく、面談に行き、片言でコミュニケーションを試み、そのような説明を受けたと本人が理解したのだろうが、そこに脚色があることは明らかだ。
もし事実を語りたいのなら、無責任な脚色ではなく、主観的な解釈で勝負すべきだ。新聞記者なのだったらそれがどういう意味かわかるだろう。たとえば現地校に子供を通わせることの得失は、早期英語教育が盛んに議論されている日本だと議論のすばらしいテーマになる。著者の軽妙な筆致が、もしそういう知的な掘り下げ作業と合わさっていたのなら、本書にはもうちょっとましな書評が寄せられたことだろう。
家探しにしても学校探しにしても、子供をサッカークラブに入れるにしても、あらゆるところで感じるであろうギャップについて、何ひとつ伝わってこない。このような現実味のなさの由来はちょっとよくわからない。非常に不思議だ。あらゆる具体的な内容を捨象して、ここまでよく他人事風に書けるなと思う。この人には現地語を話せる召使でもいるのだろうか。
あるいはひょっとしてこれは、たいてい持ち込まれた資料や発表資料をもとに記事を組み立てる新聞記者の性みたいなものに由来するのかもしれない。そうだとすると、この著者に何を言っても無駄であろう。事実に肉薄するということの意味すら共有できていないのだから。
2011年5月4日に日本でレビュー済み
アメリカナイズされて来たとはいっても、日本との文化や習慣の違いを感じさせるオドロキのコラムが満載されています。
本書のユニークなところは、コラムを読み終えると、その都度、ひとコマ漫画があって、コラムに追い討ちをかけるがごとく、的を得て、なんともユーモアたっぷりに表現しています。
思わずニヤッと笑えるところがとてもいいです。
アメリカ映画を見ていて、たしかに、芝刈り機が出てきたり、おとうさんが修繕したり、なんでもかんでもビッグサイズであったり、意外と古い電気製品が多かったり、必ず親が車で送迎したり、親が不在の時にはベビーシッターがいるなどがよく伺えます。
また、映画は何よりも、アメリカ人との会話では、「Great」、「Wonderful」、「Good」、「Excellent」、「Fantastic」などなど、とても不思議に感じるくらい褒めたたえるとともに、プレゼンテーションでは、主張を最大限にアピールし、相当自慢げな言い回し振りが散見します。
クリスピードーナツの、夢ごごち気分に甘くて切なくてではなく、あの脳天を突き刺すようなチョー甘〜い感覚で代表されるのが、アメリカのスイーツをイメージさせるところです。
本書では、住んでみたアメリカ事情あれこれを庶民的な観点から、おもうがままに、おもしろおかしく評論してあり、読みやすく仕上がっています。
本書のユニークなところは、コラムを読み終えると、その都度、ひとコマ漫画があって、コラムに追い討ちをかけるがごとく、的を得て、なんともユーモアたっぷりに表現しています。
思わずニヤッと笑えるところがとてもいいです。
アメリカ映画を見ていて、たしかに、芝刈り機が出てきたり、おとうさんが修繕したり、なんでもかんでもビッグサイズであったり、意外と古い電気製品が多かったり、必ず親が車で送迎したり、親が不在の時にはベビーシッターがいるなどがよく伺えます。
また、映画は何よりも、アメリカ人との会話では、「Great」、「Wonderful」、「Good」、「Excellent」、「Fantastic」などなど、とても不思議に感じるくらい褒めたたえるとともに、プレゼンテーションでは、主張を最大限にアピールし、相当自慢げな言い回し振りが散見します。
クリスピードーナツの、夢ごごち気分に甘くて切なくてではなく、あの脳天を突き刺すようなチョー甘〜い感覚で代表されるのが、アメリカのスイーツをイメージさせるところです。
本書では、住んでみたアメリカ事情あれこれを庶民的な観点から、おもうがままに、おもしろおかしく評論してあり、読みやすく仕上がっています。
2015年3月10日に日本でレビュー済み
日本人がアメリカ人を解釈するとこうなるって印象でした。
よくある日本人からみたアメリカ人ですね。
理論性や科学性に欠けると思います。
よくある日本人からみたアメリカ人ですね。
理論性や科学性に欠けると思います。
2012年3月29日に日本でレビュー済み
