日本のメタボ健診に関しては、さまざまな疑問がある。
また、コレステロールに関して、動脈硬化学会と脂質栄養学会が対立している。
このような状況において、本書は今まで常識だと考えられていたいくつかの事項に対して、もっと良く考えろという警鐘を鳴らしている
ただ、これも一側面であり、別の側面からの主張が存在することも、また、確かな事である。
真実は何か、ということは、両側面の情報を正しく入手し、我々ひとりひとりが判断しなくてはいけない。
本書は大変読みやすく、また分かりやすく書かれている。
多分、専門以外のひとが読んでも、よく分かると思う。
だからこそ、多くのひとに読んでもらい、本書の警鐘を正しく理解してほしい。
そして、本書からさらに専門方向に突っ込んだ本が存在するから、それに手を伸ばしてほしい。
御用学者や官僚の主張に、どれだけ疑問符をつけられるか。
自分の健康は自分で守らなければいけないのであり、本書はその一助になるであろう。

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メタボの常識・非常識―健康な人を「異常」にする日本だけのシステム (ブルーバックス) 新書 – 2010/5/21
田中 秀一
(著)
まかりとおる「非常識」を「科学」が斬る!
●疑問だらけの診断基準
●効果不明な健康診断
「欧米の常識」とかけ離れた「和製メタボ」の非常識!
なぜ身長に関係なくウエストで決まるのか?男性のほうが女性より厳しいのも日本だけ!厚労省が定めた「メタボ」健診の基準は、科学的に見れば不合理に満ちている。「つくられた不安」に振り回されず、本当の健康とは何かを考える!
「和製メタボ」7つの常識
1.若い頃より体重が増えておなかが出ると早死にする
2.太り気味の人は標準体重の人より不健康である
3.健康診断は健康を保つために有益である
4.糖尿病の人はできるだけ強力に血糖値を下げるべき
5.高血圧を放置すると大半の人は脳卒中になる
6.コレステロールが基準値を超えたらすぐ治療すべき
7.高齢になったら脂っこい食事は避けたほうがよい
すべて、間違っています。
●疑問だらけの診断基準
●効果不明な健康診断
「欧米の常識」とかけ離れた「和製メタボ」の非常識!
なぜ身長に関係なくウエストで決まるのか?男性のほうが女性より厳しいのも日本だけ!厚労省が定めた「メタボ」健診の基準は、科学的に見れば不合理に満ちている。「つくられた不安」に振り回されず、本当の健康とは何かを考える!
「和製メタボ」7つの常識
1.若い頃より体重が増えておなかが出ると早死にする
2.太り気味の人は標準体重の人より不健康である
3.健康診断は健康を保つために有益である
4.糖尿病の人はできるだけ強力に血糖値を下げるべき
5.高血圧を放置すると大半の人は脳卒中になる
6.コレステロールが基準値を超えたらすぐ治療すべき
7.高齢になったら脂っこい食事は避けたほうがよい
すべて、間違っています。
- 本の長さ184ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2010/5/21
- ISBN-104062576856
- ISBN-13978-4062576857
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2010/5/21)
- 発売日 : 2010/5/21
- 言語 : 日本語
- 新書 : 184ページ
- ISBN-10 : 4062576856
- ISBN-13 : 978-4062576857
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,197,493位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,162位ブルーバックス
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年3月26日に日本でレビュー済み
