ニーチェは、1889年1月3日に、イタリアのトリノの街中で精神錯乱に陥り、その後正常な精神活動はできなくなった。
本書『この人を見よ』は、錯乱状態になる2か月前に完成された自伝のような書であり、ニーチェが過去に刊行した『ツァラトゥストラはこう言った』などを主にして総括しながら自画自賛を延べています。
ニーチェに対立する者に対してアフォリズムを用いながら皮肉な批判をしているが、「ワグナーの場合・楽人に関する一問題」の章でのドイツ人にたいする批判は過激です。
この章でドイツ人にたいして過激な非難を読みながら、のちにドイツが二回も世界を相手にして戦争をすることを、ニーチェの予感が書かせたのかなと、想像してしまったのです。
「なぜわたしは一個の運命であるのか」の章では、キリスト教を、「最大の人類侮蔑者でも夢想しえないだろうほどに不条理で、うそつきで、空虚で、軽薄で、おのれ自身にとって有害なものであった。キリスト教道徳――それは嘘への意思のもっとも悪質な形式、人類を呪縛する真の魔女キルケー。人類を腐らせた本尊である。」(P190)と、一刀両断している。
ニーチェは、キリスト教(プラトニズム)というまやかしが「形而上」でも「形而下」でも二千年もの長きに渡って西欧世界に浸透してきた歴史に我慢できなくなり叫んでいるのです。
これほど過激な言葉で語るニーチェは、狂気をまじかにしていることからの高揚感でなされたものかも知れません。
『この人を見よ』の「この人」とは、ニーチェのことであり、本書でニーチェの内面的全体像を把握することができる書でした。
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この人を見よ (新潮文庫) 文庫 – 1990/6/22
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どうして私は私の全生涯に感謝しないでおられよう。
かくて、私は私の生涯を、私自身に語り聞かせることとする――。
迫りくる暗い運命を予感しつつ、自身を率直に語る。
本書はニーチェ発狂の前年に成った最後の著作である。“この人"とはニーチェ自身を指し、本書では自らの著作と思考の全体について、彼が時代とどう対決し、個々の著作はどういう動機によって書かれたかが、解明される。価値の根本転換を説くニーチェの思考の到達点が簡明に語られているので、ニーチェ最高の入門書として、また風変りな自伝としても読むことが出来る。
新訳決定版。用語、背景などについての詳細な訳注を付す。
【目次】
序言
なぜ私はかくも賢明なのか
なぜ私はかくも怜悧なのか
なぜ私はかくも良い本を書くのか
悲劇の誕生
反時代的考察
人間的な、あまりに人間的な
曙光
悦ばしき学問
ツァラトゥストラかく語りき
善悪の彼岸
道徳の系譜
偶像の黄昏
ヴァーグナーの場合
なぜ私は一個の運命であるのか
訳注
解説 西尾幹二
本書冒頭より
私の予測では、近いうちに、私はかつて人類に課せられた要求の中でも最も困難な要求を人類に突きつけなければならなくなる。それだけに、そもそも私が誰であるのかを言っておくことが、必要であるように思われる。こんなことは私が言わなくても、世間の方で知っていてよいことであろう。私が自分を「身元不詳のままに放置」しておいたわけではないのだから。それはそうなのだが、私の課題は大きいのに私の同時代人は小さく、両者の関係が不釣合いであるために、結局、私の言を聴く者はなく、私の書いたものに誰も目を向けさえもしないという事態に立ち至ってしまった。(「序言」)
ニーチェ Nietzsche, Friedrich Wilhelm(1844-1900)
プロイセン(現ドイツ)ザクセン州に生れる。ボン大学、ライプチヒ大学で古典文献学を学び、スイス・バーゼル大学の員外教授となる。著書『悲劇の誕生』(1872)『ツァラトストラかく語りき』(1883-1885)『善悪の彼岸』(1886)などでキリスト教道徳を攻撃、自己克服の象徴「超人」を理想とする哲学を展開した。晩年は精神錯乱に陥り、ワイマールで死去。
西尾幹二
1935年、東京都生まれ。東京大学文学部独文学科卒。同大学大学院修士及び文学博士。電気通信大学名誉教授。著書に『ヨーロッパの個人主義』『ニーチェとの対話』(以上講談社現代新書)、『教育と自由―中教審報告から大学改革へ―』『人生の価値について』『わたしの昭和史1、2 少年篇』(以上新潮社)、『異なる悲劇 日本とドイツ』(文藝春秋)、『沈黙する歴史』(徳間書店)、『国民の歴史』『西尾幹二の思想と行動(1)(2)(3)』『歴史と常識―ものの見方の一元化を排す―』(以上扶桑社)などがある。「新しい歴史教科書をつくる会」の会長をつとめた。
かくて、私は私の生涯を、私自身に語り聞かせることとする――。
迫りくる暗い運命を予感しつつ、自身を率直に語る。
