
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
変見自在 スーチー女史は善人か 単行本 – 2008/2/1
巷に溢れる「胡散臭さ」を一刀両断!
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2008/2/1
- ISBN-104103058722
- ISBN-13978-4103058724
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
商品の説明
出版社からのコメント
そんな熱狂的な支持を集める超辛口名物コラム「変見自在」。
大好評の前作『サダム・フセインは偉かった』に続く傑作選、
待望の第二弾。
朝日新聞の奥深い"一流紙"ぶりから、
大国の偽善にまみれた腹黒さまで──。
今回も巷に溢れる「胡散臭さ」を一刀両断。
世の中を見る目が劇的に変わります。
抜粋
昭和四十一年二月四日、札幌から東京に向かった満席のジェット
旅客機が羽田に着く直前に暗夜の東京湾で消息を絶った。乗員乗客
百三十三人全員が死亡した全日空ボーイング727型機の東京湾事
故である。
運輸省を中心に事故調査が始まる。
事故機が提出したフライトプランでは千歳からまっすぐジェット
ルート11Lを南下し霞ヶ浦を経て、さらに東京湾口まで下ってから
金谷辺りでUターンして今度は木更津に上がって東京湾を横切って
羽田に入ることになっていた。
なぜ羽田直前で回り道をするかというと羽田の西側は今もそうだ
が、米軍横田基地が航空管制権をもっていて日本の飛行機が勝手に
立ち入れない。境は多摩川に沿って敷かれる「ブルー14」だ。
平たく言えば羽田の向こう側に壁が立っている。そういう状態で
離着陸するから、こういう大回りを強いられる。
ちなみになぜ東京のすぐ後ろに米軍基地があって空を占領してい
るかというと、白人国家にとって世界で一番怖い国が依然として日
本であって、その首根っこを押さえておく必要がある。空を握って
いるのは日本が制御できなくなった瞬間、東京を制圧する海兵隊員
を沖縄から空輸するためだ。
東京湾事故に戻る。千葉まで来て東京湾口に下るまだるっこしい
ルートは、その当時の操縦士のだれもが好まなかった。空がすいて
いれば霞ヶ浦の手前で管制官の指示に従う計器飛行(IFR)をキャンセ
ルし、有視界飛行で木更津に直行する近道を取る。
実は事故機もそれをやった。有視界飛行に切り替えて木更津上空
には午後七時ごろに達している。同機はそれまでの十分間で八千メ
ートル近く降下し、地上六百メートルまで降りていた。
これほどの降下は高性能の727型機にして初めて可能だった。
尾部に三基のエンジンを積んだこの機は離陸上昇も戦闘機並みで鋭
角に雲に突っ込んでいく。降下も乗客に微塵も不安を感じさせずに
一分間に二千メートルも降りられる。この数字は操縦席の計器の針
がそこで振り切れるためだが、それより大きい数字、つまりもっと
深い降下もやってのけているといわれる。
事故機の最後の交信は同機が木更津を過ぎて間もなくの午後七時
〇分二十秒。管制官から同じルートを飛ぶ日航機が見えるかという
問いに「視認できない」と答えた。
その三十秒後の同分五十一秒、管制官が「着陸灯を点灯せよ」と
伝えたが返事はなかった。同機はその間に東京湾に落ちていた。
事故調査では関係者のだれもが727型機のずば抜けた降下能力
を注視した。実際、米国では同じ727型機がミシガン湖、ソール
トレーク、シンシナチで落ちていた。
いずれも降下率の読み違いで、思った以上に降下していて気がつ
いたらもう地面がそこにあったという状況だった。東京湾事故も暗
夜、有視界で飛んでいた機長がこの降下性能を御しきれなかった可
能性は高かった。
当時、日本最長の飛行時間をもっていた故森和人・全日空機長は
