"極論すれば、これが『近代の目覚め』なんです。Sの誕生と同時に近代が生まれたといいかえることができるくらいなのです。"仏文学者の著者による本書は文明史、文化史としての産物であるSMをキリスト教との関係性から、そして独自の発展を遂げた日本も考察していて知的好奇心を刺激されます。
個人的には、もう残念な位にノーマルな人間なのですが、エピローグの"本書はSMの実践的指南書でもありませんし、業界のインサイド・レポートでもありません"と【あくまで文明史として】とあったので安心して手にとったのですが。著者のはっきりとした物言い(例えば"源氏物語と少女マンガ、それに谷崎潤一郎ぐらいをおさえておけば、だいたい、日本のSM文学については、もう極めたといってもいいのではないでしょうか"など)意外にも?私の好きな【美術や文学、哲学との関係性】の中から幅広くSMを考察してくれていて、好印象かつ大変面白かった。(特に近代の幕開け!マルキ・ド・サド様!カッコいい!)
また、宗教的な流れから誕生した【苦痛を介して神に出会う】"鞭の西洋"とは関係なく、独自に比類なき発展をした"縄の日本"についても、第一人者である団鬼六などから話を伺いつつ、日本人は神が不在だからこその自由が"不安で嫌い"なので【自由を拘束して(吉本隆明的)共同幻想に至る】のではないか?と考察しているのも興味深かった。(確かに職場で(SNS上で)互いに監視する我慢プレー好きな人とか多いですよね。。)
先入観抜きに、また実践的なプレーではなく【文明史、文化史としてのSM】に関心がある誰かに、また美術、文学、哲学好きな誰かの雑学的にオススメ。
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SとM (幻冬舎新書 か 6-1) 新書 – 2008/3/1
鹿島 茂
(著)
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- 本の長さ190ページ
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日2008/3/1
- ISBN-104344980735
- ISBN-13978-4344980730
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2019年6月3日に日本でレビュー済み
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2020年5月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
誰でもSM の強弱や相手によりどちらかが勝ると言う両面を持っているのは、ある意味当然と言えば当然。なので、自分はどちらだと縛る必要はなさそう。いずれにしろ相対的に喜びがあればS対Mやその逆のM対Sをお互い楽しめば良い。
2022年4月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
SMにまつわる文化史を考察した一冊です。
西洋(キリスト教)社会でのSMの発見と需要を中世から近代、民主主義(現代)への社会の変化と併せて、考察している点が読みどころでしょうか。
特に第4章で展開される、パイに見立てた自我の配分を元に
中世:神や共同体などにパイ(自我、ここでは自分の意識や欲求のような意味で使われているようです)が割り当てられて、自分個人へ割り当てられるパイが少ない
近代:サド侯爵の著作に代表される神の否定によって、自分自身に割り当てられるパイが飛躍的に増える(=個人の発見)。その結果、我も我もと事故を主張し、共同体に割り当てられているパイを自分のものとするために他者への侵害が発生し、フランス革命の内輪もめに代表される共同体内部での争いが増加
民主主義:共同体にパイを意識的に分け与えることで、争いを避けるための調整を行う
といった感じに分析しています。
この分析がどの程度の多くの人の指示を集めるかは分かりませんが、民主主義を進めるための共同体へのパイの割り当てが極端になれば、ファシズム化が進むなど、示唆に富む例えだと思います。
SMに興味のある人は、最終章の日本でのSM文化など他にも読みどころがあるかもしれません。
SMに興味のない人も、第4章の考察だけでも読む価値はあると思います
