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「義を見てせざるは勇なきなり」。
音楽性も世代も違うミュージシャンたちが、こういう時にすばやく結集してあたりまえのように行動に移す。この言葉をまざしく体言するストレートな心意気には本当に感動させられます。これは今回だけではなく、遡れば LIVE AID 、最近ではスマトラ、ハイチ、その都度行われてきたことです。
曲目解説/歌詞・対訳収録があるということで、普段洋楽を聴かない方々も、この素晴らしいミュージシャンたちを知るきっかけになるとうれしいです。
私は、阪神・淡路大震災をきっかけに、遺児の方々をサポートする国内の団体、
スマトラ島沖地震をきっかけに国際児童支援団体、
そして以前起こった原子力の事故をきっかけに、このアルバムにも参加している、
大好きなミュージシャンも支持している環境保護団体
(大手メディアが伝えているイメージと、実際はかなり違うと思います。きっと国やスポンサーにとっては都合のいい団体ではなかったですもんね）のサポーターになりました。
やっていることは月々会費を銀行引落、インターネットで署名活動をするぐらいで、
収めている額も、月々ちょっと何かを買わなければ済むぐらいのささやかな金額です。
サポーターになった大きな理由は、この社会が今まで流しつづけている暗黙のメッセージ。
「被害にあった人間は、運が悪かったと思ってあきらめろ。
それ以外の人間は、そんな余計な事に首をつっこむな。
どうせ他人事なのだから」
また、昔読んだ本に、「行動しないということは、消極的にではあるかもしれないが、
今の状況に対して「YES」といっているのと同じである」というようなことが書いてありました。
このアルバムに込められ、今までにも各地で寄せられてきた暖かいメッセージとは全く逆の、
でも確かに存在するこんなメッセージを受け入れたくない、
何よりもこれから生きていく子供たちに対して
「無駄だと分かっていたから、やりもしないでに諦めた。」とは言いたくない、
と思ったからです。
私は生活の全てをこういった活動に捧げられるほど立派な人間ではありません。
でも、100か0かではなく1でも10でもいいからやってみよう。無理なく長く続けられることを。
そして、現に続いています。
この状況を懸命に耐えている被災された方々、今もなお危険な状況で作業を続けられている方々。
存在しているはずなのに、（配慮なのか意図的になのか）伝えられていない、
あまりにも悲惨で過酷な現実。
それは、味わっていない人間には到底分かりっこない辛さだと思います。
この方たちと私との違い。それはたまたま住んでいる地域や立場が違っていただけ。
それだけでこんな悲惨な目に遭ってしまった。
立場が逆だったとしたら、当然この方々は私を助けようと行動してくれるだろうと確信します。
阪神淡路大震災１年後に出版された、被災者の方々の手記にこのようなことが書かれていました。
「今は、政府は地震対策でとしていろいろな方針を出しているけれど、もうしばらくしたら、
たぶん、被災地以外の人々は地震のことを忘れ、政府も忘れ、
結局、何年後かに他のところで大地震が起こっても、何も対策をしていないままなのではないでしょうか...」
司馬遼太郎氏の｢歴史と視点」という本の、旧日本軍についての記述とあまりに重なる、
今の原発事故の一連の状況。
先の大戦で被害に遭い、長い年月苦しむことになった広島、長崎の方々に対して、
この国がいままでしてきた仕打ち。
（実際に現地で支援していていただいた方たちには、本当に感謝と尊敬の念を抱いていますが、その一方で）
「トモダチ」を思いやるあまり、世界で２番目に買っているその国債を、
自国の苦しんでいる民のために少し売りたい、ということすら言い出せない、国同士の「トモダチ」という関係。
今の現状を思うにつけ、これらのことを考えずにはいられません。
去年のドラマで坂本竜馬が「日本を、皆が笑って暮らせる国にしたい」ということを繰り返し語っていました。
今本当に辛い思いをしている方々、そして次の世代が、将来本当に心から笑っている国にしたい。
でも、それは行動しなくて手に入るほど甘くは無い。
余計なことは詮索しない。興味をもたない。疑わずに人任せにしてくれる。
ましてや反抗などしない。
それが普通。
そんないい子にしてきた結果が今の状況。
行動してもなかなか変わらないことぐらい百も承知です。
でも、諦めたら思う壺。
そんな悔しい結果には絶対にしたくない。
いろんな意見があるかもしれませんが、
それはよりよい結果をめざす為の意見であって欲しい。
このアルバムに賛同する方々へ願うこと。
それはこれをきっかけに、それぞれ何かの方法（もちろん平和的、合法的な方法でですよ。念のため）で、
「皆が笑える国」になるよう行動して、それを続けて行く人が一人でも増えてくれることです。
追記
現在2013年３月11日です。
今の気持ちは感謝半分、悔しさ半分です。
今もやはり苦しみ続けている人たちがいて
それにも拘わらず、何の反省も無く
また同じ道に引きずり戻そうとする人たちに対する悔しさ。
でも、こんな状態を声をあげて
自ら変えていこうとする人たちが
自分が思っていた以上に増えていることへの
感謝。
自分が悔しがろうが感謝しようがそれは世の中にとって
どうでもいいことかもしれませんが
それでもかつて、
このアルバムに参加したアーテｨスト
それに賛同した方々に抱いた感謝の気持ち、
そして今も歯を食いしばって堪えている方々のことを忘れまい、
そして行動していこうと思います。
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