2011年1月29日に日本でレビュー済み
健康で長寿の理想体型は、喫煙せず、時々飲酒し、肥満度はBMIで25〜27であり、最も生存率が低かったのは、1日40本以上喫煙し、週にアルコール300g以上飲み、BMI30以上。
つまりメタボよりも喫煙や飲酒のリスクの方が大きく、癌や循環器病予防には、肥満より禁煙や節酒が効果的なのだ。
米では3桁の体重を超える人がざらにいて、メタボも重要視されるが、日本では肥満者の割合が少なく、喫煙者・大量飲酒者は大勢おり、そちらの方が社会的意義が大きく重要となっている。
体重に関しては、ちょいメタの死亡率は、非メタに比べ、男0.54倍、女0.81倍となっており、中年期に20歳時に比べて、10Kg迄の増加するのは、代謝を落として長寿にする自然の摂理で、代謝が高いままでは短命になるのではないかと考えられる。
しかもウエストサイズは、内臓脂肪の蓄積を測る目安とされているが、皮下脂肪と異なり、CTをかけねば、体外から直接調べることはできない
そもそもメタボリックシンドロームは、内臓脂肪の蓄積を原因として生じた、高血圧・糖尿病・脂質異常を対象にしている。
しかし、コレステロールUPでも死亡率上昇は無く、日本人女性にコレステロール低下療法は殆ど不要。
男性の場合でもLDLが180m/dl未満なら治療は不要で、中性脂肪については、1000m/dl迄は薬物療法の対象としない欧米の治療ガイドラインは日本人にも適切、と著者は説く。
このようにメタボ診断は診断基準値が根拠に乏しく、それを裏付けるように日本人間ドック学会も、独自に高コレステロールの薬物治療開始基準値を定めているが、それらもメタボ基準より高く、男女・年齢差も考慮された基準値となっている。
高血圧についても、70歳以上でも治療しないと10%、すると6%の発症率しかない、つまり下げた方が良いが、何が何でも下げねばとんでもないことになる、というような不安なレベルではなく、高血圧=即、脳卒中と考えるには早計だし、日本人のように魚を多く摂れば、EPA・DHAが動脈硬化を予防する点も考慮されねばならない。
糖尿病が近年急増しているが、その理由は、年齢と共に血糖値が上昇するので、高齢化により母数は増加するのは当然であり、基準となる空腹時の血糖値の引き下げ、血糖値が下がりにくい脂肪・タンパク質の摂りすぎにより、糖尿病とされる人が増えているのである。
また糖尿病では、インシュリン注射による血糖降下よりも、血圧降下の方が効果的とも指摘する。
高齢になっても、転倒や寝たきり予防の為には、粗食ばかりでなく、動物性タンパク質を35〜40g/日摂る方が良く、女性では、コレステロールを下げすぎない(男は死亡率と明確な関係が見られなかった)、歩行速度を速く(男6000・女5000歩/日歩け)、健診は、業界の雇用確保にもなっているので即止めるのは難しいだろうが、行うなら、受診者を不安にさせるのではなく、健康に自信が持てるよう支援する形で行えとも提言する。
医療機関は、検査で診療報酬を上げねば儲けどころがないように仕組まれており、患者が検査漬けにされるのは有名な話だが、治療ガイドラインについても、作成メンバーへの、治療薬メーカーからの、医局に出入りさせて貰う為の通行量としての側面もある多額の寄付金を示し、薬を売る為に病気が作られているのではないかとの疑問も著者は呈す。
メタボ以前の健康診断も、厚労省・「最新の科学的知見に基づいた保健事業に係る調査研究」班(2005年)によると、24項目中15項目が有効性の裏付けがないと指摘されていて、「勧められる」と評価される7項目についても、効果はそれほど無いが、害にはならないからいいでしょうとのレベルで、治療の際には費用対効果を考慮すべきとされており、「強く勧められる」のは、喫煙についての問診と血圧測定の2項目だけという有様。
専門ドックも「有効性がハッキリしない」と、骨ドックを俎上に上げ、「骨密度でなく、骨質の見極めが骨粗鬆症の診断には必要」と喝破している。
