この本は、
過去にAERA誌に掲載した「犬の殺処分」関連の記事を、大幅に改編・加筆して1冊に仕上げたものです。
ちなみに、著者は、AERA誌の記者です。
殺処分される犬に関わる人間は、
「ペット業界(ブリーダー、ショップ etc)」「飼主」「行政(保健所、愛護センター etc)」の3者になります。
。。。この本の特筆すべき点は、「ペット業界」にメスを入れている点です。
日本特有のオークションを中間にはさむ流通過程(「ブリーダー」→「オークション」→「ショップ」)が、
悪徳ブリーダーの温床、幼い子犬の出荷、出荷履歴を追えない etcの弊害を引き起こしていることが書かれています。(いわば、構造的問題)
また、衝動買いに追い込む「抱っこ商法」、アフターフォローの無い「移動販売」(ペット博etc)など、個別論点も記述されています。
行政については、殺処分はもちろんのこと、不要犬回収についての記述もあります。
不要犬回収とは、決まった日時・場所に、飼主が不要犬を連れて行き、トラックが不要犬を回収するという行政サービス(?)です。
「燃えるゴミの日」ならぬ、「捨て犬の日」です。
その他、「ペット先進国・ドイツについてのレポート」「動物愛護法改正について」も掲載。
本書は、「ペット業界」「行政」、付随的に「飼主(or ペットを買う客)」という形で、3者について記載されており、
それぞれに「いい例(熊本市etc)」「悪い例」が紹介されている点が、いいと思います。
また、「大変豊富な資料」、主観に寄り過ぎない「ジャーナリストとしての視点」がシッカリと据えられている点が、素晴らしいです。
「日本は、ペット超後進国」と言われている分、「動物愛護未満の内容」「世間一般に通じる内容」が多いと感じました。
是非、1人でも多くの方に、読んでいただきたいです。
* オークション経由で流通される犬は、全体の約50%を占めるようです。
* 実際に、ショップ数店舗 & HPを見てみましたが、かなりバラつきがあり「玉石混交」状態と感じました。注記しておきます。
(P.S.)
保健所リピーターとか、異常繁殖業者とか。。。ただの「変態」じゃないんですか?
日本の動物愛護法は、実質、何を愛護しているのでしょうか?

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犬を殺すのは誰か ペット流通の闇 単行本 – 2010/9/17
太田 匡彦
(著)
年間約8万匹の捨て犬が殺処分されている。その背景には、オークションを中心とする日本独特のペット流通がある。「売り時」を逃した犬を処分する業者と、ゴミのように回収する行政。アエラ記者が「命の衝動買い」のツケを告発する。
- 本の長さ176ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2010/9/17
- ISBN-104022507918
- ISBN-13978-4022507914
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登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2010/9/17)
- 発売日 : 2010/9/17
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 176ページ
- ISBN-10 : 4022507918
- ISBN-13 : 978-4022507914
- Amazon 売れ筋ランキング: - 735,991位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
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2011年11月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2020年7月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
非常に良いとの事だったので購入して届いた所、擦れや傷があり連絡したら誠実な対応をして頂きました。
2018年7月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
犬と暮らしている人も、またそうでない人も、知ってほしい日本のペット業界の闇。
太田さんの努力に感謝します。
一つだけきになるのは…犬をもう人間の手で作り出すことをやめようという提言もしてほしかったです。
そうすると取材もなかなかできないのかもしれませんが…。多くの犬が殺処分がされ、また、殺処分ゼロをうたってひどい環境の中で生き殺しのような状態の犬が多くいる中、犬をどんどん産み出すことを規制すべき。
