私は、生存率が低い癌だと医師に告知され、当時、真っ白になりました。まさか自分が癌にかかるとは夢にも思わなかったので、人生に愕然としました。術後動けなくなったときにこのような本を探しまくりました。
著者が友達として、難病で苦しんでいる自分の友達を長年サポートしてきた体験談を元に、人はどうやって難病を克服できるのかを、具体的にお話して下さっているのでとても説得力があります。
私は、5年生存率0%と言う極めて稀ながんの手術に控えて、なにもかもから逃げ出したくなりました。
それまで今までどんな困難にあっても一度も逃げてきたことのない私にとって、逃げる事と言うのは、非常に勇気のいることでした。
それから10年が経ちます。おかげさまで私はこうしてレビューを書いています。しかし手術から長い間、ずっと苦しい思いをしてきました。
私は、ずっとこのような難病を本当に乗り越えたという実話の本を探していました。本書を読み私の心が非常に楽になりました。
著者に感謝を申し上げます。

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満月をきれいと僕は言えるぞ 単行本(ソフトカバー) – 2010/12/20
突然脳幹出血で倒れ、「植物状態」と宣告された特別支援学校教諭の宮田俊也さん。
しかし、どんな状況に陥っても人は絶対に意思を持っていると疑わない元同僚の山元加津子さんは、「レッツ・チャット」などの意思伝達装置を駆使し、ついに――。
しかし、どんな状況に陥っても人は絶対に意思を持っていると疑わない元同僚の山元加津子さんは、「レッツ・チャット」などの意思伝達装置を駆使し、ついに――。
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社三五館
- 発売日2010/12/20
- ISBN-104883205223
- ISBN-13978-4883205226
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商品の説明
著者からのコメント
「近視の人がメガネをするように、意思を伝えられない人が当たり前のように意思伝達装置を使えるようにしたい!」
「このほんでだれもがいいたいことがあるとわかってください としや」
「このほんでだれもがいいたいことがあるとわかってください としや」
出版社からのコメント
「ゲラを読んで泣いたのなんてはじめてです! 間違いなく今年度NO.1の感動作です!」(編集部S)
朝日新聞、東京新聞、中日新聞等で大々的に紹介されて大きな反響を生んだ、涙なしでは語れない感動のエピソード。
朝日新聞、東京新聞、中日新聞等で大々的に紹介されて大きな反響を生んだ、涙なしでは語れない感動のエピソード。
著者について
宮田俊也(みやた としや)
1967年金沢市生まれ。愛称宮ぷー。
特別支援学校国語教諭、現在休職中。
山元加津子さんを地元で支援して7年目の
2009年2月20日に脳幹出血で倒れる。
釣り好きで、パソコンが得意。
1967年金沢市生まれ。愛称宮ぷー。
特別支援学校国語教諭、現在休職中。
山元加津子さんを地元で支援して7年目の
2009年2月20日に脳幹出血で倒れる。
釣り好きで、パソコンが得意。
山元加津子(やまもと かつこ)
1957年金沢市生まれ。愛称かっこちゃん。
特別支援学校の教諭で、作家。
「すべてのことは、いつかのいい日のためにある」
という信条のもと、宮ぷーの妹さんと共に、
宮ぷーを支える日々。
登録情報
- 出版社 : 三五館 (2010/12/20)
- 発売日 : 2010/12/20
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 240ページ
- ISBN-10 : 4883205223
- ISBN-13 : 978-4883205226
- Amazon 売れ筋ランキング: - 853,669位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 103,486位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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石川県金沢市生まれ
映画「1/4の奇跡」「宇宙の約束」「僕のうしろに道はできる」に出演。
映画「銀河の雫」はじまりはひとつ・・・を初監督する。
現在、http://shirayukihime-project.netで、「白雪姫プロジェクト」で、すべての人に気持ちがあり、もっと気持ちを伝えられると意思伝達の方法や装置を広めたい、また重い意識障害の方も回復の可能性があるということを広めたいと活動しています。