PETによる癌検診でも、2005年には、国立がんセンターの内部調査で、85%の癌が見落とされていたとの報道があったぐらいで、病気を創り出す為の検査ではないかとの疑念は、私自身払拭できていないから著者に賛同するのだとも言われそうだが、日本人は皆保険制度もあるからか、何でも医師任せにし過ぎる。
本書のように懐疑的な内容の書籍も、もっと出版されてもいいものだがとも思った。
つまりメタボよりも喫煙や飲酒のリスクの方が大きく、癌や循環器病予防には、肥満より禁煙や節酒が効果的なのだ。
米では3桁の体重を超える人がざらにいて、メタボも重要視されるが、日本では肥満者の割合が少なく、喫煙者・大量飲酒者は大勢おり、そちらの方が社会的意義が大きく重要となっている。
体重に関しては、ちょいメタの死亡率は、非メタに比べ、男0.54倍、女0.81倍となっており、中年期に20歳時に比べて、10Kg迄の増加するのは、代謝を落として長寿にする自然の摂理で、代謝が高いままでは短命になるのではないかと考えられる。
しかもウエストサイズは、内臓脂肪の蓄積を測る目安とされているが、皮下脂肪と異なり、CTをかけねば、体外から直接調べることはできない
そもそもメタボリックシンドロームは、内臓脂肪の蓄積を原因として生じた、高血圧・糖尿病・脂質異常を対象にしている。
しかし、コレステロールUPでも死亡率上昇は無く、日本人女性にコレステロール低下療法は殆ど不要。
男性の場合でもLDLが180m/dl未満なら治療は不要で、中性脂肪については、1000m/dl迄は薬物療法の対象としない欧米の治療ガイドラインは日本人にも適切、と著者は説く。
このようにメタボ診断は診断基準値が根拠に乏しく、それを裏付けるように日本人間ドック学会も、独自に高コレステロールの薬物治療開始基準値を定めているが、それらもメタボ基準より高く、男女・年齢差も考慮された基準値となっている。
高血圧についても、70歳以上でも治療しないと10%、すると6%の発症率しかない、つまり下げた方が良いが、何が何でも下げねばとんでもないことになる、というような不安なレベルではなく、高血圧=即、脳卒中と考えるには早計だし、日本人のように魚を多く摂れば、EPA・DHAが動脈硬化を予防する点も考慮されねばならない。
糖尿病が近年急増しているが、その理由は、年齢と共に血糖値が上昇するので、高齢化により母数は増加するのは当然であり、基準となる空腹時の血糖値の引き下げ、血糖値が下がりにくい脂肪・タンパク質の摂りすぎにより、糖尿病とされる人が増えているのである。
また糖尿病では、インシュリン注射による血糖降下よりも、血圧降下の方が効果的とも指摘する。
高齢になっても、転倒や寝たきり予防の為には、粗食ばかりでなく、動物性タンパク質を35〜40g/日摂る方が良く、女性では、コレステロールを下げすぎない(男は死亡率と明確な関係が見られなかった)、歩行速度を速く(男6000・女5000歩/日歩け)、健診は、業界の雇用確保にもなっているので即止めるのは難しいだろうが、行うなら、受診者を不安にさせるのではなく、健康に自信が持てるよう支援する形で行えとも提言する。
医療機関は、検査で診療報酬を上げねば儲けどころがないように仕組まれており、患者が検査漬けにされるのは有名な話だが、治療ガイドラインについても、作成メンバーへの、治療薬メーカーからの、医局に出入りさせて貰う為の通行量としての側面もある多額の寄付金を示し、薬を売る為に病気が作られているのではないかとの疑問も著者は呈す。
メタボ以前の健康診断も、厚労省・「最新の科学的知見に基づいた保健事業に係る調査研究」班(2005年)によると、24項目中15項目が有効性の裏付けがないと指摘されていて、「勧められる」と評価される7項目についても、効果はそれほど無いが、害にはならないからいいでしょうとのレベルで、治療の際には費用対効果を考慮すべきとされており、「強く勧められる」のは、喫煙についての問診と血圧測定の2項目だけという有様。
