本書の帯には「球史に残る名スカウト伝」との表題が。
「極意は誠心誠意。探し、交渉し、引退後も見守る。」
球史に残る選手、残念ながら思いを遂げられなかった選手、数多くの
野球選手が登場する。
私はそんなに野球に詳しくはないが、それでもニュースでみかけた
ような数多くの選手の「裏側のドラマ」を垣間見れたような本書を
一気に読み進めることができた。
もちろん、その本筋には「名スカウト 河西俊雄」の生涯が
脈々と流れている。
ノンフィクションライター澤宮優氏の仕事の丁寧さ、そして
緻密さが本書のさまざまなところに発揮されている。
「河西俊雄」という男の生涯を、仕事面、プライベート面から
丹念にデータを掘り起し、描いているように思う。
願わくば、澤宮氏が河西氏と対談などする機会があれば、
更に文章の隅々にまで、情熱や説得力がちりばめられたの
だろうに、、、とは、叶えられない現実を思う、
読者の欲だろうか。
野球に詳しくなくても、「人が人として生きるために何が
大切か」を教えてくれるような1冊であると思う。

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ひとを見抜く 伝説のスカウト河西俊雄の生涯 単行本 – 2010/8/10
澤宮 優
(著)
極意は誠意。探し、交渉し、引退後も見守る。江夏、掛布、野茂ら、多くの個性派を獲得、スカウトの草分けとなった「スッポンの河さん」の、人情味溢れる裏方人生。
- 本の長さ212ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2010/8/10
- ISBN-104309272010
- ISBN-13978-4309272016
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商品の説明
著者について
1964年生まれ、スポーツ、ノンフィクションライター。『巨人軍最強の捕手』で、第14回ミズノスポーツライター優秀賞受賞。
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2010/8/10)
- 発売日 : 2010/8/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 212ページ
- ISBN-10 : 4309272010
- ISBN-13 : 978-4309272016
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,114,490位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 27,565位スポーツ (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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ノンフィクション作家。書評家、エッセイスト。熊本県八代市出身。青山学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒。主に影の世界で懸命に生きる人物に光を当てることをテーマに、スポーツから歴史、文学、映画、教育まで幅広く執筆。
戦死した巨人の名捕手吉原正喜の生涯を描いた「巨人軍最強の捕手」(晶文社)で第14回ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。日本文藝家協会会員。
著者ホームページ http://www2.odn.ne.jp/yusawamiya/
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年2月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2015年1月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ちょっと野球(それもコアな)が好きな人にしかわかりませんが、とても面白い本です。
2010年10月24日に日本でレビュー済み
阪神江夏や近鉄鈴木獲得時の裏話などがあり、プロ野球ファンには面白いと思うが、著者が期していたような普遍的な面白さまではいってないと感じました。同じスカウトを題材としたものではやはり後藤正治氏の「スカウト」が文体の味わい、読後感とも数段上と思いました。
2011年11月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
阪神、近鉄(後オリックス)でスカウトを務め、藤田、江夏、川藤、上田、山本和、掛布、大石、阿波野、野茂、中村紀などの多くのスターを探し、入団させ、そして引退後まで見もる伝説のスカウト河西俊雄(故人)の人生を描いた一冊。
どうやったら人を見抜くことができるのだろう?