作ることが大好き。旅が大好き。人が大好き。
山元加津子のホームページは
https://kakkochannopage.wixsite.com/mysite
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年11月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2011年1月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本に出会えてよかった。
この本は扉を開くと広くて奥が深い宇宙が広がっています。
どのページからも大切なことが得られ、生きるエネルギーが送られてきます。
脳幹出血を患った宮ぷーと彼の回復を信じ、わずかなサインから、
彼に意識があることを見出し、それを表出する手立てをさまざまに
工夫し試みる、元同僚であり親友であるかっこちゃん(山元加津子さん)。
「今、必要なこと」「今、出来ること」を考え、適切なリハビリを
行い、精神的にも気持ちを受け取るばかりでなく、ときには叱咤激励
して、喝を入れるかっこちゃん。
宮ぷーの生きようとするエネルギーに呼応し、それを増幅して還すかっこちゃん。
かっこちゃんのエネルギーに呼応して、それを増幅して還す宮ぷーさん。
かっこちゃんは、この営みをひとりじめにせず、メルマガで多くの人と共有してくださいました。
悩んだり、困ったりする自分の弱さも惜しげもなく差し出してくださいました。
二人のリハビリ過程からいただくエネルギーに呼応して、メルマガの読者から、
エネルギーが還っていく。
そのエネルギーは宮ぷーの驚異的な回復へ還っていくばかりでなく、
メルマガ読者の多くの人々にエネルギー・ウェーブとなって
還っていき、あちこちで奇跡が起こっていくのです。みんなはひとつ、と実感するのです。
そういった部分と、意思伝達がうまくいかない人々をひとりでも
掬いたい思いから、p193からp211はかっこちゃんのHPから生まれた
「おはなしノート」とパナソニックで製造継続が決まった レッツチャットを
初め、さまざまな意志伝達装置、伝達方法を 紹介してくださっています。
そして宮ぷーがそのレッツチャットを使って綴った毎日のつぶやき、そして
「だれもがいいたいことがあるとわかってください」という宮ぷーの言葉。
かっこちゃんは言います。「ただ知らないというだけのために、
たとえ一日であっても、気持ちを伝えられずに居る方がおられる・・・
そのことがどうしても嫌なのです」と。
私もこの本に秘かに救われた者の一人です。
闇を照らす満月のような、この本に出会えたことを感謝します。
この本は扉を開くと広くて奥が深い宇宙が広がっています。
どのページからも大切なことが得られ、生きるエネルギーが送られてきます。
脳幹出血を患った宮ぷーと彼の回復を信じ、わずかなサインから、
彼に意識があることを見出し、それを表出する手立てをさまざまに
工夫し試みる、元同僚であり親友であるかっこちゃん(山元加津子さん)。
「今、必要なこと」「今、出来ること」を考え、適切なリハビリを
行い、精神的にも気持ちを受け取るばかりでなく、ときには叱咤激励
して、喝を入れるかっこちゃん。
宮ぷーの生きようとするエネルギーに呼応し、それを増幅して還すかっこちゃん。
かっこちゃんのエネルギーに呼応して、それを増幅して還す宮ぷーさん。
かっこちゃんは、この営みをひとりじめにせず、メルマガで多くの人と共有してくださいました。
悩んだり、困ったりする自分の弱さも惜しげもなく差し出してくださいました。
二人のリハビリ過程からいただくエネルギーに呼応して、メルマガの読者から、
エネルギーが還っていく。
そのエネルギーは宮ぷーの驚異的な回復へ還っていくばかりでなく、
メルマガ読者の多くの人々にエネルギー・ウェーブとなって
還っていき、あちこちで奇跡が起こっていくのです。みんなはひとつ、と実感するのです。
そういった部分と、意思伝達がうまくいかない人々をひとりでも
掬いたい思いから、p193からp211はかっこちゃんのHPから生まれた
「おはなしノート」とパナソニックで製造継続が決まった レッツチャットを
初め、さまざまな意志伝達装置、伝達方法を 紹介してくださっています。
そして宮ぷーがそのレッツチャットを使って綴った毎日のつぶやき、そして
「だれもがいいたいことがあるとわかってください」という宮ぷーの言葉。
かっこちゃんは言います。「ただ知らないというだけのために、
たとえ一日であっても、気持ちを伝えられずに居る方がおられる・・・
そのことがどうしても嫌なのです」と。
