本書では、監査法人トーマツの創業者の富田岩芳氏の業績が記されている。
監査法人は会計不正などの問題が起きた時以外は余り日の当たる業界ではなく、どちらかと言えば裏方的な地味な存在だが、冨田氏の活動はその印象を覆すダイナミックなものであった。戦時中は海軍で従軍し、戦後は日本瓦斯化学工業を始めとする多数の会社の創業に携わり、退職後は米国に渡り経営学を勉強し直して監査法人トーマツの創業メンバーになる。トーマツ設立後は、トーマツを国際的な会計事務所に育てることに心血を注ぎ、それを見事に実現する。
その過程で、日本の監査法人がどのような過程で設立し、現在の姿に至ったのかもよくわかり、業界に対する知見を深めることができた。

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監査法人を叱る男 ― トーマツ創業者・富田岩芳の経営思想 単行本 – 2010/12/10
早房 長治
(著)
IFRS時代の到来を、なぜ50年も前に見抜くことができたのか――
欧米主導の巨大会計事務所の世界に、日本人の名を刻んだ男の物語。
欧米主導の巨大会計事務所の世界に、日本人の名を刻んだ男の物語。
- 本の長さ263ページ
- 言語日本語
- 出版社プレジデント社
- 発売日2010/12/10
- ISBN-104833491222
- ISBN-13978-4833491228
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登録情報
- 出版社 : プレジデント社 (2010/12/10)
- 発売日 : 2010/12/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 263ページ
- ISBN-10 : 4833491222
- ISBN-13 : 978-4833491228
- Amazon 売れ筋ランキング: - 250,388位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2017年10月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2011年1月19日に日本でレビュー済み
最初の方が書かれている通り、
本書は、日本最大手監査法人の一つである監査法人トーマツの
創業物語、そして創始者富田氏のリーダーシップ物語である。
これまで、あまり表舞台に立つことのなかった監査法人ではあるが、
粉飾決算、IFRS導入など会計問題が新聞紙面を賑わす昨今、
そもそも「トーマツ」という監査法人がどのような理念を持って設立されたのかを示し、
そしてその理念を通じて見た会計問題の現状をどう捉えるべきか考えさせる一冊である。
しかし、個人的に残念な点を挙げるとすれば、
そのいかにも新聞記者らしい切り口と表現である。
誤解を恐れず敢えて言わせてもらえば、
「いかにオレの友達はすごいか」
「そして、他がいかに間違っているか。ああ憂うべき世の中よ。」
といった点が強調されすぎており、
業界情勢を語る上で、富田氏以外からの取材が果たして
(富田氏への取材と同等程度)十分になされているのか、疑問を感じる。
(そのためか、富田礼賛の強引・一方的な議論や専門用語の誤りも散見される。)
いや、十分になされていないことはあとがきの謝辞を見ればわかるのだが、
「ある関係者」「内部のある者は」などいかにもな記者文法と相まって、
要するにその疑念が読み進めるごとに肥大してしまう点が残念である。
(この点は本書の著者に限ったことではなく、新聞記者の著書にある程度共通
するものだと思うし、読み進める上では好みの問題かもしれない。)
もちろんそういうものだとわかって読む分には、有益な本である。
本書は、日本最大手監査法人の一つである監査法人トーマツの
創業物語、そして創始者富田氏のリーダーシップ物語である。
これまで、あまり表舞台に立つことのなかった監査法人ではあるが、
粉飾決算、IFRS導入など会計問題が新聞紙面を賑わす昨今、
そもそも「トーマツ」という監査法人がどのような理念を持って設立されたのかを示し、
そしてその理念を通じて見た会計問題の現状をどう捉えるべきか考えさせる一冊である。
しかし、個人的に残念な点を挙げるとすれば、
そのいかにも新聞記者らしい切り口と表現である。
誤解を恐れず敢えて言わせてもらえば、
「いかにオレの友達はすごいか」
「そして、他がいかに間違っているか。ああ憂うべき世の中よ。」
といった点が強調されすぎており、
業界情勢を語る上で、富田氏以外からの取材が果たして
(富田氏への取材と同等程度)十分になされているのか、疑問を感じる。
(そのためか、富田礼賛の強引・一方的な議論や専門用語の誤りも散見される。)
いや、十分になされていないことはあとがきの謝辞を見ればわかるのだが、
「ある関係者」「内部のある者は」などいかにもな記者文法と相まって、
要するにその疑念が読み進めるごとに肥大してしまう点が残念である。
(この点は本書の著者に限ったことではなく、新聞記者の著書にある程度共通
するものだと思うし、読み進める上では好みの問題かもしれない。)
もちろんそういうものだとわかって読む分には、有益な本である。
2011年1月25日に日本でレビュー済み
一部極端な礼賛が見られる部分があるが、日本の監査の歴史を知るにはもってこいの本である。
2010年12月19日に日本でレビュー済み
監査法人トーマツの創業者の一人である富田岩芳の生涯をトーマツの創業、国際的に通用する監査法人となるまでの経緯を絡めつつ描いている。
海軍経理学校の出身者である富田とその教官だった等松が、当時の大蔵省の官僚から要請を受けて本格的な監査法人の設立に乗り出し、海外のビックエイトの一つだったトウシュ・ロス・インターナショナルと同等の立場までたどり着く経緯を第二次世界大戦の敗戦に対する一種の復讐の物語として描いているところに、いかにもプレジデント社刊といった印象を受けた。
この本は富田のリーダーシップ論についての本でもあるが、その内容が場合によっては善意によって地獄への道を突き進みかねないものなので少々違和感があった。例えばすでに無関係であるはずのトーマツのためにわざわざ自費で海外においてトーマツの海外駐在員を連れて営業活動を行うなど、トーマツ内部から見れば単なる困ったOBと見られかねないことをしている。
この富田のリーダーシップ論を受けて、著者があとがきにおいて日本のリーダー不在を嘆き、エリート養成のための教育システム(かって富田が在籍した海軍経理学校のような)の設置を提案しているのには呆れた。
以上の点を除けば日本における監査法人制度の成り立ちを一側面から見るには面白い本であると思うので星三つとした。
海軍経理学校の出身者である富田とその教官だった等松が、当時の大蔵省の官僚から要請を受けて本格的な監査法人の設立に乗り出し、海外のビックエイトの一つだったトウシュ・ロス・インターナショナルと同等の立場までたどり着く経緯を第二次世界大戦の敗戦に対する一種の復讐の物語として描いているところに、いかにもプレジデント社刊といった印象を受けた。
この本は富田のリーダーシップ論についての本でもあるが、その内容が場合によっては善意によって地獄への道を突き進みかねないものなので少々違和感があった。例えばすでに無関係であるはずのトーマツのためにわざわざ自費で海外においてトーマツの海外駐在員を連れて営業活動を行うなど、トーマツ内部から見れば単なる困ったOBと見られかねないことをしている。
この富田のリーダーシップ論を受けて、著者があとがきにおいて日本のリーダー不在を嘆き、エリート養成のための教育システム(かって富田が在籍した海軍経理学校のような)の設置を提案しているのには呆れた。
以上の点を除けば日本における監査法人制度の成り立ちを一側面から見るには面白い本であると思うので星三つとした。