専門ドックも「有効性がハッキリしない」と、骨ドックを俎上に上げ、「骨密度でなく、骨質の見極めが骨粗鬆症の診断には必要」と喝破している。
PETによる癌検診でも、2005年には、国立がんセンターの内部調査で、85%の癌が見落とされていたとの報道があったぐらいで、病気を創り出す為の検査ではないかとの疑念は、私自身払拭できていないから著者に賛同するのだとも言われそうだが、日本人は皆保険制度もあるからか、何でも医師任せにし過ぎる。
本書のように懐疑的な内容の書籍も、もっと出版されてもいいものだがとも思った。
2010年7月29日に日本でレビュー済み
本書は、日本におけるメタボ検診や健康診断の検査項目への疑問点を、一つ一つ科学的に検証している。
まず、腹囲の基準への疑問。欧米に比べて厳しすぎる基準や男性の方が女性よりも厳しすぎるウエストサイズへの疑問を提示している、そもそも腹囲を診断基準としているのは日本だけのようである。加えて、BMIで標準体重とされる値(22)よりも多少太りぎみ(23以上27未満)のほうが死亡率が低いともいう。さらに、若い頃に標準体重であっても中高年になって体重が増加した方が、ほとんど体重に変化がない人よりも健康だともいう。
また、コレステロールの基準値も低すぎると指摘している。すなわち、正常値の上限が220と定められているが、240〜260という少し高めの方が死亡率が最も低く、むしろコレステロール値の低い方が死亡率が高く問題だという。
むしろ問題は、最近の日本人はやせが増加し2005年の統計で平均摂取カロリーが1900キロカロリーであり、これはなんと戦後間もない頃の水準と同じだという。
メタボばかりを問題視するのではなく、やせに照準を合わせた健康管理も考えていくべき時ではないかと感じる。
本書で圧巻なのは、最終章で日本で普通に行われている健康診断の項目への疑問である。
2005年に厚労省の研究班が有用だとしているのは、わずか9項目。それなのになぜ、この国では時間と費用をかけて健康診断を実施しているのかわからなくなってくる。
本書ではその理由をを断定的には述べていないが、一つの要因としては、製薬業界と医師との共犯の可能性を指摘している。
世界でも有数の長寿国になったことの一つとしての功績は認めなくてはいけないが、長寿化とともに増大する医療費を考えたとき、本書が過剰な基準を見直す一つのきっかけになってほしい。
まず、腹囲の基準への疑問。欧米に比べて厳しすぎる基準や男性の方が女性よりも厳しすぎるウエストサイズへの疑問を提示している、そもそも腹囲を診断基準としているのは日本だけのようである。加えて、BMIで標準体重とされる値(22)よりも多少太りぎみ(23以上27未満)のほうが死亡率が低いともいう。さらに、若い頃に標準体重であっても中高年になって体重が増加した方が、ほとんど体重に変化がない人よりも健康だともいう。
また、コレステロールの基準値も低すぎると指摘している。すなわち、正常値の上限が220と定められているが、240〜260という少し高めの方が死亡率が最も低く、むしろコレステロール値の低い方が死亡率が高く問題だという。
むしろ問題は、最近の日本人はやせが増加し2005年の統計で平均摂取カロリーが1900キロカロリーであり、これはなんと戦後間もない頃の水準と同じだという。
メタボばかりを問題視するのではなく、やせに照準を合わせた健康管理も考えていくべき時ではないかと感じる。
本書で圧巻なのは、最終章で日本で普通に行われている健康診断の項目への疑問である。
2005年に厚労省の研究班が有用だとしているのは、わずか9項目。それなのになぜ、この国では時間と費用をかけて健康診断を実施しているのかわからなくなってくる。
本書ではその理由をを断定的には述べていないが、一つの要因としては、製薬業界と医師との共犯の可能性を指摘している。
世界でも有数の長寿国になったことの一つとしての功績は認めなくてはいけないが、長寿化とともに増大する医療費を考えたとき、本書が過剰な基準を見直す一つのきっかけになってほしい。