学校生活を振り返ると、いじめに遭遇した経験は少なからずあるだろう。傍観者だった、もしくは自分自身が被害者、もしかしたら加害者だったかもしれない。その場面を思い出そうとすると、なんであんなことになったんだろう?と大人になった今でも「もやもや」するのではないだろうか。
そんな「もやもや」を整理するのに、この本を一読するといいかもしれない。
本書では、「学校がほかの場所にくらべても、はるかにいじめが起こりやすい場所である」と指摘している。
クラスは強制的に決められ、そのクラスの中で友達をつくらなければいけない。
せいぜい30数人の中で、気の合う友を見つけるのはそう簡単なことではない。
また班行動を強いられることで、とことん理不尽な事態を引き起こす
『クラスの生徒の中でグループを作らされるとき、あまってしまった生徒が出る場合、教師は「誰かこの子を入れてあげて」と叫ぶ』「班行動によって、クラス内の序列付けが明確にされ、さらに追い込まれてしまった」
今なお続く日本の学校・学級制度は子どもたちに残酷な思い出をつくり続けている。
また「多くのいじめは、排除のためじゃなくて、飼育のために行われている。「嫌なヤツ」を追い出すためでなく、相手を「弱いヤツ」のままでいさせてオモチャのようにして攻撃、反応を楽しみ続けることを目的としているんだ」というところに、伝染していくいじめの本質、嫌らしさを
みることができる。
いじめる側に対して「本当の充足が得られないから、目の前にある選びやすい行為をとにかく実行して、てっとり早くニセ満足を得ようとしているというわけだ」と痛い指摘をしている。「そんなことより本当に楽しいことしようよ」・・・昔の自分に伝えることができたら多くの人がそうするだろう。
いじめを受けている本人、その親、学校関係者に是非読んでもらいたいと思うが
「いじめ」と聞いて心にざわつきがある人にも、
子どもたちの未来のため学校制度を改めて考えるきっかけとして本書を読んでみてもらいたい。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
いじめの直し方 単行本 – 2010/3/19
仲間ハズレにする「排除系」か奴隷にする「飼育系」か、殴る蹴るの「暴力系」かシカト・悪口の「コミュニケーション操作系」か・・・。複雑化するいじめを徹底分析!「がんばれ!」といった精神論や「かわいそう」といった感傷論を一切排し、「いじめが起こる仕組みを理解し、それに対処する」ためのヤングアダルト向け実用書。いじめ研究の第一人者、内藤朝雄氏が気鋭の若手評論家、荻上チキ氏とコラボした画期的な一冊!
- 本の長さ96ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2010/3/19
- ISBN-10402250708X
- ISBN-13978-4022507082
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2010/3/19)
- 発売日 : 2010/3/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 96ページ
- ISBN-10 : 402250708X
- ISBN-13 : 978-4022507082
- Amazon 売れ筋ランキング: - 591,684位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2011年9月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2012年8月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こどもにも読みやすい本で、いじめられたらどう対応したらいいのかを、ちゃんと書いてくれているほんです。
泣き寝入りすることなく、どういう権利があるのか、どう社会的に対応するのか、イラスト入りで、人の権利なども
ふまえてかいてくれているので、わかりやすかったです。
泣き寝入りすることなく、どういう権利があるのか、どう社会的に対応するのか、イラスト入りで、人の権利なども
ふまえてかいてくれているので、わかりやすかったです。
