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雄気堂々(上) (新潮文庫) 文庫 – 1976/5/30
城山 三郎
(著)
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新1万円札決定!
渋沢栄一の生涯を描く決定版!
累計113万部突破のミリオンセラー
近代日本最大の経済人・渋沢栄一のダイナミックな人間形成の劇を、幕末維新の激動の中に描く雄大な伝記文学。武州血洗島の一農夫に生れた栄一は、尊王攘夷の運動に身を投じて異人居留地の横浜焼打ちを企てるが、中止に終った後、思いがけない機縁から、打倒の相手であった一橋家につかえ、一橋慶喜の弟の随員としてフランスに行き、その地で大政奉還を迎えることになる。
著者の言葉
渋沢は、薩長土肥いずれの藩閥出身でもなく、維新に活躍したわけでもない。それでいて、いわゆる明治の元勲と肩を並べ、近代日本を築く最高の指導者、最大の経済人になる。それも雄気堂々であって、後暗いところはない。
不思議であり、ひとつの奇蹟にも見える。その秘密は、どこにあるのか。その秘密をさぐることは、動乱の中での人間の生き方、国づくりの中での人間の生き方をさぐることになるのではないか。
(下巻「あとがき」より)
本書「解説」より
(本書に描かれている時代は)歴史のはげしい変転にともなう混沌の時代であり、ひとりひとりがその思想なり人格なりを試されていくような、しかも日本の国全体が試行錯誤をくり返しながら、ひとつの方向をうみ出していった時期でもあった。(略)
そして渋沢栄一もそういった人物の一人として、この事業に加わってゆくが、その彼の情熱と、時代の情熱とをかさねあわせて描いたところに、この作品のねらいがあるといえよう。
――尾崎秀樹(評論家)
城山三郎(1927-2007)
名古屋生れ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。一橋大学を卒業後、愛知学芸大に奉職し、景気論等を担当。1957(昭和32)年、『輸出』で文学界新人賞を、翌年『総会屋錦城』で直木賞を受賞し、経済小説の開拓者となる。吉川英治文学賞、毎日出版文化賞を受賞した『落日燃ゆ』の他、『男子の本懐』『官僚たちの夏』『秀吉と武吉』『もう、きみには頼まない』『指揮官たちの特攻』等、多彩な作品群は幅広い読者を持つ。2002(平成14)年、経済小説の分野を確立した業績で朝日賞を受賞。
渋沢栄一の生涯を描く決定版!
累計113万部突破のミリオンセラー
近代日本最大の経済人・渋沢栄一のダイナミックな人間形成の劇を、幕末維新の激動の中に描く雄大な伝記文学。武州血洗島の一農夫に生れた栄一は、尊王攘夷の運動に身を投じて異人居留地の横浜焼打ちを企てるが、中止に終った後、思いがけない機縁から、打倒の相手であった一橋家につかえ、一橋慶喜の弟の随員としてフランスに行き、その地で大政奉還を迎えることになる。
著者の言葉
渋沢は、薩長土肥いずれの藩閥出身でもなく、維新に活躍したわけでもない。それでいて、いわゆる明治の元勲と肩を並べ、近代日本を築く最高の指導者、最大の経済人になる。それも雄気堂々であって、後暗いところはない。
不思議であり、ひとつの奇蹟にも見える。その秘密は、どこにあるのか。その秘密をさぐることは、動乱の中での人間の生き方、国づくりの中での人間の生き方をさぐることになるのではないか。
(下巻「あとがき」より)
本書「解説」より
(本書に描かれている時代は)歴史のはげしい変転にともなう混沌の時代であり、ひとりひとりがその思想なり人格なりを試されていくような、しかも日本の国全体が試行錯誤をくり返しながら、ひとつの方向をうみ出していった時期でもあった。(略)
そして渋沢栄一もそういった人物の一人として、この事業に加わってゆくが、その彼の情熱と、時代の情熱とをかさねあわせて描いたところに、この作品のねらいがあるといえよう。
――尾崎秀樹(評論家)
城山三郎(1927-2007)
名古屋生れ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。一橋大学を卒業後、愛知学芸大に奉職し、景気論等を担当。1957(昭和32)年、『輸出』で文学界新人賞を、翌年『総会屋錦城』で直木賞を受賞し、経済小説の開拓者となる。吉川英治文学賞、毎日出版文化賞を受賞した『落日燃ゆ』の他、『男子の本懐』『官僚たちの夏』『秀吉と武吉』『もう、きみには頼まない』『指揮官たちの特攻』等、多彩な作品群は幅広い読者を持つ。2002(平成14)年、経済小説の分野を確立した業績で朝日賞を受賞。
