6作目のロールアウトを12年待っている間に、小生は4歳の男の子の父親になっていた。
仕事に忙殺され、待望の新作のリリースを知ったのは発売から1年後のことだった。
若い頃、パトリックに、アンジーに、そしてブッバに会った。
そして今、中年の階段に差し掛かる彼らと、
既に若くない小生は、「遂に」最後の邂逅を果たす。
きっと、そんな読者は多いと思う。
10代の終わりから20代の中頃に同シリーズに触れ、
30代で本書を読む人の多くが、
私と同じ思いでページを捲った筈だ。
同書は、パトリックとアンジーの過去を知らぬまま、手をとるには余りにも勿体無い。
同書は、5作目の読後、10年を経て読まないならば、手をとるには余りにも勿体無い。
なぜなら、この物語の真価は、
過去5作の記憶と10年の空白があって
初めて「体験」できる種類の感慨にあるからだ。
その意味で、同書を、
5作目から10年の時を経て
遂にリリースし
これを完結編とした著者の真意には
感動と感謝の念を禁じ得ない。
ありがとう、レヘイン。
なんというご褒美をくれるのだ貴兄は。
正に見事なシリーズ完結である。
さようならパトリック。
さようならアンジー。
さようならブッバ。
さようならデヴィン。
さようならオスカー。
皆元気で。

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ムーンライト・マイル (角川文庫 レ 6-6) 文庫 – 2011/4/23
デニス・レヘイン
(著)
12年前に誘拐され、探偵パトリックが保護したアマンダ・マックリーディが失踪した。彼女はロシアン・マフィアから何か重要なものを盗み、消えたらしい。アマンダの狙いは何か--。
- 本の長さ439ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日2011/4/23
- ISBN-104042791069
- ISBN-13978-4042791065
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登録情報
- 出版社 : 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011/4/23)
- 発売日 : 2011/4/23
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 439ページ
- ISBN-10 : 4042791069
- ISBN-13 : 978-4042791065
- Amazon 売れ筋ランキング: - 313,791位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 6,230位角川文庫
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年4月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
比較的、軽い気持ちで読めますし、先が知りたくてどんどん読み進んでしまう面白さもあり好きです。
でも、このコンビもこれでおしまいなのでしょうね。ちょっと残念です。
でも、このコンビもこれでおしまいなのでしょうね。ちょっと残念です。
2021年9月3日に日本でレビュー済み
過去に失踪して探し出した少女がまた失踪し・・・というお話。
「愛しき者はすべて去りゆく」の後日談という事で、傑作「愛しき~」を読んでから読んだ方がいいですが、読まないでも楽しめます。
単純に見えた失踪事件の背後に実は・・・という展開はミステリの定石ですが、文章が巧いので、すらすら読めました。主人公のパトリックとアンジーのキャラクターもいいです。
難を言えば、少し登場人物が多いので、頭の中で交通整理しながらの読みになってしまいました。
シリーズもこれで終わりだそうで、これだけ高水準のシリーズが終わるのが惜しいです。
シリーズ掉尾を飾る力作。出来ればシリーズ全作を是非。
「愛しき者はすべて去りゆく」の後日談という事で、傑作「愛しき~」を読んでから読んだ方がいいですが、読まないでも楽しめます。
単純に見えた失踪事件の背後に実は・・・という展開はミステリの定石ですが、文章が巧いので、すらすら読めました。主人公のパトリックとアンジーのキャラクターもいいです。
難を言えば、少し登場人物が多いので、頭の中で交通整理しながらの読みになってしまいました。
シリーズもこれで終わりだそうで、これだけ高水準のシリーズが終わるのが惜しいです。
シリーズ掉尾を飾る力作。出来ればシリーズ全作を是非。
2011年8月8日に日本でレビュー済み
みなさんのレビューを読んでいて涙が出そうになりました。
ほんとに、これで終わりなのでしょうか?!
意外と言えば意外なエンディングでした。
でも、それがなぜかとてもカッコイイ。
最近ではリーバス警部シリーズのエンディングに匹敵する鮮やかさだと思います。
当時、読者の涙をしぼりきったかに思われた「愛しき者はすべて去りゆく」の後日譚とあって、読める喜びに悶絶いたしました。
あのアマンダがっ?!