2012年12月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
我が家では子どもたちにもこの本を紹介して、いつでも読めるところに置いています。
手にとって読んでくれているようで嬉しいです。
人権とはなんだろうか・・・と、考えさせてくれる一冊です。
ぜひとも先生をしていらっしゃる方にも読んでもらいたい。
手にとって読んでくれているようで嬉しいです。
人権とはなんだろうか・・・と、考えさせてくれる一冊です。
ぜひとも先生をしていらっしゃる方にも読んでもらいたい。
2018年12月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本をどれだけの人が手に取るか,また,この本からどれだけのことを感じ取るかによりますが,このような考え方は必要な気がします。
しかし,いじめる人は感性のアンテナが低い場合が少なくないので,この本を読んでも感じるものが少ないかもしれません。
しかし,いじめる人は感性のアンテナが低い場合が少なくないので,この本を読んでも感じるものが少ないかもしれません。
2010年7月1日に日本でレビュー済み
「あのね。いじめというものはね・・・・」といじめの世界(いじめられっ子、いじめっ子、傍観者)で悩み迷う子供を自宅に招いて優しく語りかけている感のある本書である。
しかも、本書は後書で内藤氏の著書「いじめの構造-なぜ人は怪物になるのか」を元に作ってあると紹介してあるが、さらにその大元は、氏の学術書である難解な著書「いじめの社会理論」であろうから感動もするが的確なはずである。
従来の精神論でなく、いじめを人と人との関係が生み出す「環境の問題」として捉える発想をタイトルの漢字一字の違いから説明していくというところがすばらしい。
「いじめの直し方」のタイトルについて。
「治す」という漢字は人に問題があるときに使い、「直す」という漢字は、仕組みに問題があるときに使うとし、あえて「直し方」にした意義の重要性を説いている。
せまい所に閉じ込めて強制的にベタベタさせる学校制度の問題
暴力系のいじめとコミュニケーション操作系の2種類に大きく分けられるいじめ
自分たちだけのオキテ(小さな秩序)を解除するなど
いじめのメカニズムの解明と理解・対策をイラストを用いてわかりやすく語りかけている。
また、先生や親といった大人に相談するのはとても重要なことと、語りながらも
ダメな親も先生もいっぱいいるから先生が役に立たないと思ったら・・・・
役立たずの精神論話で対応してくる親には.......
学校というものは、オオゴトに????
なかなか大人が子供に話しづらいかも知れないこともあえて語りかけ、さらに、いじめ記録のつけ方と要求のリストなどより具体性があるのも特色だと思う。
ぜひ、本書をいじめについて考える子供たちの参考書として役立てて欲しいと思う。
大人である親や先生は、難解な言葉から抽出したいじめ対策の指南書として扱っていただきたい
しかも、本書は後書で内藤氏の著書「いじめの構造-なぜ人は怪物になるのか」を元に作ってあると紹介してあるが、さらにその大元は、氏の学術書である難解な著書「いじめの社会理論」であろうから感動もするが的確なはずである。
従来の精神論でなく、いじめを人と人との関係が生み出す「環境の問題」として捉える発想をタイトルの漢字一字の違いから説明していくというところがすばらしい。
「いじめの直し方」のタイトルについて。
「治す」という漢字は人に問題があるときに使い、「直す」という漢字は、仕組みに問題があるときに使うとし、あえて「直し方」にした意義の重要性を説いている。
せまい所に閉じ込めて強制的にベタベタさせる学校制度の問題
暴力系のいじめとコミュニケーション操作系の2種類に大きく分けられるいじめ
自分たちだけのオキテ(小さな秩序)を解除するなど
いじめのメカニズムの解明と理解・対策をイラストを用いてわかりやすく語りかけている。
また、先生や親といった大人に相談するのはとても重要なことと、語りながらも
ダメな親も先生もいっぱいいるから先生が役に立たないと思ったら・・・・
役立たずの精神論話で対応してくる親には.......
学校というものは、オオゴトに????