- 本の長さ448ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1976/5/30
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101133034
- ISBN-13978-4101133034
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出版社より
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総会屋錦城 | 役員室午後三時 | 雄気堂々〔上〕 | 雄気堂々〔下〕 | 毎日が日曜日 | 官僚たちの夏 | |
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価格 | ¥737¥737 | ¥693¥693 | ¥880¥880 | ¥825¥825 | ¥979¥979 | ¥781¥781 |
【新潮文庫】城山三郎 作品 | 直木賞受賞の表題作は、総会屋の老練なボス錦城の姿を描いて株主総会のからくりを明かす異色作。他に本格的な社会小説6編を収録。 | 日本繊維業界の名門華王紡に君臨するワンマン社長が地位を追われた──企業に生きる人間の非情な闘いと経済のメカニズムを描く。 | 一農夫の出身でありながら、近代日本最大の経済人となった渋沢栄一のダイナミックな人間形成のドラマを、維新の激動の中に描く。 | 日本経済の牽引車か、諸悪の根源か総合商社の巨大な組織とダイナミックな機能・日本的体質を、商社マンの人生を描いて追究。 | 国家の経済政策を決定する高級官僚たち──通産省を舞台に、政策や人事をめぐる政府・財界そして官僚内部のドラマを捉えた意欲作。 |
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黄金の日日 | 男子の本懐 | 硫黄島に死す | 冬の派閥 | 落日燃ゆ | 打たれ強く生きる | |
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価格 | ¥781¥781 | ¥935¥935 | ¥825¥825 | ¥737¥737 | ¥781¥781 | ¥572¥572 |
豊かな財力で時の権力者・織田信長、豊臣秀吉と対峙する堺。小僧から身を起こしルソンで財をなした豪商の生き様を描く歴史長編。 | 〈金解禁〉を遂行した浜口雄幸と井上準之助。性格も境遇も正反対の二人の男が、いかにして一つの政策に生命をṌしたかを描く長編。 | 〈硫黄島玉砕〉の四日後、ロサンゼルス・オリンピック馬術優勝の西中佐はなお戦い続けていた。文藝春秋読者賞受賞の表題作など7編。 | 幕末尾張藩の勤王・佐幕の対立が生み出した血の粛清劇〈青松葉事件〉をとおし、転換期における指導者のありかたを問う歴史長編。 | 戦争防止に努めながら、A級戦犯として処刑された只一人の文官、元総理広田弘毅の生涯を、激動の昭和史と重ねつつ克明にたどる。〈毎日出版文化賞・吉川英治文学賞受賞〉 | 常にパーフェクトを求め他人を押しのけることで人生の真の強者となりうるのか?著者が日々接した事柄をもとに静かに語りかける。 |
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秀吉と武吉―目を上げれば海― | わしの眼は十年先が見える―大原孫三郎の生涯― | 指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく― | 静かに健やかに遠くまで | 部長の大晩年 | 無所属の時間で生きる | |
カスタマーレビュー |
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価格 | ¥781¥781 | ¥781¥781 | ¥539¥539 | ¥605¥605 | ¥572¥572 | ¥605¥605 |