短編集なので、とっても読みやすかったです。女性目線のユーモアも含まれていて、面白いと感じるところもありました。
でもこれがアメリカのすべてではなく、ほんの一部であり「こういう部分もあるんだな〜」っと思って読むものですね。
時代が変わればこの本は、参考にならなくなるでしょう。
でもこれがアメリカのすべてではなく、ほんの一部であり「こういう部分もあるんだな〜」っと思って読むものですね。
時代が変わればこの本は、参考にならなくなるでしょう。
2011年7月19日に日本でレビュー済み
ぜひ続編を書いていただきたい。この本は著者のアメリカ滞在なかばでかかれたようですね。その後のこと、本書を読み返したときの感想、東日本大震災の時のアメリカ、逆カルチャーショックなどのことも書いていただきたい。
アメリカに住んで30年になります。メリーランドにもかなり長くなります。その私が読んでみて A. なかなかいい。よく調べてある。大事なことだ。アメリカに来る人にぜひ読んでほしい (40%)。B.大切といわないけど面白い (40%)。C. 本当かもしれないし話としては面白いのかもしれないけど活字にするとちょっと退屈 (10%)。D もしかして勘違いしているのでは (10%)。私自身が現在の日本事情を知らないのでずれているかも知れませんが。
ところで内向きといわれる近頃の若者たちですが、著者の住んでいたメリーランドの日本人学生たち、かわいいアメリカ人(典型的な?)のガールフレンドと元気にソーランパラパラを披露しました。[...] おにぎりを作って義援金も稼ぎました。がんばれ日本。
アメリカに住んで30年になります。メリーランドにもかなり長くなります。その私が読んでみて A. なかなかいい。よく調べてある。大事なことだ。アメリカに来る人にぜひ読んでほしい (40%)。B.大切といわないけど面白い (40%)。C. 本当かもしれないし話としては面白いのかもしれないけど活字にするとちょっと退屈 (10%)。D もしかして勘違いしているのでは (10%)。私自身が現在の日本事情を知らないのでずれているかも知れませんが。
ところで内向きといわれる近頃の若者たちですが、著者の住んでいたメリーランドの日本人学生たち、かわいいアメリカ人(典型的な?)のガールフレンドと元気にソーランパラパラを披露しました。[...] おにぎりを作って義援金も稼ぎました。がんばれ日本。
2011年6月18日に日本でレビュー済み
類は友を呼ぶというお話。
著者の言うアメリカ人や家庭というのは、
あくまで著者の周りにいて、著者と気が合う人達にすぎない。
それは、裏をかえせば、著者と同じような考え方や価値観をもっていて、
もっと誤解を恐れずに言えば、同じような物差しで他人の価値を測る人達だということ。
それをみて最初はおかしいと思ったけど、ああでもよく考えたら自分もそんなところあるよねーって、
そんな感想で閉めるオチばっかりなんですが、
そりゃ当り前だろーって思いました。
アメリカとか日本とか関係ないですね。
著者の言うアメリカ人や家庭というのは、
あくまで著者の周りにいて、著者と気が合う人達にすぎない。
それは、裏をかえせば、著者と同じような考え方や価値観をもっていて、
もっと誤解を恐れずに言えば、同じような物差しで他人の価値を測る人達だということ。
それをみて最初はおかしいと思ったけど、ああでもよく考えたら自分もそんなところあるよねーって、
そんな感想で閉めるオチばっかりなんですが、
そりゃ当り前だろーって思いました。
アメリカとか日本とか関係ないですね。
2012年3月19日に日本でレビュー済み
単なる駐在妻エッセーならこう面白くはなかっただろうし手にも取らなかったと思うが、筆者は元新聞記者だけあってさすがに文章が上手。さくさくっと読めてしまう。
面白可笑しく書いてはいるけれど、きちんとした洞察もなされていている。
女性の目線からでしか気付かないようなエピソードもあり、その点は「駐在妻」ならではだろう。
新聞記者でも駐在員でもなく、元新聞記者が駐在妻として書いた視点が面白いのだと思う。
面白可笑しく書いてはいるけれど、きちんとした洞察もなされていている。
女性の目線からでしか気付かないようなエピソードもあり、その点は「駐在妻」ならではだろう。
新聞記者でも駐在員でもなく、元新聞記者が駐在妻として書いた視点が面白いのだと思う。