優秀なブリーダー?犬を本当に愛しているブリーダー?果たしてどれだけいるのでしょうか。私なら、これだけ犠牲になっている犬が多くいるのに、ブリーダーになる道なんて選びません。人間のエゴです。
あえて消費者といいますが、消費者が賢くならないといけない。真実を知らないといけないと思います。
この本は、多くの真実を明らかにしてくれました。犬を迎えるなら絶対保護犬にします。
太田さんの活動を心から応援しています。
太田さんの努力に感謝します。
一つだけきになるのは…犬をもう人間の手で作り出すことをやめようという提言もしてほしかったです。
そうすると取材もなかなかできないのかもしれませんが…。多くの犬が殺処分がされ、また、殺処分ゼロをうたってひどい環境の中で生き殺しのような状態の犬が多くいる中、犬をどんどん産み出すことを規制すべき。
優秀なブリーダー?犬を本当に愛しているブリーダー?果たしてどれだけいるのでしょうか。私なら、これだけ犠牲になっている犬が多くいるのに、ブリーダーになる道なんて選びません。人間のエゴです。
あえて消費者といいますが、消費者が賢くならないといけない。真実を知らないといけないと思います。
この本は、多くの真実を明らかにしてくれました。犬を迎えるなら絶対保護犬にします。
太田さんの活動を心から応援しています。
2018年5月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私自身、動物愛護家であり可能な範囲内で猫の保護活動などをしたことがあります。
動物愛護活動を個人がやるのは難しい部分もありますが社会問題に個人が取り組むときに大事なのは「できることからはじめる」です。
このレビューが動物達の明るい未来をつくる一票になりますように。
本自体は読みやすく、データの少ない事柄も理論的にかつ数値的な説明がありわかりやすいものであり、わんちゃんの辛いさっ処分が文面にて再現されるも希望が持てる一冊だった。
動物愛護活動を個人がやるのは難しい部分もありますが社会問題に個人が取り組むときに大事なのは「できることからはじめる」です。
このレビューが動物達の明るい未来をつくる一票になりますように。
本自体は読みやすく、データの少ない事柄も理論的にかつ数値的な説明がありわかりやすいものであり、わんちゃんの辛いさっ処分が文面にて再現されるも希望が持てる一冊だった。
2014年3月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現状を知ってもらうのは、とても良いことですが、特定のペット会社をまだましみたいな内容って、残念。
だって、ブリーダーから直接買うって、そのブリーダーみんなオークションに出してるやつらですよ、現実は。
だって、ブリーダーから直接買うって、そのブリーダーみんなオークションに出してるやつらですよ、現実は。
2018年3月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
個人的な感情少なく事実がよくまとまっているのでとても良い
動物愛護関連の本は他にもたくさんあるがとりあえずこれ一冊読んでおけば読む必要なし
動物愛護関連の本は他にもたくさんあるがとりあえずこれ一冊読んでおけば読む必要なし
2019年10月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中身はわかりやすく、問題定義されていて本当に良かったです。
梱包も丁寧で、よごれもなく、気持ちよく読めました。
ありがとうございました
梱包も丁寧で、よごれもなく、気持ちよく読めました。
ありがとうございました
2017年11月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ポーランドツアーはそこそこ人気のようで,メジャーな国々を観光すると,その次は東ヨーロッパにも興味がわくらしい.また,まじめなが親子が「はじめての海外旅行」でポーランドを選んでいるのをよくみかける.おおくの日本人観光客のポーランド旅行の目玉は,「アウシュビッツ」なのだ.「人類の過ち」をこの目でみたい.「二度とこのようなことをしてはならない」と,たいへん熱心なまなざしで見学しているらしい.
ところが,その当事者だった国をはじめとした先進各国で,現代日本が「アウシュビッツ」のようだと非難されていることを,このひとたちのほとんどが忘れているか,意識していない.
国民意識が政治に反映されるのが民主主義の原則だから,国家が国民意識を先回りすることはできない.だから,動物保護法の改定問題も,この原則にしたがう.
本書は,悪徳ブリーダーやペットオークション,ペットショップの実態を丁寧に追っているが,問題の「子犬」を欲しがる消費者の「お気軽さ」についての告発が少ないという印象だ.消費者である国民の無関心とお気軽さこそが,根本問題なのだ.