私もこの本に秘かに救われた者の一人です。
闇を照らす満月のような、この本に出会えたことを感謝します。
2011年1月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
どんな人でも必ず思いを持っていて、誰もが伝えたい気持ちを持っていること。そして、たとえ事故や病気などで自分の意思を他の人に伝えられない状態でも、それを伝える方法や装置がたくさんあるということがこの本を読むとよく分かります。
著者の一人の宮田俊也さん(宮ぷー)は脳幹出血という深刻な状況から一命をとりとめ奇跡的な回復をとげます。
そこにはもう一人の著者である宮田さんの親友の山元加津子さん(かっこちゃん)とのたくさんの感動的なドラマがありました。
そして最初は宮ぷーのことを応援してもらおうとかっこちゃんがはじめたメールマガジンがいつの間にかたくさんの人に勇気や元気を与えるメッセージになっていきます。
さらに、身体が不自由なため自分の意思を伝えるのが難しい宮ぷーの気持ちをなんとかかっこちゃんが汲み取ろうとしている様子を読んで、メルマガの読者にも今まで気持ちを伝える手段のなかった身内と意思を通い合わせられるようになる奇跡の連鎖が次々と起きていきました。
植物状態のような人だったり自分の意思を伝えられなくなった人はもうまともな心は持っていないと多くの人が考えているのが現状かもしれません。
でも、それは違うよ、みんな気持ちを持っているし、工夫すればそれを伝えられるし分かるようになるんだよとこの本は伝えてくれています。
一人でもたくさんの人にそんな事実を知ってもらいたいと思います。
そして、いつかはそういうことを世界中の人が当り前に知っている世の中になったらいいなと思います。
著者の一人の宮田俊也さん(宮ぷー)は脳幹出血という深刻な状況から一命をとりとめ奇跡的な回復をとげます。
そこにはもう一人の著者である宮田さんの親友の山元加津子さん(かっこちゃん)とのたくさんの感動的なドラマがありました。
そして最初は宮ぷーのことを応援してもらおうとかっこちゃんがはじめたメールマガジンがいつの間にかたくさんの人に勇気や元気を与えるメッセージになっていきます。
さらに、身体が不自由なため自分の意思を伝えるのが難しい宮ぷーの気持ちをなんとかかっこちゃんが汲み取ろうとしている様子を読んで、メルマガの読者にも今まで気持ちを伝える手段のなかった身内と意思を通い合わせられるようになる奇跡の連鎖が次々と起きていきました。
植物状態のような人だったり自分の意思を伝えられなくなった人はもうまともな心は持っていないと多くの人が考えているのが現状かもしれません。
でも、それは違うよ、みんな気持ちを持っているし、工夫すればそれを伝えられるし分かるようになるんだよとこの本は伝えてくれています。
一人でもたくさんの人にそんな事実を知ってもらいたいと思います。
そして、いつかはそういうことを世界中の人が当り前に知っている世の中になったらいいなと思います。
2011年1月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
命さえ助からないと言われた宮ぷーが、奇跡的な回復を続け
自分の気持ちを自分のことばで伝えることができるようになっている。
レッツ・チャットという機械を通して伝えられる宮ぷーのことばは
本当の自分の気持ちがぎっしり詰まっている。
私は本当の自分の気持ちを、きちんと相手に伝えることをしているだろうか。
宮ぷーのシンプルで純粋な言葉は、わかりやすくストレートに心に響く。
私も宮ぷーを見習います。
かっこちゃんと宮ぷーのやりとり。
時には面白く、時には辛く、それでもいつも勇気をもたらしてくれる。
大切な一冊になりました。
息子にもプレゼントしようと思います。
素敵な本をありがとうございます。
自分の気持ちを自分のことばで伝えることができるようになっている。
レッツ・チャットという機械を通して伝えられる宮ぷーのことばは
本当の自分の気持ちがぎっしり詰まっている。
私は本当の自分の気持ちを、きちんと相手に伝えることをしているだろうか。
宮ぷーのシンプルで純粋な言葉は、わかりやすくストレートに心に響く。
私も宮ぷーを見習います。
かっこちゃんと宮ぷーのやりとり。
時には面白く、時には辛く、それでもいつも勇気をもたらしてくれる。
大切な一冊になりました。
息子にもプレゼントしようと思います。
素敵な本をありがとうございます。
2011年1月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
もし、わたしの大切なひとがある日突然倒れてしまったら…
わたしは、かっこちゃんのように、明るく「だいじょうぶ」ってお医者さんに言えるだろうか?
