主人公の壱岐正は、とにかく正しい判断をする。
ただし、この正しさとは、会社にとっての正しさのことである。
すなわち、いくら正しくとも、己も含め他人を不幸にすることもあるわけで
壱岐正という男は、会社にとっての正義のために、己の手を汚し、一人の人間を不幸にすることもある。
その罪も自ら引き受ける覚悟のうえのことなのである。
はっきり言ってそのような生き方は褒められたものではないし、作品を通して
そんな主人公をヒーローに仕立て上げるような作りにはなっていないと思う。
ただ、壱岐正という男を通じて読者は、実直に、聡明に、そして時にしたたかに
商社マンとして生き、悩み、苦しみ、時々ささやかな喜びに触れる経験をする。
生きることの難しさを伝えるとともに、それでも人は生きてきたし、これからも生きていくんだと
人の生きる力を感じさせてくれる作品。
個人的に、山本文緒の作品の一文を思い出した。
「私達は純真でもなく、賢くもなく、善良でもないけれど。
できることを精一杯するだけ。ただ精一杯するだけ。」
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不毛地帯(五) (新潮文庫) 文庫 – 2009/3/17
山崎 豊子
(著)
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購入オプションとあわせ買い
油田開発を商社マンとしての最後の仕事と思い定めた壹岐は、社内の反対を押し切り、イランのサルベスタン鉱区に賭けた。政官界からの逆風をかわし見事採掘権の落札に成功するが、灼熱の大地からは一向に原油の噴き出す兆しはなかった……。シベリアと中東、二つの「不毛地帯」を彷徨する一人の日本人の戦いを、戦後史を背景に圧倒的な筆致で描ききった一大巨編、ここに完結。
- 本の長さ608ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2009/3/17
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101104441
- ISBN-13978-4101104447
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 文庫版 (2009/3/17)
- 発売日 : 2009/3/17
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 608ページ
- ISBN-10 : 4101104441
- ISBN-13 : 978-4101104447
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 105,096位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1924(大正13)年、大阪市生れ。京都女子大学国文科卒。
毎日新聞大阪本社学芸部に勤務。当時、学芸部副部長であった井上靖のもとで記者としての訓練を受ける。勤務のかたわら小説を書きはじめ、1957(昭和32)年に『暖簾』を刊行。翌年、『花のれん』により直木賞を受賞。新聞社を退社して作家生活に入る。
1963(昭和38)年より連載をはじめた『白い巨塔』は鋭い社会性で話題を呼んだ。『不毛地帯』『二つの祖国』『大地の子』の戦争三部作の後、大作『沈まぬ太陽』を発表。1991(平成3)年、菊池寛賞受賞。2009(平成21)年には最新長編小説『運命の人』を刊行。同年10月より、「山崎豊子 自作を語る」シリーズ全三巻、『作家の使命 私の戦後』『大阪づくし 私の産声』『小説ほど面白いものはない』を刊行。
-
トップレビュー
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2015年6月10日に日本でレビュー済み
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2019年12月25日に日本でレビュー済み
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シベリア抑留、航空機受注、油田開発などに関する記載が非常に専門的で著者の事前の調査がどれだけ大変だったかが伺い知れる。また、登場人物の表情や内面を微細に秀逸に表現している。
2013年10月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
はあ。長かった・・・一巻から五巻までの読了に一週間。
ん・・・男のロマンか?
正直、周りの人すべてと言っていいくらいを自分の主義主張で巻き込んで不幸せにしていく男だな、壹岐正は。
しかもそれが「正義」だから猶更たちが悪いと思う。
こういう男が親だったり、夫だったり、彼氏だったりした場合の鬱陶しさは筆舌に尽くしがたし・・・と思ってしまうそろそろ55歳の汚れた俺(笑)
あ。ただし、シベリア抑留のすさまじい劣悪な環境については、今までもいろいろ読んだけど、今回くらいしつこく書かれたものは初めて読んだので非常に辛かったです。
人間というのは同種である人間に対しどこまでも残虐になれる種なんですね。。。
ん・・・男のロマンか?
