内容よりまず、訳語が堅い、若干ですが、読みにくいことは否めません。
前半は2006年のW杯について。ジーコを一監督として尊重するけれど、
といった論調で進んでいくが、所々で手厳しい批判。感情的なものでなく
哲学、戦術的な指摘でありおもしろい。そして、中田英についても。
後半部分は、オシム氏の印象やオシムの目指すサッカーについて。
この本の出版するタイミングがタイトルの割には早かったのではという
印象をうけました。それはアジアカップなどの大会前で、オシムジャパン
の形が明確に形成される前に、それを評価しているため、出版当時はよか
ったであろうが、今読むと内容が遅れているように感じてしまうのが残念。
トルシエ氏は日本サッカー界のことをまだ真剣に考えてくれていて嬉しく
なった。

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オシムジャパンよ! 日本サッカーへの提言 (アスキー新書 011) 新書 – 2007/5/10
フィリップ・トルシエ
(著)
トルシエにしかわからないオシムの真意とは?
元サッカー日本代表監督が現監督を鋭く分析。
ジーコジャパン惨敗の問題点、オシムジャパンの課題、マスコミが触れられない核心を大いに語ります。
元サッカー日本代表監督が現監督を鋭く分析。
ジーコジャパン惨敗の問題点、オシムジャパンの課題、マスコミが触れられない核心を大いに語ります。
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社アスキー
- 発売日2007/5/10
- ISBN-104756148883
- ISBN-13978-4756148889
商品の説明
著者について
1955年、フランス・パリ生まれ。1998年から2002年までサッカー日本代表監督を務め、ワールドユース準優勝、シドニー五輪ベスト8、アジアカップ優勝、コンフェデレーションズカップ準優勝、ワールドカップで初の決勝トーナメント進出の成功を収める。ブルキナファソ監督時代に「白い呪術師」との異名をとった。
登録情報
- 出版社 : アスキー (2007/5/10)
- 発売日 : 2007/5/10
- 言語 : 日本語
- 新書 : 192ページ
- ISBN-10 : 4756148883
- ISBN-13 : 978-4756148889
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,338,745位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,261位角川新書
- - 3,705位ノンフィクションのスポーツ
- - 31,775位スポーツ (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2007年7月22日に日本でレビュー済み
トルシエというと、選手との感情的な衝突も辞さないような、
ややエキセントリックな人物という先入観があったが、
本書を読んで、その分析の鋭さと的確さに唸らされた。
笑ってしまったのは、トルシエ自身は周囲と考え方が合わなければ、
「まず対立を作り出し何が問題かをはっきりさせ、
相手と直接やりとりしながら合理的な答えを導き出す」というやり方で、
意図的に軋轢を惹き起こしていた(やっぱり……)のに対して、
はるかに老獪なオシムは、「その点では私よりずっと洗練されている。
シニカルではあるが人当たりがよく、軋轢を生むことなく理詰めでことを運ぶ」
と、自らの「欠点」とされた部分をはっきり認識した上で、
オシムに高い評価を与えていることだ。
むろん、問題点を指摘することも、忘れられてはいない。
本書ではおもに、今年3月のペルー戦までの試合をもとに、
(1)スピードを重視するあまり、溜めがないサッカーになっている。
(2)マンツーマンディフェンスは、世界の潮流から取り残されている。
という2点が挙げられているが、
これらについては、本書でトルシエ自らも予告しているように、
(1)中村・高原という欧州組を呼ぶことで、むしろポゼッション型になった。
(2)ゾーンディフェンスも部分的に採用された。
という解決策が取られていて、ここでもトルシエの見通しは正確だと感じた。
アジア杯については、メディアやファンを
納得させられる一応のノルマがベスト4とされ、
「ハノイに居残ったまま準々決勝で
グループAの第2位チームを破ったときから、
日本の本当のアジアカップが始まる」
と述べられているが、豪州がそこに入って来るとは
さすがのトルシエにも見通せなかったようだ。
本書を通じて、日本サッカーのさらなる発展を願う
トルシエの気持ちがじかに伝わってくるように感じた。
好著だと思う。
ややエキセントリックな人物という先入観があったが、
本書を読んで、その分析の鋭さと的確さに唸らされた。
笑ってしまったのは、トルシエ自身は周囲と考え方が合わなければ、
「まず対立を作り出し何が問題かをはっきりさせ、
相手と直接やりとりしながら合理的な答えを導き出す」というやり方で、
