デニーロが普通のおじいちゃんである
ハリウッドの大物のオーラがなく、かといって別に地味なわけでもなく、いうなればアメリカを歩けば掃いて捨てるほどにいそうな気のいい一般人。
(それでいながら終始まちがいなく「デニーロ」であるから不思議)
だからこそ感情移入してしまう。ホームパーティの準備に熱が入る姿が愛おしく、最愛のわが子達からたらいまわしにされる姿は切ない
息子の怪優サムロックウェルも同様にザ・一般人であって素晴らしいが、娘二人(ケイト・ベッキンセール/ドリュー・バリモア)は美しくハリウッドスターとしてのオーラが滲み出ていましたので失格です。
ヒューマンドラマ、いわば人々が抱える普通で普遍のドラマにおいて、感情移入できるかどうかは非常に大きな要素だと思う。
この映画はスターを使いながらも何もキラキラしていないし、晦渋でアーティスティックな映し方もしていない。ややチープに見える演出もあるけど不思議と心地よい。
とにかく素直な映画。計算された緊張感の伴う緻密さではなくて、おおからで繊細で人間らしい描写がこの映画の最大の魅力だと思う。
だからこそ泣ける。終盤はなんか知らんけどずっと泣いてた。
地味にゴリゴリのチョイ役たちが素晴らしい(電車での勘の悪い女性とか、バス停留所のおっさんとかトラックの運転手の女性とか)
(字幕変だし、ポスター安っぽいのは謎。本編以外のところで漂うB級感。配給ミラマックスなのに)