西洋(キリスト教)社会でのSMの発見と需要を中世から近代、民主主義(現代)への社会の変化と併せて、考察している点が読みどころでしょうか。
特に第4章で展開される、パイに見立てた自我の配分を元に
中世:神や共同体などにパイ(自我、ここでは自分の意識や欲求のような意味で使われているようです)が割り当てられて、自分個人へ割り当てられるパイが少ない
近代:サド侯爵の著作に代表される神の否定によって、自分自身に割り当てられるパイが飛躍的に増える(=個人の発見)。その結果、我も我もと事故を主張し、共同体に割り当てられているパイを自分のものとするために他者への侵害が発生し、フランス革命の内輪もめに代表される共同体内部での争いが増加
民主主義:共同体にパイを意識的に分け与えることで、争いを避けるための調整を行う
といった感じに分析しています。
この分析がどの程度の多くの人の指示を集めるかは分かりませんが、民主主義を進めるための共同体へのパイの割り当てが極端になれば、ファシズム化が進むなど、示唆に富む例えだと思います。
SMに興味のある人は、最終章の日本でのSM文化など他にも読みどころがあるかもしれません。
SMに興味のない人も、第4章の考察だけでも読む価値はあると思います
2009年6月21日に日本でレビュー済み
これを読めばSMの全てが分かる、というわけではなく、あくまでも、鹿島流SM解釈である。
大き目の活字で190ページほどだが、読みごたえは十分。ヨーロッパ異端文学(サド、マゾッホ、バタイユ、クロソフスキー等)に興味を持ち始めた大学1年生には、とくに推薦したい。
大き目の活字で190ページほどだが、読みごたえは十分。ヨーロッパ異端文学(サド、マゾッホ、バタイユ、クロソフスキー等)に興味を持ち始めた大学1年生には、とくに推薦したい。
2014年4月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
当事者以外が、テーマとしてSMを語った本というのは案外ないと思うので、悪くないと思う。オタクに対して差別的なのと、S男とM女を優遇している部分があるので注意。著者はどノーマルの人らしく安全圏にいるというか、他人事として語っているので、案外気楽に読めると思う。
ニーチェが「ニヒリズム」と呼んだキリスト教の特性を「マゾヒズム」と言い直してみたりと、近代の西洋についての深い教養をベースに自由に語っている。マゾッホの読み込みについては浅いし、色々と議論が雑だが、まあ入門書というか読み物としては面白いんじゃないかと思う。
ニーチェが「ニヒリズム」と呼んだキリスト教の特性を「マゾヒズム」と言い直してみたりと、近代の西洋についての深い教養をベースに自由に語っている。マゾッホの読み込みについては浅いし、色々と議論が雑だが、まあ入門書というか読み物としては面白いんじゃないかと思う。
2008年5月5日に日本でレビュー済み
S(サディズム)とM(マゾヒズム)とは、人間が本来的に持っているものであるのだろうか。
そうではなく、人の置かれた環境や遺伝的要素により、後天的に発露するものだろうか。
また、社会、特に権力との関係に応用できるものだろうか。そして宗教には・・・
SとMとは、このようにいろいろな難題を内包し、容易に語れるものではない。
著者は、その高い壁をいとも簡単に乗り越え、SとMを奔放に語ってくれたように見える。
冒頭のSとMは対称的な概念ではないという指摘には正直驚いた。
また、多数の文学者、哲学者が自由自在に、あふれでてくることも特筆すべきことであろう。
しかし、全体を見るとやや的はずれな議論が多いのも事実だろう。
南海ホークス時代にキャチャーを勤め、名監督と言われたN氏(はっきりと野村監督言って
欲しい)はM体質であり、かの有名なS夫人(はっきりサッチーと言って欲しい)を
絶対者として見い出した。(P32〜33)
キリスト教徒というのは全員がMです。(P57)
絶対に自分の勝てない相手に戦いを挑むことでドーパミンを全開させる・・・というのは、
太平洋戦争のM的側面ではないでしょうか。(p167)
著者は一級の知識人であるが、SとMはあまりにも難しい問題のため、全体を体系だてること
なく、単に自分の思考を開陳しているだけのようにも見える。
この著は、残念ながら、いわゆる雑学本に近いものになっているように思う。
そうではなく、人の置かれた環境や遺伝的要素により、後天的に発露するものだろうか。
また、社会、特に権力との関係に応用できるものだろうか。そして宗教には・・・