初めてこの機と出会ったときの印象を「それまで飛ばしたプロペラ
機やターボプロップとはまったく違う化け物だった」と印象を語っ
ていた。「癖を覚えてあやして乗りこなすといった職人技では通用
しない。いつもが機との真剣勝負だった」と。
ところが、大方の見方に対して異論が出た。機体欠陥説だ。根拠
は第三エンジンが墜落地点から遠くに落ちていた、客室ドアのノブ
が「開」になっていた、乗客の一人が普段はしないロザリオを首に
かけていた、などの「事実」だ。
それを追究すると事故機はあの三十秒間にまず第三エンジンのボ
ルトが折れ、火を噴き、乗員も乗客も墜落を予感した。それで乗員
がドアを開けようとし、乗客はポケットからロザリオを出して神に
祈ったというのだ。
昔、イラン軍のバスラ攻略戦に付き合い二時間近くイラク軍の攻
撃に晒された。迫撃砲は六十発まで数えた。重砲で近くの家が一瞬
で吹っ飛んだ。それを写真に撮りまくった。三十六枚撮りだった
が、あとで現像したら三枚しか写ってなかった。あの二時間、本当
は頭が真っ白になって、シャッターを押したつもりでも体が動いて
いなかったのだ。
全日空ではこの事故の五年後に雫石事故が起きる。自衛隊機が接
触、尾翼がもげて高度一万メートルから墜落した。落ちるまでの一
分弱の間に航空機関士のカーペンターが「操縦不能」を伝えたが、
二人の操縦士は一言も発していない。パニックとはそういうもの
だ。
最大で三十秒だ。何かが起きて乗員や乗客がドアを開けるとか、
ロザリオを出すとか意味のある行動を取ると考える方が非常識だ。
仮にスチュワーデスや乗客がそういう意味ある行動を取ったとし
て、なぜ二人の操縦士は黙っていたのか。道理が通らない。
しかし、それを東大航空研関係者が言い出すと朝日新聞がそれに
乗り、常識ある人の常識だった高度取り違え説を潰しにかかった。
とくにその常識を示した事故調査委に木村秀政・日大教授がいたこ
とを朝日は執拗に衝いた。「彼は全日空に727型機を推薦した機
種選定委員会のメンバーだった」という下衆の勘繰りだ。そして信
じられないことに事故は東大航空研と朝日新聞が推す「ボーイング
社の設計と製造の杜撰さに起因する機体欠陥」を強く仄めかした
「原因不明」という結論を出した。
日本の新聞と学者が出した欠陥説を あ嘲ざわうらように727
型機はその後も高性能機として売れ続け、二十年間の総生産機数は
千八百三十二機。ジャンボですら未だに追いつけないベストセラー
機になった。その間、機体欠陥や製造ミスを窺わせる事故は一件も
なかった。
事故から十余年。森機長のラストフライトに因んだ書き物で、こ
の異様な機体欠陥説についての森機長の正直な感想に触れた。
そうしたら朝日の記者が取材にやってきた。馬鹿にも分かるよう
に説明したが、それでも総合面のトップ記事で機体欠陥という朝日
の主張に逆らう暴論として森機長の意見を徹底的に批判した。
そして驚いたことに全日空はこの報道を受けて森機長を懲戒処分
としたのだ。
朝日新聞の権威に逆らう者に朝日は容赦しない。紙面を使って糾
弾し、世間もそれにひれ伏させ、朝日を怒らせた者の処罰を強い
る。朝日は神の如く無謬というわけだ。
『ビルマの竪琴』を書いた竹山道雄氏がある時点で消えた。原子力
空母エンタプライズが寄港するとき、朝日新聞の取材に氏は別に寄
港反対を言わなかった。これも常識人のもつ常識だが、それが気に
食わなかった。
朝日は紙面で執拗に因縁をつけ続けてとうとう社会的に抹殺した
と身内の平川_a0001:祐弘・東大教授が書いていた。
南京大虐殺も従軍慰安婦も沖縄集団自決も同じ。朝日が決め、毎
日新聞や中日新聞が追随し、それを否定するものには耳も貸さない
どころか、封殺する。
結局、そういう嘘が堆積していって紙面では朝鮮人も中国人もス
ーチー女史もみんな良い人になってしまい、身動きが取れない状態
に陥っている。