プロ野球のスカウトなら誰でも答えを知りたいだろう。
いや、全てのスポーツに関わる人なら知りたいだろう。
30年以上のキャリアを積んだスワローズの引退したスカウト部長片岡氏が本を出すと、こういうタイトルになる。
プロ野球スカウトの眼はすべて「節穴」である (双葉新書)
そしてこう結ぶ。
「人が人を判断することはできない、だが信じることはできる。」
映画公開で話題になっているマネーボールのビリー・ビーンGMは、人が人を判断する可能性をあえて否定することでデータ重視のドラフト戦略に切り替えて成功している。
明大から南海に入団し、途中戦争も経験しながら最後は阪神で活躍した河西氏は俊足で鳴らし、外野も内野も守れる名選手だった。
スカウトへの道は本人が希望した訳でもなく、一軍コーチと兼任しながらスタートし、その後本職として移行していった。
伝説のスカウトとしては、意外かもしれないがデータを全く重要視していない。
むしろビリー・ビーンが否定することばかり。
スピードガンすらあてにしない。
直感
センス
ユニフォーム姿
グラブ捌き
フットワーク
リストの強さ
第一印象
なにしろ「スカウト哲学はない」が信条の持ち主。
選手が大成する条件は、「センス+努力や」。
河西氏の人を見抜く力は、ひょっとすると伝承できる極意ではなかったのかもしれない。
ここだけを取り上げると大雑把な人かと思えるが、実はそんことはなく、とても真摯で心遣いの人である。
スカウティングのモットーが「誠心誠意」。
勝利だなんだという前に、人の人生を預かる気持ちでスカウト活動をしていたことが読み取れる。
この本には入団に際してモメたエピソードをどう河西氏がクリアしていったかが数多く描かれている。
時には選手のおばあちゃんと仲良くなり、時には直球、時には契約金交渉アップを社長に直談判の演技、そして多くの場合は選手の母親と仲良くなる。
球場では必ず選手のネガティブな発言を慎むことを徹底し、そのおかげで近くに選手の親戚が座っていて、河西氏と部下のスカウトの会話を聞いて感銘を受け、もう少しで入団したというエピソードまである。
彼の熱意と誠実さに、最初は聞く気がなかった相手もだんだんと彼に心を開いていった。
もちろん心は開いたものの、初志貫徹で動じなかったエピソードもある。
現在メジャーリーグで活躍している福留選手がそうだ。
近鉄が指名しながらも、入団までこぎつけることはできず、福留選手は社会人野球へと進んだ。
しかし、今回の東海大の菅野投手のように散々指名しないでくれキャンペーンをされながらも河西氏は彼の心を開くことはできたようだ。
後に日本生命から中日に入団する際、福留選手が挨拶の電話を河西氏にしているようだ。
なんともヒューマンで心温まる話だし、両人の人柄も浮かび上がってくる。
また、入団だけでなく退団時の面倒見もとてもよかった。
選手の引退際を察知し、スカウトにしたり、球団職員にしたり、そのさりげない気配りに感謝している人の数は多いようだ。
では裏金がとてつもない額で横行していた時代に、札束をバンバンはたいて選手を獲ることをせず、誠心誠意で獲ろうとしたきっかけはなんだったのだろうか?
私は戦争体験がきっかけのような気がしてならないが、ひじょうに残念なことにその辺りには触れていない。
きっと河西氏の胸の中でしまいこまれたものなのだろう。
この本のタイトルは「ひとを見抜く」となっているが、実は河西氏の選手の力量を見抜く極意はきっと彼にしかわからない。
確かに彼がドラフトで選んだ選手たちを見ていくと、素晴らしい選手が多い。
しかも一巡目に選んだ選手だけじゃなく、3巡目以下でもスーパースターになる選手を獲得している。
掛布しかり、岩隈しかり、赤堀しかり。
しかし私が思うに、彼が伝説になり得たのは、選手の技量を見抜いていたからではなく、選手を最後までサポートする力があったからこそ伝説になったのではないだろうか?
プロ野球の世界は、当然のごとく甘っちょろい世界ではない。
猛者が日々争うその世界に到達するものは皆才能がある。
でもその才能を咲かせるものは、ひょっとするほんのちょっとの差かもしれない。
そのちょっとの部分を、この人の誠意と人情が選手に自信とやる気と感謝の気持ちを与えていたするならば、それこそが伝説を作り出していた要因ではないだろうか?
どんなに才能ある若者でも、成長するには何かのきっかけ、後押しがいるのかもしれない。
河西氏のお目にかかった選手は、入団すると同時に彼から後押しされる何かがあったのかもしれない。
プロ野球がきちんと色々な制度を整えない限り、こういった人間が数多くサポートしない限り、必要のない痛みをどんどん生み出してしまうような気がしてならない。
今こそ多くのプロ野球及び野球関係者に読んで欲しい一冊だった。
人情味溢れるエピソードが詰まっている。
どうやったら人を見抜くことができるのだろう?