その次の問題が,政治制度の貧困である.これも国民意識が反映される.しかし,国会が国民の代表による会議体であるから立法府なのだというあたりまえの機能が,かなり毀損していることもわかる.議員立法がなぜ全会一致でなければならないのか?いつから,このような「慣習」が国会にできたのか?学校では教えてくれまい.
「前回の改定の経緯がわからない」という環境省の役人は,ある意味正しい.行政府としては,立法の事情など関係ないからだ.ところが,行政府の役人が立法の原案を書くのがふつう,という立場にたてば,「わからない」では済ませられなくなる.ここにも大きなねじれがある.この国は「三権分立」していない.
国会内における「立法」支援のための事務局は貧弱である.それゆえ,議員も行政府の役人が立法のための原案作りをすることに疑義をはさまない.しかし,本書にあるとおり,それをご都合主義的に「調べが足らない」とか「科学的根拠に欠ける」といった言いがかりも可能にするのだ.しかし,そんな「業界寄り」の議員も,結局は国民意識から当選してくるのだ.
これから,猛スピードで国民が高齢化するこの国で,飼育放棄される動物の数は増えるにちがいない.それは,国民意識の希薄さからやってくるので,この問題だけでなく,あらゆる場面で不都合なことが起きる.そして,その解決を安直に国家や行政に依存すれば,間違いなく「隷従」させられることになるだろう.少数の現役世代からみれば,お荷物でしかない「高齢者」を,「敬老」でなく「蔑老」の目で見はじめたら,本当に処分の対象にされるかもしれない.それはもはや昔話やSFの世界ではなく,現実になる可能性があるのだ.これこそが,「因果応報」である.
ところが,その当事者だった国をはじめとした先進各国で,現代日本が「アウシュビッツ」のようだと非難されていることを,このひとたちのほとんどが忘れているか,意識していない.
国民意識が政治に反映されるのが民主主義の原則だから,国家が国民意識を先回りすることはできない.だから,動物保護法の改定問題も,この原則にしたがう.
本書は,悪徳ブリーダーやペットオークション,ペットショップの実態を丁寧に追っているが,問題の「子犬」を欲しがる消費者の「お気軽さ」についての告発が少ないという印象だ.消費者である国民の無関心とお気軽さこそが,根本問題なのだ.
その次の問題が,政治制度の貧困である.これも国民意識が反映される.しかし,国会が国民の代表による会議体であるから立法府なのだというあたりまえの機能が,かなり毀損していることもわかる.議員立法がなぜ全会一致でなければならないのか?いつから,このような「慣習」が国会にできたのか?学校では教えてくれまい.
「前回の改定の経緯がわからない」という環境省の役人は,ある意味正しい.行政府としては,立法の事情など関係ないからだ.ところが,行政府の役人が立法の原案を書くのがふつう,という立場にたてば,「わからない」では済ませられなくなる.ここにも大きなねじれがある.この国は「三権分立」していない.
国会内における「立法」支援のための事務局は貧弱である.それゆえ,議員も行政府の役人が立法のための原案作りをすることに疑義をはさまない.しかし,本書にあるとおり,それをご都合主義的に「調べが足らない」とか「科学的根拠に欠ける」といった言いがかりも可能にするのだ.しかし,そんな「業界寄り」の議員も,結局は国民意識から当選してくるのだ.
これから,猛スピードで国民が高齢化するこの国で,飼育放棄される動物の数は増えるにちがいない.それは,国民意識の希薄さからやってくるので,この問題だけでなく,あらゆる場面で不都合なことが起きる.そして,その解決を安直に国家や行政に依存すれば,間違いなく「隷従」させられることになるだろう.少数の現役世代からみれば,お荷物でしかない「高齢者」を,「敬老」でなく「蔑老」の目で見はじめたら,本当に処分の対象にされるかもしれない.それはもはや昔話やSFの世界ではなく,現実になる可能性があるのだ.これこそが,「因果応報」である.