主要な登場人物の半生が描かれるタイミングが、やや変則的な作品。
読み手の気持ちを柔らかくあいまいに煙に巻きながら、物語はどんどん展開して行きます。
前半の、一つ間違えば退屈ににりかねない描写を積み重ねた上での
後半のスピード感がたまりません。
詳しくは書けませんが、最後まで読み終わると、なぜ作者がこのような展開の仕方を
選んだのかがわかり、はっとさせられます。
カバーイラストも、作品を読む前と読んだ後では印象が全く異なり、とてもよく
作品とリンクしていると思います。大好きな一冊になりました。

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光射す海 (新潮文庫 す 11-2) 文庫 – 1996/5/1
鈴木 光司
(著)
- 本の長さ309ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1996/5/1
- ISBN-104101438129
- ISBN-13978-4101438122
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年10月9日に日本でレビュー済み
一見関係ない出来事がつながっていく。
ミステリによくある構造ですが、筋がきちんとしてないと
こじつけ感がでて白けるものですが、
これはそんなことはありません。
上質のエンターテインメントです。
ミステリによくある構造ですが、筋がきちんとしてないと
こじつけ感がでて白けるものですが、
これはそんなことはありません。
上質のエンターテインメントです。
2013年12月8日に日本でレビュー済み
入水自殺しようとした妊婦とマグロ漁船に乗っていた恋人.
妊婦の抱える運命とは?
妊婦の正体を探っていくところからストーリーは始まる.
やがてその家系の持つ特殊な遺伝性疾患に行き当たり,
一方,その恋人は過去を捨てるためにマグロ漁船に乗り込み,
質の悪い乗組員に目をつけられてしまう.
そのプロセスでの不安や恐怖,あるいは狂気の描き方は巧みで,
最終的に恋人が苦難を乗り越える姿には圧倒されるものがある.
一方で,結末にはやや不消化感も否めないところもある.
また,実在の疾患をモデルにこのような描き方をするのはちと問題があるのではなかろうか?
妊婦の抱える運命とは?
妊婦の正体を探っていくところからストーリーは始まる.
やがてその家系の持つ特殊な遺伝性疾患に行き当たり,
一方,その恋人は過去を捨てるためにマグロ漁船に乗り込み,
質の悪い乗組員に目をつけられてしまう.
そのプロセスでの不安や恐怖,あるいは狂気の描き方は巧みで,
最終的に恋人が苦難を乗り越える姿には圧倒されるものがある.
一方で,結末にはやや不消化感も否めないところもある.
また,実在の疾患をモデルにこのような描き方をするのはちと問題があるのではなかろうか?
2005年11月28日に日本でレビュー済み
これを初めて読んだのは高校生の時。
当時「リング」「らせん」「ループ」の
三部作を通じて描かれた世界観に感動して、
氏の作品を読み漁っていました。
しかし、この作品は期待はずれで、
読んでる間がとっても退屈でつまらなかったです。
しかも、同作を途中まで読んでやめてしまった友人に
あらすじを教えているうち
まるでコントのネタ話のように思えてきて、
夕陽が差し込む放課後の教室で
ゲラゲラ笑ってしまう有様でした。
あれから数年経った今になって思えば、
どうしてもこの状況下の恐怖が描きたくて
構想を練りに練って考えすぎた挙げ句、
煮詰まってしまったような印象を受けます。
この話でバカ笑いする私も私ですけどね(苦笑)
当時「リング」「らせん」「ループ」の
三部作を通じて描かれた世界観に感動して、
氏の作品を読み漁っていました。
しかし、この作品は期待はずれで、
読んでる間がとっても退屈でつまらなかったです。
しかも、同作を途中まで読んでやめてしまった友人に
あらすじを教えているうち
まるでコントのネタ話のように思えてきて、
夕陽が差し込む放課後の教室で
ゲラゲラ笑ってしまう有様でした。
あれから数年経った今になって思えば、
どうしてもこの状況下の恐怖が描きたくて
構想を練りに練って考えすぎた挙げ句、
煮詰まってしまったような印象を受けます。
この話でバカ笑いする私も私ですけどね(苦笑)
2005年10月24日に日本でレビュー済み
登場人物の心理描写はすばらしいと思います。
1人の女性の行動を紐解いて行く展開はとても惹きこまれるものがありました。
おもしろい小説であるのは否定しません。
ただ展開が強引すぎないかなって思います。
また、序盤活躍してた登場人物が途中から消えてしまうのは悲しかったです。
1人の女性の行動を紐解いて行く展開はとても惹きこまれるものがありました。
おもしろい小説であるのは否定しません。
ただ展開が強引すぎないかなって思います。
また、序盤活躍してた登場人物が途中から消えてしまうのは悲しかったです。
2007年12月17日に日本でレビュー済み
もし愛する人に、絶対的な負の宿命が訪れた時、自分はそれに応えられるのか?
愛するが故に、その苦しみは想像を絶するだろうと思う
こんな事を考えさせられた一冊
愛するが故に、その苦しみは想像を絶するだろうと思う
こんな事を考えさせられた一冊
2004年3月12日に日本でレビュー済み
入水自殺をはかった妊娠中の女性と、それに関わる精神科医、彼女に好意を持った男性、お腹の子の父親を中心に展開して行く。
女性の心を閉ざした物はいったい何なのか・・・。
いろいろな感情の交錯。生まれ持った運命を背負って生きることの辛さ。愛とは何なのか、多くを考えさせられる一冊であった。死を目前に、生きることへの執念を燃やすこと。何年も苦しみつづけ、愛する人と共に死にたいと願うこと。果たしてどちらが人間の本能なのだろうか?
女性の心を閉ざした物はいったい何なのか・・・。
いろいろな感情の交錯。生まれ持った運命を背負って生きることの辛さ。愛とは何なのか、多くを考えさせられる一冊であった。死を目前に、生きることへの執念を燃やすこと。何年も苦しみつづけ、愛する人と共に死にたいと願うこと。果たしてどちらが人間の本能なのだろうか?
2003年2月8日に日本でレビュー済み
黒い雲の切れ間から射し込む光のように、絶望的と思える運命にも光明が差すことがある。それがとても皮肉なものであったとしても、運命が切り開かれることに変わりはない。メディカル・サスペンスと海洋ロマンの味付けをした恋愛小説と言った作品です。