意図的に軋轢を惹き起こしていた(やっぱり……)のに対して、
はるかに老獪なオシムは、「その点では私よりずっと洗練されている。
シニカルではあるが人当たりがよく、軋轢を生むことなく理詰めでことを運ぶ」
と、自らの「欠点」とされた部分をはっきり認識した上で、
オシムに高い評価を与えていることだ。
むろん、問題点を指摘することも、忘れられてはいない。
本書ではおもに、今年3月のペルー戦までの試合をもとに、
(1)スピードを重視するあまり、溜めがないサッカーになっている。
(2)マンツーマンディフェンスは、世界の潮流から取り残されている。
という2点が挙げられているが、
これらについては、本書でトルシエ自らも予告しているように、
(1)中村・高原という欧州組を呼ぶことで、むしろポゼッション型になった。
(2)ゾーンディフェンスも部分的に採用された。
という解決策が取られていて、ここでもトルシエの見通しは正確だと感じた。
アジア杯については、メディアやファンを
納得させられる一応のノルマがベスト4とされ、
「ハノイに居残ったまま準々決勝で
グループAの第2位チームを破ったときから、
日本の本当のアジアカップが始まる」
と述べられているが、豪州がそこに入って来るとは
さすがのトルシエにも見通せなかったようだ。
本書を通じて、日本サッカーのさらなる発展を願う
トルシエの気持ちがじかに伝わってくるように感じた。
好著だと思う。
2007年6月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
元サッカー日本代表監督、なつかしのフィリップ・トルシエの本。
ジーコジャパンの分析と総括、オシムジャパンの分析と提言、ヨーロッパサッカーの潮流と日本サッカーの対比、といった内容。トルシエの分析は明晰で説得力があり、代表監督がどういうことを考えながらチームを作っていくかも垣間見え、非常に面白い。中村を代表に入れなかった理由、日本代表における中田の存在の分析、中田の引退についての評価なども。
ジーコジャパンの分析と総括、オシムジャパンの分析と提言、ヨーロッパサッカーの潮流と日本サッカーの対比、といった内容。トルシエの分析は明晰で説得力があり、代表監督がどういうことを考えながらチームを作っていくかも垣間見え、非常に面白い。中村を代表に入れなかった理由、日本代表における中田の存在の分析、中田の引退についての評価なども。
2009年1月5日に日本でレビュー済み
元サッカー日本代表監督である著者が、ドイツワールドカップを
戦ったジーコジャパン、その後を引き継いだオシムジャパンの
戦い方、考え方、特徴、および今後の日本代表のあるべき姿を
理路整然と語った本。
この本の発刊が2007年5月であるため、現・岡田武史監督に
引き継がれる前のオシム監督の頃までのサッカーであるが、
ヨーロッパ人の監督らしく、著者とジーコの違いが大きいこと、
オシムとジーコの考え方ややり方も全く違うことを論理的に
説明している。
本の後半ではヨーロッパクラブの現在の特徴にもふれ、
「マンチェスター・ユナイテッドが今一番力がある」と
語っているのは、先日のクラブワールドカップの結果を見ても
先見の明があることがわかる。
戦術的な専門的な話の段になると私には難しかったが、サッカー
の見方を教えてくれる本である。
戦ったジーコジャパン、その後を引き継いだオシムジャパンの
戦い方、考え方、特徴、および今後の日本代表のあるべき姿を
理路整然と語った本。
この本の発刊が2007年5月であるため、現・岡田武史監督に
引き継がれる前のオシム監督の頃までのサッカーであるが、
ヨーロッパ人の監督らしく、著者とジーコの違いが大きいこと、
オシムとジーコの考え方ややり方も全く違うことを論理的に
説明している。
本の後半ではヨーロッパクラブの現在の特徴にもふれ、
「マンチェスター・ユナイテッドが今一番力がある」と
語っているのは、先日のクラブワールドカップの結果を見ても
先見の明があることがわかる。
戦術的な専門的な話の段になると私には難しかったが、サッカー
の見方を教えてくれる本である。
2009年10月15日に日本でレビュー済み
1998年から4年間、日本代表の監督だったトルシェが、
その後のジーコ ジャパン、オシム ジャパンへの変遷に関する外部からの記録。
サッカーに対する考え方がいろいろわかる。
日本のサッカー選手、サッカーチームについて、どのように感じていたかが伝わってくる。
ワールドカップに出場しつづけるようにというエールが、うれしい。
その後のジーコ ジャパン、オシム ジャパンへの変遷に関する外部からの記録。
サッカーに対する考え方がいろいろわかる。
日本のサッカー選手、サッカーチームについて、どのように感じていたかが伝わってくる。
ワールドカップに出場しつづけるようにというエールが、うれしい。
2007年6月1日に日本でレビュー済み
マンツーマンディフェンスを敷いていることに疑問を呈したところは、これだけでも740円の価値はあるな、と思いました。あと、中村憲剛選手に関して《彼が俊輔と血の繋がりがないと聞いてちっょと驚いている。顔付きから何から、他人にしてはよく似ている。右利きと左利きの違いはあるが、プレーの感じもちょっと似ている》(p.105)というのも笑いました(もっとも、俊輔や松井、いい時の小野には及ばないとも書いているのですが)。