本書はニーチェ発狂の前年に成った最後の著作である。“この人"とはニーチェ自身を指し、本書では自らの著作と思考の全体について、彼が時代とどう対決し、個々の著作はどういう動機によって書かれたかが、解明される。価値の根本転換を説くニーチェの思考の到達点が簡明に語られているので、ニーチェ最高の入門書として、また風変りな自伝としても読むことが出来る。
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【目次】
序言
なぜ私はかくも賢明なのか
なぜ私はかくも怜悧なのか
なぜ私はかくも良い本を書くのか
悲劇の誕生
反時代的考察
人間的な、あまりに人間的な
曙光
悦ばしき学問
ツァラトゥストラかく語りき
善悪の彼岸
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偶像の黄昏
ヴァーグナーの場合
なぜ私は一個の運命であるのか
訳注
解説 西尾幹二
本書冒頭より
私の予測では、近いうちに、私はかつて人類に課せられた要求の中でも最も困難な要求を人類に突きつけなければならなくなる。それだけに、そもそも私が誰であるのかを言っておくことが、必要であるように思われる。こんなことは私が言わなくても、世間の方で知っていてよいことであろう。私が自分を「身元不詳のままに放置」しておいたわけではないのだから。それはそうなのだが、私の課題は大きいのに私の同時代人は小さく、両者の関係が不釣合いであるために、結局、私の言を聴く者はなく、私の書いたものに誰も目を向けさえもしないという事態に立ち至ってしまった。(「序言」)
ニーチェ Nietzsche, Friedrich Wilhelm(1844-1900)
プロイセン(現ドイツ)ザクセン州に生れる。ボン大学、ライプチヒ大学で古典文献学を学び、スイス・バーゼル大学の員外教授となる。著書『悲劇の誕生』(1872)『ツァラトストラかく語りき』(1883-1885)『善悪の彼岸』(1886)などでキリスト教道徳を攻撃、自己克服の象徴「超人」を理想とする哲学を展開した。晩年は精神錯乱に陥り、ワイマールで死去。
西尾幹二
1935年、東京都生まれ。東京大学文学部独文学科卒。同大学大学院修士及び文学博士。電気通信大学名誉教授。著書に『ヨーロッパの個人主義』『ニーチェとの対話』(以上講談社現代新書)、『教育と自由―中教審報告から大学改革へ―』『人生の価値について』『わたしの昭和史1、2 少年篇』(以上新潮社)、『異なる悲劇 日本とドイツ』(文藝春秋)、『沈黙する歴史』(徳間書店)、『国民の歴史』『西尾幹二の思想と行動(1)(2)(3)』『歴史と常識―ものの見方の一元化を排す―』(以上扶桑社)などがある。「新しい歴史教科書をつくる会」の会長をつとめた。
- ISBN-104102035079
- ISBN-13978-4102035078
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日1990/6/22
- 言語日本語
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- 本の長さ222ページ
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【新潮文庫】ニーチェ 作品 | ついに神は死んだ──ツァラトストラが超人へと高まりゆく内的過程を追いながら、永劫回帰の思想を語った律動感にあふれる名著。 | 「世界は不条理であり、生命は自立した倫理をもつべきだ」と説く著者が既成の道徳観念と十九世紀後半の西欧精神を批判した代表作。 | ニーチェ発狂の前年に著わされた破天荒な自伝で、”この人”とは彼自身を示す。迫りくる暗い運命を予感しつつ率直に語ったその生涯。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1990/6/22)
- 発売日 : 1990/6/22
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 222ページ
- ISBN-10 : 4102035079
- ISBN-13 : 978-4102035078
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 116,750位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 132位ドイツ・オーストリアの思想
- - 1,233位哲学 (本)
- - 1,976位その他の思想・社会の本
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上位レビュー、対象国: 日本
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2023年1月23日に日本でレビュー済み