もうひっこみはつかないでしょう。 >パトリック
アンジーも絶妙の相方ぶりでパトリックを支えますが、私は女性ですので、「こんな女、いねぇよぉ〜」と(苦笑)。
とてもあんなこと言えませんよ、ふつうの女だったら。
男性作家ならでは、ですね。
そんなこんなで、今回も読者のツボを突きまくってくれました。
これから読む方がうらやましいです。
できれば「愛しき者はすべて去りゆく」を読んでからどうぞ。
ハズレはないですよ。
ほんとに、これで終わりなのでしょうか?!
意外と言えば意外なエンディングでした。
でも、それがなぜかとてもカッコイイ。
最近ではリーバス警部シリーズのエンディングに匹敵する鮮やかさだと思います。
当時、読者の涙をしぼりきったかに思われた「愛しき者はすべて去りゆく」の後日譚とあって、読める喜びに悶絶いたしました。
あのアマンダがっ?!
もうひっこみはつかないでしょう。 >パトリック
アンジーも絶妙の相方ぶりでパトリックを支えますが、私は女性ですので、「こんな女、いねぇよぉ〜」と(苦笑)。
とてもあんなこと言えませんよ、ふつうの女だったら。
男性作家ならでは、ですね。
そんなこんなで、今回も読者のツボを突きまくってくれました。
これから読む方がうらやましいです。
できれば「愛しき者はすべて去りゆく」を読んでからどうぞ。
ハズレはないですよ。
2011年5月4日に日本でレビュー済み
“ボストンの鬼才”デニス・レヘインによる、<探偵パトリック&アンジー>シリーズの’10年上梓の第6弾。前作『雨に祈りを』(’99年、訳出は’02年)発表後、レヘインが「ふたりをしばらく休ませてあげたい」と言って封印されてから実に11年ぶりの新作。そして残念なことにシリーズ最終作である。
本書は、映画にもなり、クリントン元米大統領が在任中、夏の休暇に別荘に持ってゆく一冊に選んだという第4作『愛しき者はすべて去り行く』(’98年、訳出された’01年「このミステリーがすごい!」海外編で第14位にランクイン)の後日談ストーリーである。
設定はほぼ現実の時間経過どおり『愛しき者は・・・』から12年後。‘わたし’ことパトリックは探偵を廃業し、結婚して妻と4才の娘の家庭を持っている。妻が将来のため学校に通っているので家計は苦しく、生活のため大手警備&調査会社の非正規雇用員に甘んじている。そんな‘わたし’のもとにかつて4才だったアマンダを連れ戻して欲しいという依頼をした伯母が現れる。彼女は16才になったアマンダが再び消えたので、また探して欲しいと言う。‘わたし’とアンジーの胸には当時の苦い体験が甦る。
本書は、「貧民街に身を置き、軽口を叩きながらも心と体に傷を負いボロボロのふたりが降りかかる事件に対処し、さらに深手を負う」という、今までのシリーズのような深刻さはない。レヘイン自身も『愛しき者は・・・』の苦渋の結末とアマンダに対する負い目があり、いつかケリをつけたかったのだろう。怪しげで危ないロシア・ギャングや、詐欺を働くアマンダの実の母親やその恋人、一緒に姿を消したアマンダの親友、その親友のソーシャル・ワーカー、そして端役に至るまでの登場人物たちが、自分や家族の命が危険にさらされながらも、‘わたし’の機知に富んだ比喩と皮肉と共に、さながらスラップティック・コメディーのごとくテンポ良くストーリーが展開していちおう落ち着くべきところに落ち着く。
<探偵パトリック&アンジー>の今、そしてこれからを、なるほどこういうシリーズの終わらせ方もあるのか、と思いながら楽しんで読んだ。
本書は、映画にもなり、クリントン元米大統領が在任中、夏の休暇に別荘に持ってゆく一冊に選んだという第4作『愛しき者はすべて去り行く』(’98年、訳出された’01年「このミステリーがすごい!」海外編で第14位にランクイン)の後日談ストーリーである。