正直、周りの人すべてと言っていいくらいを自分の主義主張で巻き込んで不幸せにしていく男だな、壹岐正は。
しかもそれが「正義」だから猶更たちが悪いと思う。
こういう男が親だったり、夫だったり、彼氏だったりした場合の鬱陶しさは筆舌に尽くしがたし・・・と思ってしまうそろそろ55歳の汚れた俺(笑)
あ。ただし、シベリア抑留のすさまじい劣悪な環境については、今までもいろいろ読んだけど、今回くらいしつこく書かれたものは初めて読んだので非常に辛かったです。
人間というのは同種である人間に対しどこまでも残虐になれる種なんですね。。。
2016年2月2日に日本でレビュー済み
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その流れでこの本にきた。
シベリア抑留体験の表現はさておき、自分が注目したのは企業戦士の心理描写である。
石油ショックあたりから企業に身をおいたものとして、登場人物の心理は思わず感情移入
できる迫真のものが多々あった。
取材を重ねても生きた会話はなかなか出てこないもの。女性で、男性の企業戦士の心理の
奥底をえぐる表現に、作者の非凡さを感じる。
シベリア抑留体験の表現はさておき、自分が注目したのは企業戦士の心理描写である。
石油ショックあたりから企業に身をおいたものとして、登場人物の心理は思わず感情移入
できる迫真のものが多々あった。
取材を重ねても生きた会話はなかなか出てこないもの。女性で、男性の企業戦士の心理の
奥底をえぐる表現に、作者の非凡さを感じる。
2016年1月22日に日本でレビュー済み
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山崎豊子さんの作品は初めて読みました。素晴らしい人物描写。しかし、商社マンも太平やなあ。
2014年2月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一気に読んでしまった、新しい感覚で、テレビ化してほしいです。
新しいエネルギーの、メタンハイグレードは 何処の商社で開発されるのか、たのしみですね。
新しいエネルギーの、メタンハイグレードは 何処の商社で開発されるのか、たのしみですね。
2014年7月16日に日本でレビュー済み
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作者の社会を見つめ、とらえる力に圧倒されます。彼女の作品が支持を受ける理由でしょう
2019年10月8日に日本でレビュー済み
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前半部分のシベリア抑留時代について興味深く読みました。商社時代については優れた小説とは思いません。部下思いの清廉な有能な商社マンを描きたかったのでしょうか。
不毛地帯を読んで、主人公が実在の大本営参謀「瀬島龍三」などを中心にして作り出された人物だと知りました。瀬島龍三とはどんな人物か興味が湧き、「瀬島龍三 参謀の昭和史」という本を読みました。
作家が歴史に関連し、本を書くとき、当然たくさんの資料を調べ、多くの人に話を聞き出来るだけ史実から外れないように意識しながら書くものでしょう。この作家はこの本をフィクションであると言っていますが、多くの人が瀬島龍三はこのような人物だったと信じてしまいます。実際の瀬島龍三が全く違う、第二次大戦の多くの犠牲やシベリア抑留そのものに関わった人物であったら、また、シベリアでもソ連の幹部とうまく立ち回り所謂民主化運動にも携わっていたら、作家はどう思うのだろう。瀬島龍三はこの小説を使用し、自分自身を高潔で倫理感が強く国の為に犠牲になった良き国民として利用したとしたら。そればかりか、作家の取材に対し瀬島龍三は自分の都合の良い嘘ばかり並べた可能性がある。
瀬島龍三の幼年学校、陸軍士官学校、陸軍大学での周りの人たち証言内容を知ると、出世第一主義の先生や上司に上手く取り入る世渡り上手な人物だということが分かる。
真実を描くことなく、このような真実に反する人物を描くとこは、社会的罪であると思います。本人の良心に訴えかけたかったのなら別ですが、取材で騙されたしか思いません。
不毛地帯を読んで、主人公が実在の大本営参謀「瀬島龍三」などを中心にして作り出された人物だと知りました。瀬島龍三とはどんな人物か興味が湧き、「瀬島龍三 参謀の昭和史」という本を読みました。
作家が歴史に関連し、本を書くとき、当然たくさんの資料を調べ、多くの人に話を聞き出来るだけ史実から外れないように意識しながら書くものでしょう。この作家はこの本をフィクションであると言っていますが、多くの人が瀬島龍三はこのような人物だったと信じてしまいます。実際の瀬島龍三が全く違う、第二次大戦の多くの犠牲やシベリア抑留そのものに関わった人物であったら、また、シベリアでもソ連の幹部とうまく立ち回り所謂民主化運動にも携わっていたら、作家はどう思うのだろう。瀬島龍三はこの小説を使用し、自分自身を高潔で倫理感が強く国の為に犠牲になった良き国民として利用したとしたら。そればかりか、作家の取材に対し瀬島龍三は自分の都合の良い嘘ばかり並べた可能性がある。
瀬島龍三の幼年学校、陸軍士官学校、陸軍大学での周りの人たち証言内容を知ると、出世第一主義の先生や上司に上手く取り入る世渡り上手な人物だということが分かる。
真実を描くことなく、このような真実に反する人物を描くとこは、社会的罪であると思います。本人の良心に訴えかけたかったのなら別ですが、取材で騙されたしか思いません。