RENAISSANCE (ルネッサンス):クラシック・オペラと、フォーク/プログレッシヴ・ロックが融合した伝説のグループ。クラシック・オペラを学んだ歌姫:アニー・ハズラムを迎えた3rd.アルバムから人気が上昇。本作はその代表作と言われる。1977年の通算7枚目(1976年のライヴは除く)。
オープニング「Can You Hear Me? (私の声が聞こえますか?)」は、いきなり13分にも及ぶ大作だ。何かが迫ってくるようなイントロから、かすかに聞こえてくるピアノの音。そこに多重コーラスが被さり、オーケストラを従えた壮大な演奏がスタートする。アニーの歌が始まるまでが3分もある構成は商業向きとは言えないが、楽曲の素晴らしさから徐々にファンを掴んで行った。緩急を自在に操るアレンジ力。散りばめられた旋律の数々。圧巻である。
錬金術師を歌った「マイダス・マン (ミダスの誘惑)」は、憂いを湛えた曲。美しすぎて、少し怖いくらいの迫力がある。「黄金だ!男は聴衆に向かって言った…」という歌い出しはまさに古典(クラシック)。現代のバンドにこんな曲が作れるだろうか?
「The Captive Heart (魅せられた心)」ではジョン・タウトのピアノがメインを務める。「愛すること」を普遍的な言葉で歌った詞は繊細で気品に溢れている。
不思議な森に誘い込まれたような、或いは童話か物語の世界に囚われてしまったような、錯覚をおぼえるこの世界観は、他のどんなアーティストとも異なっている。ヒットチャートでNo.1を獲ったことは一度もないが、30年経っても色褪せない、伝説のグループである。