精神科医として内外に名を轟かせていらっしゃった医師中井久夫先生の専門外の話である。
幾つかの実際に出会った、ご家族や親戚,知人の事例です。
特に印象に残ったのは主治医達がもう打っ手は無しと見放した意識不明の男性に施した処置の素晴らしさです。
瞳に光を当てる、麻痺していない方の足の裏をくすぐる、意識不明の彼が一番聴きたい人の声を繰り返し聴かせて、遂に麻痺した足もうごかせるようにした。そしてベッドの上に座れるまでに回復させ、失語症までなおしてしまつたこと。
これだけ読むと,眉唾ものだが、中居先生が、なさった事はどれも研修医の時に勉強した医学の基礎知識に基づく手法だったことがわかります。今、自分の専門分野しか関心を持たない医師によく出会います。
私の実例を一つ。脳神経外科医がMRIの画像を見ながら、脳動脈瘤も、小脳も異常なし、と太鼓判を推してくれたが、ちょっと聴覚神経も見てくれたら、そこに腫瘍が出来ていて、それが原因で難聴と目眩に苦しんでいる私の病が早くわかったのに。だってハッキリ写っていたんだから。ガンマーナイフセンターの医師が、過去のデータを貰って来てと言うので5年間分を貰って来ました。そこには腫瘍の発生時から、クッキリと画像が、見えました。

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臨床瑣談 単行本 – 2008/8/22
中井 久夫
(著)
「〈臨床瑣談〉とは、臨床経験で味わったちょっとした物語というほどの意味である。今のところ、主に精神科以外のことを書こうとしている」
本書は、精神科医としての長年の経験をとおして、専門非専門にかかわりなく、日本の医学や病院やその周辺について「これだけは伝えておきたい」という姿勢で書かれている。多方向からの視線ではあるが、病名を告知された患者側ができる有効なことは何かに主眼がある。
「現代は容赦なく病名を告知する時代である。告知の時代には、告知しただけの医師の覚悟も必要であり、また、告知された患者も茫然たる傍観者ではなく、積極的に何かを行ないたいだろう。患者もその家族、知己も、いつまでも手をつくねてドアの外で待つだけの存在では済むまい」
院内感染を防ぐには患者側はどうすればよいか。脳梗塞の昏睡患者を前にして家族にできることとは。さらにガンを持つ人の日々の過ごし方について、「丸山ワクチン」について――。その実用的な助言は、現代医療批判でもあり、自然回復力の大切さと有限性も視野に入れながら、医学の可能性と限界をくっきりと映しだしている。
本書は、精神科医としての長年の経験をとおして、専門非専門にかかわりなく、日本の医学や病院やその周辺について「これだけは伝えておきたい」という姿勢で書かれている。多方向からの視線ではあるが、病名を告知された患者側ができる有効なことは何かに主眼がある。
「現代は容赦なく病名を告知する時代である。告知の時代には、告知しただけの医師の覚悟も必要であり、また、告知された患者も茫然たる傍観者ではなく、積極的に何かを行ないたいだろう。患者もその家族、知己も、いつまでも手をつくねてドアの外で待つだけの存在では済むまい」
院内感染を防ぐには患者側はどうすればよいか。脳梗塞の昏睡患者を前にして家族にできることとは。さらにガンを持つ人の日々の過ごし方について、「丸山ワクチン」について――。その実用的な助言は、現代医療批判でもあり、自然回復力の大切さと有限性も視野に入れながら、医学の可能性と限界をくっきりと映しだしている。
- 本の長さ165ページ
- 言語日本語
- 出版社みすず書房
- 発売日2008/8/22
- ISBN-104622074168
- ISBN-13978-4622074168
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登録情報
- 出版社 : みすず書房 (2008/8/22)
- 発売日 : 2008/8/22
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 165ページ
- ISBN-10 : 4622074168
- ISBN-13 : 978-4622074168
- Amazon 売れ筋ランキング: - 563,304位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 773位医学
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著者について
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1934年生まれ。1959年、京都大学医学部卒業。はじめウイルス研究者。東大分院において精神科医となる。神戸大学名誉教授。1985年、芸術療法学会賞、1989年、読売文学賞(翻訳研究賞)、1991年、ギリシャ国文学翻訳賞、1996年、毎日出版文化賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 ヴァレリー詩集 コロナ/コロニラ (ISBN-13: 978-4622075455 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年2月14日に日本でレビュー済み
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2008年10月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
《しがらみのなくなった老医》として院内感染に対する患者の自己防衛策、昏睡状態の患者のサルヴェージ方法(これは本当に可能みたいでスゴイ)、丸山ワクチンの入手方法とワクチンに対する肯定的な評価などを書くという素晴らしい企画。
もし入院するようなハメになったら、「院内感染に対する患者自衛策試案」にそって鼻うがいをしてメンソレータムを塗り、睡眠薬を出してもらい、プロポリスと乳酸菌飲料を飲むことにします。人体で乳酸菌しかいない清浄度Iの場所は、乳幼児の胃と膣だそうで、産道通過時にデーダーライン桿菌が口に入るらしい。《だから乳酸菌飲料は少量を局所に入れれば膣は清浄になる。これを会社が宣伝しないのは企業イメージをおもんばかってのことらしい(とは一社員の言である)》(p.51)なんていうところもあるらしい。ちなみに中井先生はしっかりした研究所を持っているヤクルトを愛飲しているとのこと。
丸山ワクチンは中井先生も前立腺癌の摘出手術以降は《このワクチンだけで生存している》(p.117)ということなので、もしそうなったら日本医大付属病院に行こうと思います。40日分で9450円だし。丸山先生の「繊維芽細胞が動員されてガン細胞の塊を囲い込み、やがて繊維化して、ガン細胞が兵糧攻めにあうのではないか」(p.104)という説明も納得的。
もし入院するようなハメになったら、「院内感染に対する患者自衛策試案」にそって鼻うがいをしてメンソレータムを塗り、睡眠薬を出してもらい、プロポリスと乳酸菌飲料を飲むことにします。人体で乳酸菌しかいない清浄度Iの場所は、乳幼児の胃と膣だそうで、産道通過時にデーダーライン桿菌が口に入るらしい。《だから乳酸菌飲料は少量を局所に入れれば膣は清浄になる。これを会社が宣伝しないのは企業イメージをおもんばかってのことらしい(とは一社員の言である)》(p.51)なんていうところもあるらしい。ちなみに中井先生はしっかりした研究所を持っているヤクルトを愛飲しているとのこと。
丸山ワクチンは中井先生も前立腺癌の摘出手術以降は《このワクチンだけで生存している》(p.117)ということなので、もしそうなったら日本医大付属病院に行こうと思います。40日分で9450円だし。丸山先生の「繊維芽細胞が動員されてガン細胞の塊を囲い込み、やがて繊維化して、ガン細胞が兵糧攻めにあうのではないか」(p.104)という説明も納得的。
2013年12月29日に日本でレビュー済み
医師がこんなもの書いちゃいかんだろう。人間ある時期になると楽をしたがるとはいうものの残念である。立花隆がオカルト科学やNEW AGE SCIENCEに一時期走ったのを連想してしまった。