瀬戸内海の海賊総大将・村上武吉は、豊臣秀吉の天下統一から己れの集団を守るためいかに戦ったか。転換期の指導者像を問う長編。 | 社会から得た財はすべて社会に返す──ひるむことを知らず夢を見続けた信念の企業家の、人間形成の跡をḷり反抗の生涯を描いた雄編。 | 神風特攻隊の第一号に選ばれた関行男大尉、玉音放送後に沖縄へ出撃した中津留達雄大尉。二人の同期生を軸に描いた戦争の哀切。 | 城山作品には、心に染みる会話や考えさせる文章が数多くある。多忙なビジネスマンにこそ読んでほしい、滋味あふれる言葉を集大成。 | 部長になり会社員として一応の出世はした。だが、異端の俳人・永田耕衣の本当の人生は、定年から始まった。元気の出る人物評伝。 | どこにも関係のない、どこにも属さない一人の人間として過ごす。そんな時間の大切さを厳しい批評眼と暖かい人生観で綴った随筆集。 |
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そうか、もう君はいないのか | 少しだけ、無理をして、生きる | よみがえる力は、どこに | 勇者は語らず | どうせ、あちらへは手ぶらで行く | |
カスタマーレビュー |
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価格 | ¥539¥539 | ¥572¥572 | ¥539¥539 | ¥446¥446 | ¥407¥407 |
作家が最後に書き遺していたもの──それは、亡き妻との夫婦の絆の物語だった。若き日の出会いからその別れまで、感涙の回想手記。 | 著者が魅了され、小説の題材にもなった人々の生き様から浮かび上がる、真の人間の魅力、そしてリーダーとは。生前の貴重な講演録。 | 「負けない人間」の姿を語り、人がよみがえる力を語る。困難な時代を生きてきた著者が語る「人生の真実」とは。感銘の講演録他。 | 沈黙を守り、どんな無理にも耐えるのが日本人のあるべき姿なのか。戦後、日本車輸出に命を賭したビジネスマンの気骨を描く長編。 | 作家の手帳に遺されていた晩年の日録。そこには、老いを自覚しながらも、人生を豊かに過ごすための「鈍々楽」の境地が綴られていた。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1976/5/30)
- 発売日 : 1976/5/30
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 448ページ
- ISBN-10 : 4101133034
- ISBN-13 : 978-4101133034
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 141,131位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1927-2007)名古屋生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎えた。一橋大学卒業後、愛知学芸大学に奉職、景気論等を担当。1957(昭和32)年、『輸出』により文学界新人賞、1959年『総会屋錦城』で直木賞を受け、経済小説の開拓者となる。吉川英治文学賞、毎日出版文化賞受賞の『落日燃ゆ』の他、『男子の本懐』『黄金の日日』『役員室午後三時』『毎日が日曜日』『官僚たちの夏』『もう、きみには頼まない』『硫黄島に死す』『指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―』等、多彩な作品群は幅広い読者を持つ。1996(平成8)年、菊池寛賞を、2002(平成14)年、朝日賞を受賞。2007年3月22日没。享年79。没後発見された愛妻への遺稿『そうか、もう君はいないのか』と、愛妻が倒れる前年から最晩年まで自らを励ますかのように綴られた手帳の記述をまとめた『どうせ、あちらへは手ぶらで行く』は世代を超えたベストセラーとなった。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年6月19日に日本でレビュー済み
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大河ドラマのnhk 青天を衝けを見て、城山三郎「勇気堂々」(新潮社)をすぐ読もうと思い上下二巻を購入。
徳川慶喜との巡り合わせで、渋沢栄一の生涯も良くわかり、楽しく読み終わりました。
徳川慶喜との巡り合わせで、渋沢栄一の生涯も良くわかり、楽しく読み終わりました。
2021年10月5日に日本でレビュー済み