かっこちゃんを知って10年以上経つけれど、あのほわほわほわってしたやわらかいかっこちゃんのどこに
こんなにもパワーがあるんだろうって
いつもいつも驚かされます。
それは、人を動かす力、人の心をゆり動かす力、人を元気にする力、信じることをあきらめない前向きにさせてくれる力…
とても書ききれないくらいの力がかっこちゃんにはあります。
それが、宮ぷーのお顔の写真の変化に出ている気がします。
どんどん表情が輝いてくるのがわかります。
この本を読んで、宮ぷーとかっこちゃんに元気をもらいましょう!
そして、自分の周りの人を元気にしてあげましょう!
わたしは、かっこちゃんのように、明るく「だいじょうぶ」ってお医者さんに言えるだろうか?
かっこちゃんを知って10年以上経つけれど、あのほわほわほわってしたやわらかいかっこちゃんのどこに
こんなにもパワーがあるんだろうって
いつもいつも驚かされます。
それは、人を動かす力、人の心をゆり動かす力、人を元気にする力、信じることをあきらめない前向きにさせてくれる力…
とても書ききれないくらいの力がかっこちゃんにはあります。
それが、宮ぷーのお顔の写真の変化に出ている気がします。
どんどん表情が輝いてくるのがわかります。
この本を読んで、宮ぷーとかっこちゃんに元気をもらいましょう!
そして、自分の周りの人を元気にしてあげましょう!
2016年9月20日に日本でレビュー済み
どんな人でも相手の立場になって考える事。そういうことの大切さを脳幹出血で倒れた本人、生活介助をしている人の立場から書かれている。
人間はコミュニケーションすることで初めて自分を認識できるのかな、と思った。
寝たきりの人がいる人はもちろん、他人に自分の意思を伝えるという尊さを知りたい人にはオススメの本です。
人間はコミュニケーションすることで初めて自分を認識できるのかな、と思った。
寝たきりの人がいる人はもちろん、他人に自分の意思を伝えるという尊さを知りたい人にはオススメの本です。
2011年1月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「ロックト・イン・シンドローム」をご存じですか?
日本語で閉じ込め症候群と言われています。思いをしっかりと持っていながら、体のどこも動かないために、自分の思いを伝達する方法がなく、心が閉じ込められた状態です。本書の著者の一人である宮田俊也さん(宮ぷー)は、2009年2月20日突然脳幹出血で倒れ、ロックト・イン・シンドロームに陥りました。本書のもう一人の著者は、宮ぷーの同僚で親友の山元加津子さん(かっこちゃん)。二人とも石川県の特別支援学校の教員です。かっこちゃんは、植物状態となった宮ぷーさんに寄り添い、宮ぷーの意思をレッツ・チャットという意思伝達装置を用いて引き出していきます。どんな状況も「すべてのことはいつかのいい日のためにあるんだ」という「宇宙の約束」として受け止めて、あきらめません。
本書では、宮ぷーが脳幹出血で倒れてからの日々の様子やブログでのつぶやき、気持ちを伝える方法や意思伝達装置に関する様々な情報と工夫が写真入りで詳しく説明されています。また、かっこちゃんは、「おはなしノート」というイラスト入りのコミュニケーションエイドの開発も行っています。本書の第7章をお読みください。
私は知的な障害を抱えた娘の母親として、かっこちゃんの「子どもたちは、どんなに障害が重くても、必ずだれもが思いを持っていて、だれもが思いを伝えたいのだということを教えてくれる。あきらめなければ思いを伝えあえる方法はきっと見つけられる」という特別支援学校の教員としての思いを頼もしく思います。本書の副題ともなっている「意思伝達大作戦」は、宮ぷーのためにとどまらず、多くの意思を伝えられない存在に開かれているのです。
この本の圧巻は、生産停止となったレッツ・チャットの事業が、パナソニック・グループに引き継がれたことではないでしょうか? レッツ・チャットが生産停止となった時、かっこちゃんはメルマガやブログを通して、生産続行へ向けての署名のお願いを発信します。ただお願いを発信するだけでなく、なぜ、レッツ・チャットが必要なのかを分かりやすく解き明かし、さらに、「署名といっしょに社長さんへのお手紙を書いてくださいませんか?」と呼びかけます。かっこちゃんの思いには並々ならぬものがあります。レッツ・チャットの存在を多くの人に知らしめただけでなく、その思いが共感を得て、多くの署名が集まりました。そして、この不況下、パナソニックの経営者の心を動かしたのです。
『満月をきれいと僕は言えるぞ』という本書のタイトルは、宮ぷーがレッツ・チャットを用いて語ったことばです。何とすてきなことばでしょう! 奇跡的な回復を成し遂げた宮ぷーの思いが美しく結晶しているように思いました。
「このほんでだれもがいいたいことがあるとわかってください。としや」
宮ぷーの願いは、本書を集約するようなことばではないでしょうか? 誰もが、何らかの原因で意思が伝えられなくなる可能性があります。「近視の人がメガネをするように、意思を伝えられない人が当たり前のように意思伝達装置を使えるようにしたい」という、かっこちゃんがこの本を書いた目的に深く共感します。あなたも、本書を読んで、意思伝達大作戦の仲間になりませんか?
