このアルバムは日本のメディアには広く受け入れてもらえなかった。彼らは気づかなかったのだろう、Feederの発表した4thアルバムのすばらしさに。 何がすごいのか?その理由のひとつとして挙げられるのが、2002年も始まってすぐの、ドラマーのジョンの自殺。イギリスの音楽界に衝撃を与えた。AshやStereophonicsなどの彼らと親しい関係にあったバンドたちの音楽性にも少なからず影響を与えたのではないだろうか。フィーダーは親友の死を乗り越え、活動し続けた。なかなかできることじゃないよ。 それから10ヶ月。残されたグラントとタカは新作を発表した。のっけから涙腺がピクピクいってたね。アルバムを通して聴いていても、ジョンの死に対するグラントのメッセージがリスナーたちにすごく伝わってくるのだ。 だからといって逃げてばかりいない。Come Back AroundやFind The Colorでは前向きに物事を考えて、上を向いて楽しく明るく生きていこうというグラントの強い思いが秘められているのだ。 精神的にもひどく陥ったバンドっていうのはなかなかいない。虚像ばかりを立てているのに比べれば、このアルバムは何十倍も何百倍もいい。彼らの悲しみを乗り越え生み落とされたこの1枚、ぜひ聴いてもらいたい。