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富農の倅が慶喜の家来になり、新選組、勝海舟、維新の三傑、伊藤大隈の幕末明治のオールスターと接して日本資本主義の父になるという物語。渋沢の人生は絵空事のようでおどろきますね。
50年前の作品とは思えないほど非常に簡単な文章で読みやすいです。
50年前の作品とは思えないほど非常に簡単な文章で読みやすいです。
2021年7月11日に日本でレビュー済み
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学生時代に読んで、感銘して
記憶に残る小説でした
Kindleだと、かさばらないし
また、読みたいなと思い
買いました
記憶に残る小説でした
Kindleだと、かさばらないし
また、読みたいなと思い
買いました
2020年10月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2021年の大河ドラマが渋沢栄一ということで再読。前に一度読んだときは一気に読めたが、今回はなぜか何週間もかかった。渋沢栄一本人よりも周囲の人間に目が行ったからかもしれない。文庫は上下巻になっているが上巻は幕末から明治維新に至る激動のなかで「血洗島の一農夫」が尊王攘夷運動に燃える憂国の志士から180度転じて水戸の一橋家に仕官し、慶喜の弟の随員として渡航、帰国、しばらくは慶喜のいた静岡で「合本組織」による商法会所をつくって頭取におさまり地域産業の新興に努めた。そこへ人材不足の新政府からお呼びがかかる。栄一を口説いたのは大蔵大輔(次官)の大隈重信。口説き文句は「八百万の神達、神計りに計りたまえという文句をきみは知っているか」「新政府のやろうとしていることは、すべて知識も経験もないことばかり。何から手をつけてよいかわからぬのは、きみだけではない。誰もが、わからん。わからん者が智慧を出し合い、これから相談してやって行こうとしている。つまり、われわれみんなが八百万の神々なのだ。君も、その神々の中の一柱として迎えた」。栄一は「一柱の神として、国づくりをどこまでやれるか、ためしてみたい」と思った。このあたりまでが上巻。
しかし「八百万の神々の集い」は実際は「一癖も二癖もある人間たちの集り」だった。今回読み直した時なかなか前に進まなかったのは、栄一以外の登場人物が面白くて、そのあたりじっくり読んだからかもしれない。一回目は栄一の視点で一気に読んでしまったが、二回目はそういう読み方にはならなかった。たとえば大久保利通。栄一が大蔵省に入ってから「最初の衝突らしい衝突」がこの人とのあいだに起こる。大久保利通はこの本でも結構エグい描かれ方をしている。初代司法卿を務めた元佐賀藩士の江藤新平が不平士族が起こした佐賀の乱の首謀者に祭り上げられ、そのかどで死刑となるが、もとより対立関係にあった大久保は裁判の様子を「江藤陳述曖昧、実に笑止千万」と日記に書いた。一方で大久保が外交においては「残忍無頼というが、、目的のためには死をも恐れぬ気持ち、そして、おそろしいほどの集中と持続」によって「日本側がいわばいいがかりをつけてはじめた」台湾出兵で、清から賠償金をもぎとったこと、さらに内治においても「最善を得ざれば次善、次善を得ざれば、その次善」とねばりづよく実績を積み重ね、近代的な立憲政体の基礎を固めた。しかしこれほどの権勢を極めた大久保も不平士族らの刃に倒れる。同じ年、大久保の朋友木戸孝允は病で、大久保と同郷の西郷隆盛は西南戦争で命を落とし、「明治の三傑」は全員40代でこの世を去った。
大蔵官僚時代、大蔵卿だった大久保が歳入が確定しないうちにどんどん支出を決めてしまうというディシプリンを欠く政府予算の組み方に「入るを量って出ずるを為す」が信条の栄一が業を煮やして辞任しようとしたときこれを止めたのが当時大蔵大輔だった井上馨である。このときは「短気で有名な井上に短気を戒められ」た栄一だが、この人物もまったく一筋縄ではいかない。
司法卿の江藤は原理主義者といえるほどの理想主義者で薩長閥が「有司専制で、政治を私物化しようとしている」と批判、それを改めるためにも司法制度を充実させなくてはいけない、ひいては司法省の予算を増額せよ執拗に迫り、放漫財政に目を光らせて井上・栄一たちと対立する。長州出身の井上はまた、尾去沢鉱山払い下げにおいても江藤から汚職疑惑をかけられるなどする。結局井上と栄一はそうしたごたごたに嫌気がさして下野する。井上は「三井の番頭さん」といわれたほど三井家と昵懇となり、一時先収社の社長におさまるが、のちに官界に呼び戻される。喧嘩っ早くて鼻息が荒い男だったが栄一にとっては「恰好の上役だった」とされている。井上のことを誰よりもかっていた三井の本当の番頭さん、三野村利左エ門は、彼の「世間を気にしない傍若無人さがある」ところを評価していた。ちなみに三野村は栄一が下野したときにもまっさきに声をかけている。よほど人を見る目があったのだろう。