プロ野球のスカウトなら誰でも答えを知りたいだろう。
いや、全てのスポーツに関わる人なら知りたいだろう。
30年以上のキャリアを積んだスワローズの引退したスカウト部長片岡氏が本を出すと、こういうタイトルになる。
プロ野球スカウトの眼はすべて「節穴」である (双葉新書)
そしてこう結ぶ。
「人が人を判断することはできない、だが信じることはできる。」
映画公開で話題になっているマネーボールのビリー・ビーンGMは、人が人を判断する可能性をあえて否定することでデータ重視のドラフト戦略に切り替えて成功している。
明大から南海に入団し、途中戦争も経験しながら最後は阪神で活躍した河西氏は俊足で鳴らし、外野も内野も守れる名選手だった。
スカウトへの道は本人が希望した訳でもなく、一軍コーチと兼任しながらスタートし、その後本職として移行していった。
伝説のスカウトとしては、意外かもしれないがデータを全く重要視していない。
むしろビリー・ビーンが否定することばかり。
スピードガンすらあてにしない。
直感
センス
ユニフォーム姿
グラブ捌き
フットワーク
リストの強さ
第一印象
なにしろ「スカウト哲学はない」が信条の持ち主。
選手が大成する条件は、「センス+努力や」。
河西氏の人を見抜く力は、ひょっとすると伝承できる極意ではなかったのかもしれない。
ここだけを取り上げると大雑把な人かと思えるが、実はそんことはなく、とても真摯で心遣いの人である。
スカウティングのモットーが「誠心誠意」。
勝利だなんだという前に、人の人生を預かる気持ちでスカウト活動をしていたことが読み取れる。
この本には入団に際してモメたエピソードをどう河西氏がクリアしていったかが数多く描かれている。
時には選手のおばあちゃんと仲良くなり、時には直球、時には契約金交渉アップを社長に直談判の演技、そして多くの場合は選手の母親と仲良くなる。
球場では必ず選手のネガティブな発言を慎むことを徹底し、そのおかげで近くに選手の親戚が座っていて、河西氏と部下のスカウトの会話を聞いて感銘を受け、もう少しで入団したというエピソードまである。
彼の熱意と誠実さに、最初は聞く気がなかった相手もだんだんと彼に心を開いていった。
もちろん心は開いたものの、初志貫徹で動じなかったエピソードもある。
現在メジャーリーグで活躍している福留選手がそうだ。
近鉄が指名しながらも、入団までこぎつけることはできず、福留選手は社会人野球へと進んだ。
しかし、今回の東海大の菅野投手のように散々指名しないでくれキャンペーンをされながらも河西氏は彼の心を開くことはできたようだ。
後に日本生命から中日に入団する際、福留選手が挨拶の電話を河西氏にしているようだ。
なんともヒューマンで心温まる話だし、両人の人柄も浮かび上がってくる。
また、入団だけでなく退団時の面倒見もとてもよかった。
選手の引退際を察知し、スカウトにしたり、球団職員にしたり、そのさりげない気配りに感謝している人の数は多いようだ。
では裏金がとてつもない額で横行していた時代に、札束をバンバンはたいて選手を獲ることをせず、誠心誠意で獲ろうとしたきっかけはなんだったのだろうか?
私は戦争体験がきっかけのような気がしてならないが、ひじょうに残念なことにその辺りには触れていない。
きっと河西氏の胸の中でしまいこまれたものなのだろう。
この本のタイトルは「ひとを見抜く」となっているが、実は河西氏の選手の力量を見抜く極意はきっと彼にしかわからない。
確かに彼がドラフトで選んだ選手たちを見ていくと、素晴らしい選手が多い。
しかも一巡目に選んだ選手だけじゃなく、3巡目以下でもスーパースターになる選手を獲得している。
掛布しかり、岩隈しかり、赤堀しかり。
しかし私が思うに、彼が伝説になり得たのは、選手の技量を見抜いていたからではなく、選手を最後までサポートする力があったからこそ伝説になったのではないだろうか?
プロ野球の世界は、当然のごとく甘っちょろい世界ではない。
猛者が日々争うその世界に到達するものは皆才能がある。
でもその才能を咲かせるものは、ひょっとするほんのちょっとの差かもしれない。
そのちょっとの部分を、この人の誠意と人情が選手に自信とやる気と感謝の気持ちを与えていたするならば、それこそが伝説を作り出していた要因ではないだろうか?