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2022年9月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
生涯学習センターで哲学を学んでいる。その授業で「この人を見よ」を使うことになり読んだ。
和訳の訳し方になじめないところがありますが、ニーチェの詩的かつ自伝的エッセイとして気楽に読むには良い本ではないかと思います。
和訳の訳し方になじめないところがありますが、ニーチェの詩的かつ自伝的エッセイとして気楽に読むには良い本ではないかと思います。
2022年7月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内側から哲学を実践したかのように思えるところもありました。情緒不安定に感じるのは時代背景の影響なのでしょうか。感受性豊かな方には、お勧め出来ません。
2007年1月19日に日本でレビュー済み
ニーチェの自作の書評のような形式をとった作品。発狂する直前に書かれたものとあって、かなり自信満々に書かれていて「ちょっとは遠慮しろよ」って突っ込みたくもなります。しかしながら、ニーチェ作品を読み返す上で貴重な資料であることは間違いありません。
『価値の転換』というニーチェの野望は、自身が敵対視したキリスト教的価値観をその対極として見定めなくては成立することが非常に難しく、端的に言えばキリスト教的価値観を前提にしなければ語りだすことができないものであり、必然としてキリスト教的価値観を承認せざるを得ないという奇妙な帰結が成立ってしまう。その点から見るとデュオニソス的という価値観を提示したところで所詮マイナーなままで終ってしまうような気がしてならない。
ニーチェの苦悩に耳を傾けることは大切なことだが、彼の考え方は自身の生き方を非常に狭小化してしまうものであり、永劫回帰などの思想にはそのような自身の中で袋小路にはまり込んでしまう危険性が垣間見られる。そのような訳で彼の思想を人生の参考にすることはまずできないし、するものではない。ニーチェから私たちが学ぶことは、彼が試みた『価値の転換』という思想の展開と失敗、及びその後に続く実存主義などとの関連性の中で、自己の限界性と無意識に入り込んでくる(他者的な)価値観というものの正体を解きほぐす方法論の導出はいかにして行えるかと言うことであるように思う。
『価値の転換』というニーチェの野望は、自身が敵対視したキリスト教的価値観をその対極として見定めなくては成立することが非常に難しく、端的に言えばキリスト教的価値観を前提にしなければ語りだすことができないものであり、必然としてキリスト教的価値観を承認せざるを得ないという奇妙な帰結が成立ってしまう。その点から見るとデュオニソス的という価値観を提示したところで所詮マイナーなままで終ってしまうような気がしてならない。
ニーチェの苦悩に耳を傾けることは大切なことだが、彼の考え方は自身の生き方を非常に狭小化してしまうものであり、永劫回帰などの思想にはそのような自身の中で袋小路にはまり込んでしまう危険性が垣間見られる。そのような訳で彼の思想を人生の参考にすることはまずできないし、するものではない。ニーチェから私たちが学ぶことは、彼が試みた『価値の転換』という思想の展開と失敗、及びその後に続く実存主義などとの関連性の中で、自己の限界性と無意識に入り込んでくる(他者的な)価値観というものの正体を解きほぐす方法論の導出はいかにして行えるかと言うことであるように思う。
2021年7月21日に日本でレビュー済み
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「反哲学者は主体を重視する。誰が語っているか?を語る。」(アラン・バディウ)
西尾先生はさすがに目の付け所がよい。
西尾先生はさすがに目の付け所がよい。
2023年1月29日に日本でレビュー済み
今からかれこれ35年くらい前
下宿の物好きな友人たちとあれやこれやと物議をかもし
物凄くスルドくて行間を読み解いてしまうような奴もいました
(当時はうらやましかったです)
個人的には無神論みたいな考えに触れるきっかけだったかと…
月日は流れ
健康診断の結果に一喜一憂、そこそこご機嫌な日々
著者の晩年を鑑み、あまり賢くなくて良かったのかも?
歳を重ねました^ ^
下宿の物好きな友人たちとあれやこれやと物議をかもし
物凄くスルドくて行間を読み解いてしまうような奴もいました
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歳を重ねました^ ^
2019年8月20日に日本でレビュー済み
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「この人」とはニーチェ自身のことで、考え方やどのようにして生きてきたかが書かれている。