といってよいのだろうな。
1940年の制作でナチスのポーランド侵攻までを描いているから当時としては現代劇だったわけだ。
ナチスが憎むべき存在であることは間違いないが、それは戦後だから言えることであって、当時のイギリスではチェンバレンの融和政策もあったのだからあからさまにナチス批判もできないはず。
で、制作したのはアメリカということか。
これが戦後の作品であったならばともかく、まだ戦争の帰趨も分からず、むしろナチス優勢の中で作られているわけだ。
しかもアメリカは中立を保っていたころ。
とにかく露骨な反ナチ映画。
当時はこういうものだったのだろうな。
それにしてもナチスの手先たちが跋扈できたロンドンというのは何なのか。
この映画はナチスを叩く一方でイギリスの弱腰をも批判していると言えるだろう。
アメリカはいつも後ろに控えていてこういうことをやる。
それはともかくとして、ジェーンのために勝った「矢」の形のアクセサリが逆転の決め手になるというところはなかなかによい。
しかし最後、志願したソーンダイクが落下傘でドイツ領内に降下していくときのナレーションなんかはあまりにも露骨だね。
どこか遠くからウクライナ支援をするアメリカとダブる。