首都ワルシャワからバルチック沿岸へ向かう夜行列車を舞台に、乗客の人生模様が交錯する……。 鬼才イエジー・カヴァレロヴィッチが描く、疾走感溢れる群像劇。●ポーランド中心部の駅から発車する夜行列車は、翌朝バルチック海岸の町に到着予定。混雑するホームを抜け、一人の男イエジーが1等寝台車に乗り込む。車内には恋人との別れを決意して旅に出た傷心の女、マルタがいる。他の乗客たちである牧師、弁護士、医師、新婚カップル、不眠症を抱えた男なども、それぞれに悩みを背負っていた。マルタを追う恋人もその中にいた。真夜中、車内に警官が乗り込んでくる。一人の殺人犯が列車に紛れ込んだという。そして乗客達の間に波紋が広がる……