栄一と因縁浅からぬ曲者として最後に出てくるのが大隈重信。栄一を新政府の大蔵省に引き込んだ張本人だ。明治12年にもなると殖産興業や制度改革、軍事支出のため財政がひっ迫し、政府は不換紙幣の乱発を続け、物価高騰と経済停滞が合体したスタグフレーションに見舞われる。その解決策を巡って、大蔵・外務を掌握する参議筆頭となっていた大隈と、第一銀行の頭取で、銀行業界をとりまとめた拓善会という組織を作ってそこの会頭となっていた栄一とが真正面から対立する。政府は銀行に準備金の積み増しを要求したが、栄一は拓善会メンバーに、これを一部受け入れるかわりに政府側にも歳出節減と紙幣消却を求めようと提案した。しかし銀行業界は一枚岩ではなく、この提案を大隈に注進する者が表れたのだ。大隈は激怒し、三井銀行副長の三野村利助を呼んで、三井から第一銀行への出資金全額を引き揚げろと命じる。このあたり、半沢直樹も真っ青の仁義なき戦いである。本当にそうなれば第一銀行は潰れる。栄一が自殺したという噂まで流れた。それだけでなく、横浜の生糸売込問屋が外国商館の横暴な取引に苦しみ連合生糸に預かり所を作ってこれに対抗しようとした際、政府資金の貸下げを求めた。日本の商権の回復ということで栄一も人肌脱ぐべくすでに関係が悪化していた大隈のもとを訪ねるが、「少々いざこざがあろうと、屈辱的であろうと、売れるものは売れて行くではないか」と大隈はとりあわない。大隈が外務省の監督者であり、条約改正の難しい舵取りのなかで外国を刺激する要因をつくりたくないという事情もあった。栄一と大隈の対立があっけなく解消したのは大隈が突然政府から追放されたのだ。その後、政府資金貸下げが実現、商権回復にも成功する。
明治維新の前後、とくに江戸末期から維新まで、そして日清日露戦争以降は小説やドラマにもよく描かれているが、その間に明治政府という成り行きでできた政府が直面した財政の脆弱さ、人材の不足、外国からの圧力、そして絶え間ない内輪揉めなどについてはそれほど詳細に教えらることもなければ、小説やドラマなどを通じて触れる機会も少ない。渋沢栄一にしても「近代日本経済の父」とは言われても幕末や明治時代を代表する人物として語られることはあまりないので、彼が政府のど真ん中にいたということが意外に感じた。しかしおのど真ん中んから民間に飛び出たからこそ、政府との太いパイプを生かしながら産業を興し育てていけたのだろう。ここに詳しく書いた江藤、大久保、井上、大隈らに比べると栄一はむしろ存在感が薄いくらいの描かれ方だが、「理想は抱きながらも、その段階段階に応じて、最高の生き方を選んで行く」という栄一の現実主義がそれによっていっそう際立って見える。現実主義こそ絶対的な対立や無理解のなかからも対話を引き出す最強の一手なのだ。
しかし「八百万の神々の集い」は実際は「一癖も二癖もある人間たちの集り」だった。今回読み直した時なかなか前に進まなかったのは、栄一以外の登場人物が面白くて、そのあたりじっくり読んだからかもしれない。一回目は栄一の視点で一気に読んでしまったが、二回目はそういう読み方にはならなかった。たとえば大久保利通。栄一が大蔵省に入ってから「最初の衝突らしい衝突」がこの人とのあいだに起こる。大久保利通はこの本でも結構エグい描かれ方をしている。初代司法卿を務めた元佐賀藩士の江藤新平が不平士族が起こした佐賀の乱の首謀者に祭り上げられ、そのかどで死刑となるが、もとより対立関係にあった大久保は裁判の様子を「江藤陳述曖昧、実に笑止千万」と日記に書いた。一方で大久保が外交においては「残忍無頼というが、、目的のためには死をも恐れぬ気持ち、そして、おそろしいほどの集中と持続」によって「日本側がいわばいいがかりをつけてはじめた」台湾出兵で、清から賠償金をもぎとったこと、さらに内治においても「最善を得ざれば次善、次善を得ざれば、その次善」とねばりづよく実績を積み重ね、近代的な立憲政体の基礎を固めた。しかしこれほどの権勢を極めた大久保も不平士族らの刃に倒れる。同じ年、大久保の朋友木戸孝允は病で、大久保と同郷の西郷隆盛は西南戦争で命を落とし、「明治の三傑」は全員40代でこの世を去った。