どんなに才能ある若者でも、成長するには何かのきっかけ、後押しがいるのかもしれない。
河西氏のお目にかかった選手は、入団すると同時に彼から後押しされる何かがあったのかもしれない。
プロ野球がきちんと色々な制度を整えない限り、こういった人間が数多くサポートしない限り、必要のない痛みをどんどん生み出してしまうような気がしてならない。
今こそ多くのプロ野球及び野球関係者に読んで欲しい一冊だった。
人情味溢れるエピソードが詰まっている。
2010年9月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は昭和の名スカウト河西俊雄氏の物語である。氏は江夏豊、藤田平、掛布雅之、阿波野秀幸、大石大二郎、野茂英雄、中村紀洋などの有名選手をスカウトしたことで知られる。筆者は氏が平成19年に亡くなった際の新聞記事を読み、伝記を書こうと決意したとのこと。
筆者は河西俊雄氏が、昭和から平成に掛けて、阪神と近鉄がチーム力を強めていく言動力となった選手補強に大きな役割を果たしたことを著しつつ、同時にその時代の日本のプロ野球の歴史を振り返っている。その中で人情味溢れる同氏の生き様を活き活きと記述しており、読んでいて引き込まれる。
例えば、鈴木啓示と江夏豊が一年違いで、鈴木が阪神に入団していれば、阪神江夏は実現していなかった可能性があるなど、伝説的な有名選手の高校時代の様子など、数々の秘話も興味深い。
筆者は河西俊雄氏が、昭和から平成に掛けて、阪神と近鉄がチーム力を強めていく言動力となった選手補強に大きな役割を果たしたことを著しつつ、同時にその時代の日本のプロ野球の歴史を振り返っている。その中で人情味溢れる同氏の生き様を活き活きと記述しており、読んでいて引き込まれる。
例えば、鈴木啓示と江夏豊が一年違いで、鈴木が阪神に入団していれば、阪神江夏は実現していなかった可能性があるなど、伝説的な有名選手の高校時代の様子など、数々の秘話も興味深い。
2010年8月27日に日本でレビュー済み
プロ野球のスカウトマンであった河西俊雄の評伝。年に一度のプロ野球ドラフト会議前に球団の要望に応じて日本全国から選手を発掘するのがスカウトマンだが、ドラフト制度導入前の自由獲得競争時代からのスカウト制度を河西の生涯に重ね合わせた内容となっている。河西は日本球界では特異なスカウトマンであったが、その生涯を追うことは日本プロ野球界の歴史を追うに等しいものである。いわば、日本プロ野球界の光と影、表裏、変遷を見てきた人から見たプロ野球史でもある。
さらに、スカウトマンとしての河西語録が要所、要所に見えるが、これはビジネス社会においても十分に通用する内容となっている。「ひとを見抜く」というタイトル通り、プロの世界で通用する選手の素材とは何かをスカウトマンの視点で描いてあり、野球関係者のみならず、組織管理者にも参考となるものと思う。紋切り型のビジネス書に飽きたときにオススメの一冊。
さらに、スカウトマンとしての河西語録が要所、要所に見えるが、これはビジネス社会においても十分に通用する内容となっている。「ひとを見抜く」というタイトル通り、プロの世界で通用する選手の素材とは何かをスカウトマンの視点で描いてあり、野球関係者のみならず、組織管理者にも参考となるものと思う。紋切り型のビジネス書に飽きたときにオススメの一冊。
2012年10月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
河西スカウトが優秀な事、人情味に溢れている事は分かる。
ただ、全編にわたりサクセスストーリーに重きを置きすぎている
ためか、河西スカウトの成長過程や失敗から学ぶことなど
読者が教訓を生かせる本になっていないと感じる。
選手をスカウトし入団までの過程を書ききれていない
のも物足りない。
ただ、全編にわたりサクセスストーリーに重きを置きすぎている
ためか、河西スカウトの成長過程や失敗から学ぶことなど
読者が教訓を生かせる本になっていないと感じる。
選手をスカウトし入団までの過程を書ききれていない
のも物足りない。