女帝の巻では摂関政治の完成と頂点までが描かれます。ただ扱われる時間がこの巻に関しては相当長い。750年前後から後三条天皇の治世まで入れると約300年です。したがって登場人物は多岐に及びます。
前半は孝謙女帝が中心となります。中盤からは桓武天皇が中心となります。特に桓武天皇以降は、大幅なスピードアップであっという間に頂点ともいうべき道長の時代まで話は進んでしまいます。
詳細な系図がいくつもついていますが、この経緯をたどっていくのはなかなか大変な作業です。なんといっても道長の4人の娘は66代から69代までのすべての天皇の後宮に上がったのですから。
この巻の中心はなんと言っても「望月」でしょう。ここでは、摂関政治の下での逆説的な帝の役割がまとめられています。「皇統はただ絶え間なく続くばかりなのである。帝に求められるのは、御譲位を仰せ出だされるご分別ばかりなのである」「内親王は皇統を錯綜させる危険な種である」。どちらも深いインプリケーションを持つ命題です。
後三条天皇の持つ意義とその背景はいまひとつわからなかった。おそらくこれは、第6巻「院の巻」を読み進む中で明らかにされるのでしょうか?
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双調平家物語 5 女帝の巻 院の巻 (中公文庫 は 31-24) 文庫 – 2009/8/1
橋本 治
(著)
- 本の長さ374ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2009/8/1
- ISBN-104122051908
- ISBN-13978-4122051904
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2009/8/1)
- 発売日 : 2009/8/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 374ページ
- ISBN-10 : 4122051908
- ISBN-13 : 978-4122051904
- Amazon 売れ筋ランキング: - 932,153位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 5,609位中公文庫
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著者について
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1948年東京生まれ。東京大学在学中に駒場祭のポスターで話題を集めるが、イラストレーターから小説家に転身。小説・評論・戯曲・古典の現代語訳・エッ セイ・芝居の演出など、ジャンルにとらわれず精力的に活動。『双調平家物語』で第62回毎日出版文化賞を受けるなど受賞歴多数。小林秀雄賞選考委員(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 桃尻娘 (ISBN-13: 978-4591117552 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)