大蔵官僚時代、大蔵卿だった大久保が歳入が確定しないうちにどんどん支出を決めてしまうというディシプリンを欠く政府予算の組み方に「入るを量って出ずるを為す」が信条の栄一が業を煮やして辞任しようとしたときこれを止めたのが当時大蔵大輔だった井上馨である。このときは「短気で有名な井上に短気を戒められ」た栄一だが、この人物もまったく一筋縄ではいかない。
司法卿の江藤は原理主義者といえるほどの理想主義者で薩長閥が「有司専制で、政治を私物化しようとしている」と批判、それを改めるためにも司法制度を充実させなくてはいけない、ひいては司法省の予算を増額せよ執拗に迫り、放漫財政に目を光らせて井上・栄一たちと対立する。長州出身の井上はまた、尾去沢鉱山払い下げにおいても江藤から汚職疑惑をかけられるなどする。結局井上と栄一はそうしたごたごたに嫌気がさして下野する。井上は「三井の番頭さん」といわれたほど三井家と昵懇となり、一時先収社の社長におさまるが、のちに官界に呼び戻される。喧嘩っ早くて鼻息が荒い男だったが栄一にとっては「恰好の上役だった」とされている。井上のことを誰よりもかっていた三井の本当の番頭さん、三野村利左エ門は、彼の「世間を気にしない傍若無人さがある」ところを評価していた。ちなみに三野村は栄一が下野したときにもまっさきに声をかけている。よほど人を見る目があったのだろう。
栄一と因縁浅からぬ曲者として最後に出てくるのが大隈重信。栄一を新政府の大蔵省に引き込んだ張本人だ。明治12年にもなると殖産興業や制度改革、軍事支出のため財政がひっ迫し、政府は不換紙幣の乱発を続け、物価高騰と経済停滞が合体したスタグフレーションに見舞われる。その解決策を巡って、大蔵・外務を掌握する参議筆頭となっていた大隈と、第一銀行の頭取で、銀行業界をとりまとめた拓善会という組織を作ってそこの会頭となっていた栄一とが真正面から対立する。政府は銀行に準備金の積み増しを要求したが、栄一は拓善会メンバーに、これを一部受け入れるかわりに政府側にも歳出節減と紙幣消却を求めようと提案した。しかし銀行業界は一枚岩ではなく、この提案を大隈に注進する者が表れたのだ。大隈は激怒し、三井銀行副長の三野村利助を呼んで、三井から第一銀行への出資金全額を引き揚げろと命じる。このあたり、半沢直樹も真っ青の仁義なき戦いである。本当にそうなれば第一銀行は潰れる。栄一が自殺したという噂まで流れた。それだけでなく、横浜の生糸売込問屋が外国商館の横暴な取引に苦しみ連合生糸に預かり所を作ってこれに対抗しようとした際、政府資金の貸下げを求めた。日本の商権の回復ということで栄一も人肌脱ぐべくすでに関係が悪化していた大隈のもとを訪ねるが、「少々いざこざがあろうと、屈辱的であろうと、売れるものは売れて行くではないか」と大隈はとりあわない。大隈が外務省の監督者であり、条約改正の難しい舵取りのなかで外国を刺激する要因をつくりたくないという事情もあった。栄一と大隈の対立があっけなく解消したのは大隈が突然政府から追放されたのだ。その後、政府資金貸下げが実現、商権回復にも成功する。
明治維新の前後、とくに江戸末期から維新まで、そして日清日露戦争以降は小説やドラマにもよく描かれているが、その間に明治政府という成り行きでできた政府が直面した財政の脆弱さ、人材の不足、外国からの圧力、そして絶え間ない内輪揉めなどについてはそれほど詳細に教えらることもなければ、小説やドラマなどを通じて触れる機会も少ない。渋沢栄一にしても「近代日本経済の父」とは言われても幕末や明治時代を代表する人物として語られることはあまりないので、彼が政府のど真ん中にいたということが意外に感じた。しかしおのど真ん中んから民間に飛び出たからこそ、政府との太いパイプを生かしながら産業を興し育てていけたのだろう。ここに詳しく書いた江藤、大久保、井上、大隈らに比べると栄一はむしろ存在感が薄いくらいの描かれ方だが、「理想は抱きながらも、その段階段階に応じて、最高の生き方を選んで行く」という栄一の現実主義がそれによっていっそう際立って見える。現実主義こそ絶対的な対立や無理解のなかからも対話を引き出す最強の一手なのだ。
2021年5月4日に日本でレビュー済み
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大河ドラマの影響で、渋沢栄一について知りたくなり読み始めました。本当に立派な人、今の日本の基礎を作り上げたといってもいいのではないかと思いました。幕末に活躍した、坂本、西郷、大久保らが描かれることが多いですが、歴史を少し違った視点で見ることができたように思います。良書だと思います。下巻も読みたくなりました。