日本人はまだ白人国家の脅威だと書いた。それは本当で、日本人
の考え方も能力もそして何より人間としての品位もそれに敵かなう
国はない。だからこわがっている。
日本人がもつそういう力を発揮できないのは嘘っぱち情報しか並
べない新聞に責任の一端がある。
本当はだれがヘンなのか。新聞が何を隠しているのか。それを見
極める一助になれば幸せである。
二〇〇八年冬
高山正之
著者について
一九四二年生まれ。ジャーナリスト。一九六五年、東京都立大学卒業後、
産経新聞社入社。社会部デスクを経て、テヘラン、ロサンゼルス各支局
長。九八年より三年間、産経新聞夕刊一面にて時事コラム「異見自在」
を担当し、その辛口ぶりが評判となる。二〇〇一年から〇七年三月まで
帝京大学教授。 「週刊新潮」に連載中のコラム「変見自在」は熱狂的ファ
ンも多く、名物辛口コラムとして高い人気を集めている。著書に『変見
自在 サダム・フセインは偉かった』(新潮社)『歪曲報道』(PHP研究
所)『日本人が勇気と自信を持つ本』(テーミス)『世界は腹黒い』(
高木書房)などがある。
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2008/2/1)
- 発売日 : 2008/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 224ページ
- ISBN-10 : 4103058722
- ISBN-13 : 978-4103058724
- Amazon 売れ筋ランキング: - 230,016位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 7,097位エッセー・随筆 (本)
- - 38,617位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
内容は期待を裏切らない構成で、その潔い主張は聞いていて気持ちの良いものです。
普段のメディアがいかに偏向した報道に陥っているかを物語っていると思います。
本著でもこれまでのイメージとは違った視点から見ることができて、
とても興味深い内容でした。
スーチー氏は、父を殺した一方で、
祖国を破壊したイギリスに忠誠を誓い、
祖国を非難したという内容も含まれています。
メディアではあまり報じられませんでしたが、
2016年にはスーチーのロヒンギャ問題に対する差別的な発言をめぐり、「
ノーベル平和賞を取り消せ」という署名キャンペーンが行なわれたことも言及されています。
この本では、特に、「領事館は冷酷無知」が面白かったというか、悲しい気持ちになった。これは、ひと昔前の話だから、今はましになっていることを祈るばかりだ。
客観性はともかくとして個人的にはこうした観点のものの見方はかなり好きです。
ネトウヨ、似非右翼に是非読んで貰いたい。
ちょっとどぎついぐらいが、左派ばかりのマスコミでは小気味いい。
内容が全面的に正しいかどうかは検証がいるが、検証なしに嘘で塗り固めたニュースを垂れ流す朝日・NHKとバランスをとるにはこれでも足りないぐらいだ。
平成も23年になれば、マスコミのインチキ、民主党菅直人の胡散臭さに誰もが気づいているが、6年前からシンガンスの件でキッチリと三下り半を叩きつけている。
日本人が中国人並に嘘を付き、恩を仇で返すような精神に落ちぶれていくことを嘆く。
御用学者を使い捨てて反日報道を繰り返す朝日を徹底的にこき下ろす。
日本の歴史も知らないで、小学生に英語を教えて何になる。白人国家やイスラム原理主義の女性差別の酷さを知らずに、日本は遅れた男尊女卑の国なんて嘘つくな。
アメリカの映画で日本軍が病院を爆撃するシーンがあるが、そんな事実はない。日本軍は赤子を銃剣で突き刺したなどという嘘をいう隣の国とメンタリティが似ているのか?
世の中の毒に毒舌で対抗する''山氏から目が離せない。