日本語で閉じ込め症候群と言われています。思いをしっかりと持っていながら、体のどこも動かないために、自分の思いを伝達する方法がなく、心が閉じ込められた状態です。本書の著者の一人である宮田俊也さん(宮ぷー)は、2009年2月20日突然脳幹出血で倒れ、ロックト・イン・シンドロームに陥りました。本書のもう一人の著者は、宮ぷーの同僚で親友の山元加津子さん(かっこちゃん)。二人とも石川県の特別支援学校の教員です。かっこちゃんは、植物状態となった宮ぷーさんに寄り添い、宮ぷーの意思をレッツ・チャットという意思伝達装置を用いて引き出していきます。どんな状況も「すべてのことはいつかのいい日のためにあるんだ」という「宇宙の約束」として受け止めて、あきらめません。
本書では、宮ぷーが脳幹出血で倒れてからの日々の様子やブログでのつぶやき、気持ちを伝える方法や意思伝達装置に関する様々な情報と工夫が写真入りで詳しく説明されています。また、かっこちゃんは、「おはなしノート」というイラスト入りのコミュニケーションエイドの開発も行っています。本書の第7章をお読みください。
私は知的な障害を抱えた娘の母親として、かっこちゃんの「子どもたちは、どんなに障害が重くても、必ずだれもが思いを持っていて、だれもが思いを伝えたいのだということを教えてくれる。あきらめなければ思いを伝えあえる方法はきっと見つけられる」という特別支援学校の教員としての思いを頼もしく思います。本書の副題ともなっている「意思伝達大作戦」は、宮ぷーのためにとどまらず、多くの意思を伝えられない存在に開かれているのです。
この本の圧巻は、生産停止となったレッツ・チャットの事業が、パナソニック・グループに引き継がれたことではないでしょうか? レッツ・チャットが生産停止となった時、かっこちゃんはメルマガやブログを通して、生産続行へ向けての署名のお願いを発信します。ただお願いを発信するだけでなく、なぜ、レッツ・チャットが必要なのかを分かりやすく解き明かし、さらに、「署名といっしょに社長さんへのお手紙を書いてくださいませんか?」と呼びかけます。かっこちゃんの思いには並々ならぬものがあります。レッツ・チャットの存在を多くの人に知らしめただけでなく、その思いが共感を得て、多くの署名が集まりました。そして、この不況下、パナソニックの経営者の心を動かしたのです。
『満月をきれいと僕は言えるぞ』という本書のタイトルは、宮ぷーがレッツ・チャットを用いて語ったことばです。何とすてきなことばでしょう! 奇跡的な回復を成し遂げた宮ぷーの思いが美しく結晶しているように思いました。
「このほんでだれもがいいたいことがあるとわかってください。としや」
宮ぷーの願いは、本書を集約するようなことばではないでしょうか? 誰もが、何らかの原因で意思が伝えられなくなる可能性があります。「近視の人がメガネをするように、意思を伝えられない人が当たり前のように意思伝達装置を使えるようにしたい」という、かっこちゃんがこの本を書いた目的に深く共感します。あなたも、本書を読んで、意思伝達大作戦の仲間になりませんか?
2014年5月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
心があたたかくなって、私も家族に大好きだよ!って言いたくなりました。
素敵な本をありがとうございます。
素敵な本をありがとうございます。