あとセレクションに関しては《オシムはジーコが断ち切ったA代表とその下のカテゴリーの繋がりを再び統合し》《ユース代表にも五輪代表にも入らない世代の人材の発掘ーこれまでの国際舞台で脚光を浴びることのなかった国内の選手達のテストを彼はおこなったのだろう》(p.81)《2006年彼が試したのは24〜25歳の選手たちー4年後のワールドカップで20歳代後半の最盛期を迎える選手たちだ》(p.83)というのは、当たり前すぎるけど良いまとめだと思います。
あとセレクションに関しては《オシムはジーコが断ち切ったA代表とその下のカテゴリーの繋がりを再び統合し》《ユース代表にも五輪代表にも入らない世代の人材の発掘ーこれまでの国際舞台で脚光を浴びることのなかった国内の選手達のテストを彼はおこなったのだろう》(p.81)《2006年彼が試したのは24〜25歳の選手たちー4年後のワールドカップで20歳代後半の最盛期を迎える選手たちだ》(p.83)というのは、当たり前すぎるけど良いまとめだと思います。
2007年7月31日に日本でレビュー済み
この本が書かれた4月に元日本代表監督トルシエの語った及第点通り日本はベスト4でアジア杯を終えた。しかし現実はトルシエの考えた通りアジア最強チームの一つとして証明したと考える日本人は少なかっただろう。
著者はこの本の中でまずジーコジャパンを分析し、中田英寿が抜け、自らが率いたゴールデンエイジたちが30歳を迎える2010年W杯を目指すオシムジャパンへ自らの指導法を絡めた独自の分析論が記されている。トルシエいわく現在の日本は「プレーを急ぐあまり、慌てて判断する初歩的で単純なサッカー」そしてこのプレーを成功されるには現在の日本に「技術の精度」がたりないとも記されている。まさにアジア杯で証明された、そのものだった。この中でトルシエが解説しているようにオシムは国内でプレーする選手に国際経験をつませるためにあえてこのメンバー、この戦い方をしたのかもしれない。著者の言葉の締めの一言通り「日本サッカーがこれからも発展していくために、オシムにはいい仕事をしてほしいと、こころから願っている。」
著者はこの本の中でまずジーコジャパンを分析し、中田英寿が抜け、自らが率いたゴールデンエイジたちが30歳を迎える2010年W杯を目指すオシムジャパンへ自らの指導法を絡めた独自の分析論が記されている。トルシエいわく現在の日本は「プレーを急ぐあまり、慌てて判断する初歩的で単純なサッカー」そしてこのプレーを成功されるには現在の日本に「技術の精度」がたりないとも記されている。まさにアジア杯で証明された、そのものだった。この中でトルシエが解説しているようにオシムは国内でプレーする選手に国際経験をつませるためにあえてこのメンバー、この戦い方をしたのかもしれない。著者の言葉の締めの一言通り「日本サッカーがこれからも発展していくために、オシムにはいい仕事をしてほしいと、こころから願っている。」
2008年9月2日に日本でレビュー済み
今の代表のおよそ半分はトルシエの教え子もしくは何らかの形でトルシエの指導を受けている選手で構成されている。
そういう意味では仏W杯進出から始まった日本サッカーの急成長に最も貢献した人物は紛れもなくトルシエだろう。
そのトルシエが今は無きジーコ〜オシムジャパンを語った本書。
ジーコについては自分が育てた黄金世代を過信し、彼らの自主性を重んじた結果、規律も組織力もない半端なチームにしてしまったと手厳しい批判をしている。
中田の存在と日韓の中村落選の理由などはサッカー選手としてではなくいち人間としての評価をした上の事だと知った時、彼の偉大さを改めて知った。
オシムに関しては好意的だがやはりゾーンで守らないのはゾーンディフェンス信者のトルシエからしたら黙っていられないようだ(笑)
残念なのがオシムが倒れ、岡田になり彼のオシムについた語った本書の価値がいささか落ちた事だろう。
だがこの本書を見て、仮に今の代表を彼が率いたら…という期待を持たずにはいられない位、彼が日本サッカーをよく知り、愛している事がわかる内容だ。
そういう意味では仏W杯進出から始まった日本サッカーの急成長に最も貢献した人物は紛れもなくトルシエだろう。
そのトルシエが今は無きジーコ〜オシムジャパンを語った本書。
ジーコについては自分が育てた黄金世代を過信し、彼らの自主性を重んじた結果、規律も組織力もない半端なチームにしてしまったと手厳しい批判をしている。
中田の存在と日韓の中村落選の理由などはサッカー選手としてではなくいち人間としての評価をした上の事だと知った時、彼の偉大さを改めて知った。
オシムに関しては好意的だがやはりゾーンで守らないのはゾーンディフェンス信者のトルシエからしたら黙っていられないようだ(笑)
残念なのがオシムが倒れ、岡田になり彼のオシムについた語った本書の価値がいささか落ちた事だろう。
だがこの本書を見て、仮に今の代表を彼が率いたら…という期待を持たずにはいられない位、彼が日本サッカーをよく知り、愛している事がわかる内容だ。