アルカイダおよびそれと近い関係にあるイスラム系テロ組織について概観した概説書。
内容は良くまとまっており、文章もルポ風で読みやすい。
著者のスタンスは良識的反テロリズムだが、センセーショナルにテロの恐怖を煽ることはせず、あくまで事実関係をまとめる事に主眼をおいた記述になっている。
アルカイダについての知識を得たい一般読者にとって、手軽に読めるとっかかりの一冊としてお勧め出来る。
ただし、帯に書いてあるような「なぜテロはやまないのか?その答えが本書にあります。」というのは違う気がする。
これは答えを出すような本ではなく、自分で考えるための一番最初の初歩の基礎知識を分かりやすく解説した入門書である。
本書に何らかの「答え」を求めて読むと肩すかしを食らうかもしれないので注意。

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国際テロネットワーク: アルカイダに狙われた東南アジア (講談社現代新書 1823) 新書 – 2006/1/1
竹田 いさみ
(著)
- 本の長さ253ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2006/1/1
- ISBN-104061498231
- ISBN-13978-4061498235
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2006/1/1)
- 発売日 : 2006/1/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 253ページ
- ISBN-10 : 4061498231
- ISBN-13 : 978-4061498235
- Amazon 売れ筋ランキング: - 904,163位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 218位アジア・アフリカのエリアスタディ
- - 2,494位講談社現代新書
- - 5,732位政治入門
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2007年1月29日に日本でレビュー済み
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現地主義の国際関係研究者である筆者が、多くの参考文献を参照して現地調査を加え、Osama bin Ladenの出生と思想、Al-Qaedaの誕生と発展を、253頁に手短にまとめた好著である。Al-Qaedaが第1段階ではソ連のAfganistan侵攻に対抗するIslam戦士の基地であり、第2段階では湾岸戦争で聖地Saudi Arabiaに進駐し、Islam世界をも支配しようとする米国を懲らしめる反米テロを世界規模で展開するピラミッド組織であり、第3段階では、Afganistan戦争でピラミッドの頂点は壊滅したが依然として、世界各地のIslam過激派を資金などで支援する緩やかな連合体としての国際テロネットワークになったという解説は説得力がある。歴史を踏まえて国際テロの構造と性格が短時間で理解できる。
提携関係や時系列変化など素人には複雑な関係は図表を多用すればもっと判り易くなったように思われる点と、近年に目立つ西欧都市でのテロへの言及がもっと欲しかった点が、頁数の制限があるとはいえ惜しまれる。
提携関係や時系列変化など素人には複雑な関係は図表を多用すればもっと判り易くなったように思われる点と、近年に目立つ西欧都市でのテロへの言及がもっと欲しかった点が、頁数の制限があるとはいえ惜しまれる。
2009年4月12日に日本でレビュー済み
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筆者のいう現場主義の政治学者の面目躍如、政治学者が書く書物にありがちな、専門家にしかわからないような言葉使いや、自己満足はまったくない。また現場を重視するあまり、表面的な説明になりがちな、ジャーなリストの視点とも一線を画している。筆者の体験、足で稼いだ情報を元に、国際テロリスト組織の変遷、体系的分析が行われている。国際テロ、アルカイダなどという複雑怪奇、情報が錯綜し、しかも細切れの情報しかメディアからは提供されない問題を、一般読者にわかりやすい言葉で書いた、すばらしい入門書。一般読者のみならず、政治学者、ジャーナリストも本書により現場主義の重要性を認識して欲しい。
2007年9月18日に日本でレビュー済み
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夏休みの課題としてテロについて調べました。先輩に勧めれて読んだのがこの本でした。アルカイダというのがどのような組織なのか、東南アジアに存在するアルカイダ系テロ組織にはどのようなものがあり、いかにネットワークを構築し活動拠点を広げつつあるのかがとても分かりやすく書かれていました。東南アジアとアルカイダの結びつきについて知りたい方には、特にお薦めの一冊です。また、現場に赴き情報収集することの大切さも学びました。
2009年3月28日に日本でレビュー済み
アル・カーイダが「国際テロ組織」から「国際テロネットワーク」へと変貌した段階において、東南アジア地域へと勢力を伸ばした点に焦点をあてた本。「ジェマア・イスラミヤ」や「アブ・サヤフ」などの東南アジアのテロ組織の指導者とラムジ・ユーセフなどのアル・カーイダの構成員が、どのように接点を持っていたかが記されており、その動向の経緯には興味深いものがある。
新書ということもあって、学術的に厳密な手法がとられているわけではない。筆者による推測や、過多な表現は、少し気になった。巻末に参考文献リストがついているが、文中の情報源を確定するためにも、できれば脚注をつけてほしかった(ICGのレポートからの引用は文中に明記されていたが)。
東南アジアのイスラーム系テロ組織と、アル・カーイダの関係性について、簡単な手引きを読みたいという方にはお薦めできる。ただ、アル・カーイダの東南アジアへの影響力はもっと弱いものだという主張も強いため、その他の本と合わせて読んで、相対的な視点から考える必要はあるだろう。いずれにせよ、本書が執筆された時点と現在では、また状況が大きく変化していることには注意。
新書ということもあって、学術的に厳密な手法がとられているわけではない。筆者による推測や、過多な表現は、少し気になった。巻末に参考文献リストがついているが、文中の情報源を確定するためにも、できれば脚注をつけてほしかった(ICGのレポートからの引用は文中に明記されていたが)。
東南アジアのイスラーム系テロ組織と、アル・カーイダの関係性について、簡単な手引きを読みたいという方にはお薦めできる。ただ、アル・カーイダの東南アジアへの影響力はもっと弱いものだという主張も強いため、その他の本と合わせて読んで、相対的な視点から考える必要はあるだろう。いずれにせよ、本書が執筆された時点と現在では、また状況が大きく変化していることには注意。
2008年10月17日に日本でレビュー済み
この本は、正直、不正確・事実誤認が多い。確かに、分かり易いと言えば分かり易いが、国際テロリズムというセンシティブな話題について、単なる伝聞で書いている。しかも、その伝聞のソースがテロリズムについて詳しい人物かどうか疑わしい部分がある。
特に、マレーシアと南部タイに関する記述は、両国のイスラーム運動や分離独立運動の本質を理解せず、アルカイダ型のグローバル・ジハード思想と安易に結びつけている点は、学術的に見ても疑問である。マレーシアと南部タイのイスラーム政治や分離独立運動については、NagataやWan Kadirなど良い先行研究が出ているが、筆者はそれをきちんと読んだのであろうか?
