小説で読んだものと映画化されたものを見るのでは印象が異なる場合は、自分の中では多い方です。
今回、読んではいたものの映画未視聴ということで購入しました。読むことと視聴することの自分の中での違いを今回も満喫できました。楽しいひとときを提供していただいた一枚のDVDでした。
フォーマット | ドルビー, 色 |
コントリビュータ | 佐久間良子, 吉永小百合, 石坂浩二, 市川崑, 古手川祐子 |
言語 | 日本語 |
稼働時間 | 2 時間 20 分 |
市川崑監督が谷崎潤一郎の原作小説に挑み、そのリリシズムと美意識を艶やかに開花させた名作。昭和13年。戦争の足音が近づく大阪・船場の名家薪岡家の四姉妹は、三女雪子の縁談の話や四女妙子の奔放な言動など、何かと騒々しい日々を送っていた。そんな折り、長女鶴子の夫、辰雄が勤め先の銀行から東京転勤の辞令を受ける。春の1日、京の桜の下で遊んだ四姉妹に別れの日が近づく…。
これが3度目の映画化となる「細雪」だが、市川監督は20年間この原作の映像化を望んでいた。だからといって映画の中に気負った部分はまったく見あたらず、むしろ4人の姉妹それぞれのキャラクターを鮮明に描き分け、そのやりとりを快適なテンポで描いており、2時間20分という上映時間は心地よく過ぎて行く。また岸恵子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子といった女優たちの所作の美しさ、衣装の艶やかさも特筆もの。これほど女優を美しく捉えた日本映画は近来稀であろう。一方で次女の夫でありながら、三女に思いを寄せる貞之助(石坂浩二)の複雑な感情が微妙に表現されており、この映画の「艶」の部分をアンモラルに刺激している。(斉藤守彦)
監督・脚本: 市川崑 原作: 谷崎潤一郎 脚本: 日高真也 出演: 佐久間良子/吉永小百合/古手川祐子/伊丹十三/石坂浩二/岸恵子
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)