設定はほぼ現実の時間経過どおり『愛しき者は・・・』から12年後。‘わたし’ことパトリックは探偵を廃業し、結婚して妻と4才の娘の家庭を持っている。妻が将来のため学校に通っているので家計は苦しく、生活のため大手警備&調査会社の非正規雇用員に甘んじている。そんな‘わたし’のもとにかつて4才だったアマンダを連れ戻して欲しいという依頼をした伯母が現れる。彼女は16才になったアマンダが再び消えたので、また探して欲しいと言う。‘わたし’とアンジーの胸には当時の苦い体験が甦る。
本書は、「貧民街に身を置き、軽口を叩きながらも心と体に傷を負いボロボロのふたりが降りかかる事件に対処し、さらに深手を負う」という、今までのシリーズのような深刻さはない。レヘイン自身も『愛しき者は・・・』の苦渋の結末とアマンダに対する負い目があり、いつかケリをつけたかったのだろう。怪しげで危ないロシア・ギャングや、詐欺を働くアマンダの実の母親やその恋人、一緒に姿を消したアマンダの親友、その親友のソーシャル・ワーカー、そして端役に至るまでの登場人物たちが、自分や家族の命が危険にさらされながらも、‘わたし’の機知に富んだ比喩と皮肉と共に、さながらスラップティック・コメディーのごとくテンポ良くストーリーが展開していちおう落ち着くべきところに落ち着く。
<探偵パトリック&アンジー>の今、そしてこれからを、なるほどこういうシリーズの終わらせ方もあるのか、と思いながら楽しんで読んだ。
2011年5月22日に日本でレビュー済み
残念ながら、シリーズ最終作となってしまいましたが、素晴らしい読後感を味わうことが出来ました。
まあ、ミステリとしては、またかというタイプの過去の作品に出た人と同じような人物が出てきたり、読者を引っ張るコアとなる謎が弱かったりすると思います。
しかし思うに、この作品は単独で読むべき作品ではなく、あくまでこれまでの作品を読み継いできた人向けの作品だと思います。心身ともに痛めつけられてきた主人公たちの到達点は、物語の幕引きにふさわしいものだと思います。ただ、ここに深い共感を持つためには、これまでの作品を読み継いでいることが最低条件ではないでしょうか。
この作品によって、本シリーズはミステリ史に残すに足る、名シリーズになったといえるでしょう。
まあ、ミステリとしては、またかというタイプの過去の作品に出た人と同じような人物が出てきたり、読者を引っ張るコアとなる謎が弱かったりすると思います。
しかし思うに、この作品は単独で読むべき作品ではなく、あくまでこれまでの作品を読み継いできた人向けの作品だと思います。心身ともに痛めつけられてきた主人公たちの到達点は、物語の幕引きにふさわしいものだと思います。ただ、ここに深い共感を持つためには、これまでの作品を読み継いでいることが最低条件ではないでしょうか。
この作品によって、本シリーズはミステリ史に残すに足る、名シリーズになったといえるでしょう。
2011年10月10日に日本でレビュー済み
パトリック&アンジーシリーズは2度とでてないと思っていたのに出版されたので、即購入しました。
しかし、結果的に残念な買物になってしまいました。話の展開もシンプルですし、伏線の貼り方もミエミエです。正直、最後まで読む前にエンディングが予想できてしまいます。今までの作者の作品からすると「やっつけ仕事」という呼び方が相応しい感じです。
おそらく作者はどうしてもシリーズをハッピーエンドで完結させたかった。その目的ありきで書かれた作品という印象を受けました。
しかし、結果的に残念な買物になってしまいました。話の展開もシンプルですし、伏線の貼り方もミエミエです。正直、最後まで読む前にエンディングが予想できてしまいます。今までの作者の作品からすると「やっつけ仕事」という呼び方が相応しい感じです。
おそらく作者はどうしてもシリーズをハッピーエンドで完結させたかった。その目的ありきで書かれた作品という印象を受けました。