東南アジアのテロリズムといえば、国際危機グループの報告書やシンガポール南洋工科大学の報告書が信頼性がある。筆者は一部は参照した形跡があるが、全て読んだのだろうか?大学の研究者であるならばこそ、先行研究をきちんと踏まえるのは当然ではないだろうか。無論、筆者自身が断っているように東南アジアでもテロリズムの専門家ではないことは十分理解する。しかし、筆者は、名前の通った研究者の一人である。そうした人物が「専門外」という理由で先行研究を踏まえない理由になるだろうか?
また、筆者は、この本を出したときの認識のままで、講演なども行っていると仄聞する。しかし、東南アジアのテロリズムの情勢は、この本が出版されたときとは状況が異なっている。未だに東南アジアのイスラム過激派をアルカイダ支部というようなイメージで捉えるのは明らかな誤りである。「支部」というアルカイダの中枢とあたかも直接の関係があるような表現は、現在、アルカイダが思想化・運動体化している現状にはそぐわない。
こうした問題点については、私だけではなく、他にも指摘する人たちがいる。筆者の竹田氏はどう考えているのだろうか?
特に、マレーシアと南部タイに関する記述は、両国のイスラーム運動や分離独立運動の本質を理解せず、アルカイダ型のグローバル・ジハード思想と安易に結びつけている点は、学術的に見ても疑問である。マレーシアと南部タイのイスラーム政治や分離独立運動については、NagataやWan Kadirなど良い先行研究が出ているが、筆者はそれをきちんと読んだのであろうか?
東南アジアのテロリズムといえば、国際危機グループの報告書やシンガポール南洋工科大学の報告書が信頼性がある。筆者は一部は参照した形跡があるが、全て読んだのだろうか?大学の研究者であるならばこそ、先行研究をきちんと踏まえるのは当然ではないだろうか。無論、筆者自身が断っているように東南アジアでもテロリズムの専門家ではないことは十分理解する。しかし、筆者は、名前の通った研究者の一人である。そうした人物が「専門外」という理由で先行研究を踏まえない理由になるだろうか?
また、筆者は、この本を出したときの認識のままで、講演なども行っていると仄聞する。しかし、東南アジアのテロリズムの情勢は、この本が出版されたときとは状況が異なっている。未だに東南アジアのイスラム過激派をアルカイダ支部というようなイメージで捉えるのは明らかな誤りである。「支部」というアルカイダの中枢とあたかも直接の関係があるような表現は、現在、アルカイダが思想化・運動体化している現状にはそぐわない。
こうした問題点については、私だけではなく、他にも指摘する人たちがいる。筆者の竹田氏はどう考えているのだろうか?
2006年2月17日に日本でレビュー済み
よく調べてある、というのが第一印象。
だが、情報源が英語や日本語の記事や書物、取材といっても各国の報道関係者へのインタビューである以上、どうしても内容的な深みは期待できない(これは著者も自分で認めるところだが)。
自分の知識の再確認などには十分役立つが、もう少し知的好奇心を刺激するような内容ならよかった。
だが、情報源が英語や日本語の記事や書物、取材といっても各国の報道関係者へのインタビューである以上、どうしても内容的な深みは期待できない(これは著者も自分で認めるところだが)。
自分の知識の再確認などには十分役立つが、もう少し知的好奇心を刺激するような内容ならよかった。
2009年3月2日に日本でレビュー済み
テロのことを知りたいと思い、手に取った初めての本が本書でした。本の内容は「テロ」などの用語の定義から始まり、全く無知の私でも簡単に読み進めることができました。この本で印象に残っているのは、テロリストの人物像や国際テロ組織の活動を支える資金の流れなど、なかなか知りえることのできない情報が多く記述されていたところです。辛口な評価もあるようですが、文章も非常に読みやすく、読者に分かりやすいように地図や写真、表なども多様されているので、特にテロについてこれから学ぼうとする私のような初心者に、最初の一冊として是非オススメしたい本です。