SとMとは、このようにいろいろな難題を内包し、容易に語れるものではない。
著者は、その高い壁をいとも簡単に乗り越え、SとMを奔放に語ってくれたように見える。
冒頭のSとMは対称的な概念ではないという指摘には正直驚いた。
また、多数の文学者、哲学者が自由自在に、あふれでてくることも特筆すべきことであろう。
しかし、全体を見るとやや的はずれな議論が多いのも事実だろう。
南海ホークス時代にキャチャーを勤め、名監督と言われたN氏(はっきりと野村監督言って
欲しい)はM体質であり、かの有名なS夫人(はっきりサッチーと言って欲しい)を
絶対者として見い出した。(P32〜33)
キリスト教徒というのは全員がMです。(P57)
絶対に自分の勝てない相手に戦いを挑むことでドーパミンを全開させる・・・というのは、
太平洋戦争のM的側面ではないでしょうか。(p167)
著者は一級の知識人であるが、SとMはあまりにも難しい問題のため、全体を体系だてること
なく、単に自分の思考を開陳しているだけのようにも見える。
この著は、残念ながら、いわゆる雑学本に近いものになっているように思う。
2021年2月7日に日本でレビュー済み
SMプレイのハウツー本ではなく。文明史の視点からSMを説く本。主に西洋と日本の対比で語られるが、鞭の西洋、縄の日本という対比は端的。キリスト教社会と西洋におけるSとMの成り立ちはフランス文学者である著者の専門分野の範疇内であり明快な論旨で語られる。その一方で日本のSM史に関する論考は極めて粗い印象。残酷を表現するハードな縛りと官能を表現するソフトな縛りの対比は興味深いものの、いくら何でも団鬼六がルーツは唐突感が否めず。一方記述の薄さによって日本のSMのルーツを自ら想像する糊代を残しているとも言える。
2015年1月6日に日本でレビュー済み
なるほど、と感じられるところも多いのだけど、基本的に日本文化に関する掘り下げが浅い気がする。
著者は度々、西洋:家畜文化圏 動物文明 日本:農耕文化圏 植物文明 という対立を用いるんだけど、これもなんていうか、イマドキどうなんだ、て感じだし。。なんか大昔の狩猟民族VS農耕民族説をいまだに信じてる人みたいに見える。。
「神無き文化の日本」もおそらく「西洋のような唯一絶対神のない日本」ということが言いたいんだろうけど、ちょっと足りない。
「日本には自己処罰の概念がない」ていうのも大変怪しい。痛みを乗り越えて神との合一的恍惚を得ようとする発想がない、ということらしいんだけど、いやー、日本人痛いの大好きでしょ。。欧州を語る時に常にキリスト教ベースで語っているのに、日本の宗教的背景にはまるで触れていないのもなんだか。神道の神職の修行にだって苦行はあるし、仏教ならなおさら。断食に座禅に滝行に数々の戒律。日本のSMには鞭がない、縄しかない、てのも嘘だろ。坐禅中の警策だってあるし、護摩焚きなんて火炙りだし。
そもそも戦時中からの軍国主義からの根性論からの体育会主義なんて痛みを乗り越えてこそのSM世界そのものじゃないか。
ポツポツ面白い指摘もしてるんだけど、こういった辺りがちょっと筆が足らない感じがするし、もうちょっと丁寧に取材とフィールドワークを重ねていただきたかった。
著者は度々、西洋:家畜文化圏 動物文明 日本:農耕文化圏 植物文明 という対立を用いるんだけど、これもなんていうか、イマドキどうなんだ、て感じだし。。なんか大昔の狩猟民族VS農耕民族説をいまだに信じてる人みたいに見える。。
「神無き文化の日本」もおそらく「西洋のような唯一絶対神のない日本」ということが言いたいんだろうけど、ちょっと足りない。
「日本には自己処罰の概念がない」ていうのも大変怪しい。痛みを乗り越えて神との合一的恍惚を得ようとする発想がない、ということらしいんだけど、いやー、日本人痛いの大好きでしょ。。欧州を語る時に常にキリスト教ベースで語っているのに、日本の宗教的背景にはまるで触れていないのもなんだか。神道の神職の修行にだって苦行はあるし、仏教ならなおさら。断食に座禅に滝行に数々の戒律。日本のSMには鞭がない、縄しかない、てのも嘘だろ。坐禅中の警策だってあるし、護摩焚きなんて火炙りだし。
そもそも戦時中からの軍国主義からの根性論からの体育会主義なんて痛みを乗り越えてこそのSM世界そのものじゃないか。
ポツポツ面白い指摘もしてるんだけど、こういった辺りがちょっと筆が足らない感じがするし、もうちょっと丁寧に取材とフィールドワークを重ねていただきたかった。