なかなか大人が子供に話しづらいかも知れないこともあえて語りかけ、さらに、いじめ記録のつけ方と要求のリストなどより具体性があるのも特色だと思う。
ぜひ、本書をいじめについて考える子供たちの参考書として役立てて欲しいと思う。
大人である親や先生は、難解な言葉から抽出したいじめ対策の指南書として扱っていただきたい
2011年1月13日に日本でレビュー済み
本書は、これまで提案されてきたいじめ対策を2歩進めたものである。
1歩目は、いじめられている子がいじめている子と距離をとれるように、様々な対処法が紹介されているところである。
これまでのいじめ対策に見られるような、被害者と加害者の関係をいかに修復するかに焦点を当てているものとは違った角度からの提案である。「みんなと仲良くするってとても不自然なこと」ということがはっきりと書かれている。つまり、「友だちは選んでいいんだ」というメッセージである。
これは、いじめられている子にとっては、肩の力がぬけるような言葉かもしれない。
2歩目は、具体的にどのようにいじめを記録すればよいかが書かれていることである。
いじめは、大人にはわかりにくいやり方でなされることが多いため、「いつ、どこで、誰に、何をされて、どうなったか、そしてどうしたいと思ったか」をきちんと記録することは非常に重要なことである。
この記録をつけることで、家族や先生以外の大人に自分がいじめられていることを伝えることができる。
簡単なことだが、このような具体的な記録のつけ方は、これまで示されてこなかった。
このように、これまでのいじめ対策よりも2歩進んだ対処法を提案することで、いじめられている子の「世界」を広げることができる。
大切なメッセージがたくさん詰まった、すばらしい一冊である。
1歩目は、いじめられている子がいじめている子と距離をとれるように、様々な対処法が紹介されているところである。
これまでのいじめ対策に見られるような、被害者と加害者の関係をいかに修復するかに焦点を当てているものとは違った角度からの提案である。「みんなと仲良くするってとても不自然なこと」ということがはっきりと書かれている。つまり、「友だちは選んでいいんだ」というメッセージである。
これは、いじめられている子にとっては、肩の力がぬけるような言葉かもしれない。
2歩目は、具体的にどのようにいじめを記録すればよいかが書かれていることである。
いじめは、大人にはわかりにくいやり方でなされることが多いため、「いつ、どこで、誰に、何をされて、どうなったか、そしてどうしたいと思ったか」をきちんと記録することは非常に重要なことである。
この記録をつけることで、家族や先生以外の大人に自分がいじめられていることを伝えることができる。
簡単なことだが、このような具体的な記録のつけ方は、これまで示されてこなかった。
このように、これまでのいじめ対策よりも2歩進んだ対処法を提案することで、いじめられている子の「世界」を広げることができる。
大切なメッセージがたくさん詰まった、すばらしい一冊である。
2012年7月21日に日本でレビュー済み
内藤朝雄氏が、7月20日8時のプライムニュース(BSフジ)2時間枠にメインゲストとして出席していた。
いじめ研究の専門家というふれこみだったが、途中から、大丈夫かこの人、という印象に変わった。
どうにも、説明自体が稚拙。とても教え伝えることを本業としている人の説明とは思えず。
「いじめ」という極めて現実的で具体的な処方箋が求められている課題に対して、ここまで空理空論を展開できる人がいるだろうか。
番組の最後、現にいじめられている生徒はどうすべきかという問いかけに対して、
「大人になってから国会議員になったりして制度を変えるように努めるしかない」とは…、正直あきれた。
まあ、今回の大津いじめ事件について、世間受けするような一般的な論評は潔しとしない、というのなら、それなりに理解できないこともないけれど。
内藤朝雄氏にとって「いじめ」は、学者としての研究課題にすぎないのではないか。
いじめ研究の専門家というふれこみだったが、途中から、大丈夫かこの人、という印象に変わった。
どうにも、説明自体が稚拙。とても教え伝えることを本業としている人の説明とは思えず。
「いじめ」という極めて現実的で具体的な処方箋が求められている課題に対して、ここまで空理空論を展開できる人がいるだろうか。
番組の最後、現にいじめられている生徒はどうすべきかという問いかけに対して、
「大人になってから国会議員になったりして制度を変えるように努めるしかない」とは…、正直あきれた。
まあ、今回の大津いじめ事件について、世間受けするような一般的な論評は潔しとしない、というのなら、それなりに理解できないこともないけれど。
内藤朝雄氏にとって「いじめ」は、学者としての研究課題にすぎないのではないか。