1980年代から90年代にかけて、
ラグビー界を名実ともに牽引してきた
平尾誠二氏の現役時代を綴った本。
「私の現役時代のすべてがこの本にある」とも記載あり。
書き出しこそ神戸製鋼8連覇の夢が潰える瞬間からだが、
その後は同志社3連覇~イギリス留学~神戸製鋼と
順番に辿っている。
これを読むと著者の表現の豊かさに驚かされる。
伏見工業高校、同志社、イギリス留学と良き指導者に
恵まれたこともあるのだろうが、
それだけではない、内面からの出る表現力を感じる。
読書家であるということも頷ける。
また、客観視ができる、という能力は、
素晴らしいキャプテンシーに繋がっているような気がする。
チームメイトを盛り上げて、すぐに自分はその熱気の外にでる
イン・アウト、アウト・インという考え方は、
スポーツのみならずビジネスでも
チームを率いるリーダーにとって有益な示唆である。
さらに興味深いのは、これほどの戦績を残しておきながら、
勝利は「力」だけではない、と言っているところ。
勝つには、それに「ふさわしい」かどうかが必要であり、
何がふさわしいかは分からないという。
人事を尽くして天命を待つ、ことを
繰り返してきた著者の言葉だけに重たい。
ラグビー界を牽引してきた著者の
知性と考え方、姿勢などに触れられる一冊。

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勝者のシステム: 勝ち負けの前に何をなすべきか (講談社+アルファ文庫 G 35-1) 文庫 – 1998/11/1
平尾 誠二
(著)
- 本の長さ262ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1998/11/1
- ISBN-104062563045
- ISBN-13978-4062563048
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商品の説明
著者について
1963年、京都市に生まれる。1981年、伏見工業高校3年の時、全国高等学校ラグビーフットボール大会優勝。1982年、19歳4ヵ月で史上最年少の日本代表に選ばれる。1985年、同志社大学4年の時、史上初の全国大学選手権大会3連覇。1986年、神戸製鋼所に入社。1989年以降、日本選手権大会V7達成。1997年、ラグビー日本代表監督に就任。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1998/11/1)
- 発売日 : 1998/11/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 262ページ
- ISBN-10 : 4062563045
- ISBN-13 : 978-4062563048
- Amazon 売れ筋ランキング: - 805,122位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年10月20日に日本でレビュー済み
七連覇時代の名選手が登場し、懐かしかった。確かに当時の神戸製鋼のラグビーは見ていて面白かったし、次に何を仕掛けるんだろうとドキドキしていた事を思い出す。三連覇の年の社会人大会決勝終了間際のイアン・ウィリアムスの決勝トライはまだ脳裏に焼き付いている。
大学ラグビーのスター選手を集め、連覇は当たり前だと思っていたが、本著は常勝チームへの道のり、そして連覇継続の苦悩が余すところなく記されている。
・「ゲーム・コンセプト」からの選手起用
・選手の力の数値化
これらは当時の日本のラグビーチームとしては非常に画期的な試みだっただろう。
ラグビー関係以外で印象的だった内容は「相手に向かって説明するときには、短くてもわかりやすく、インパクトのある言葉を用いなければならない。」関西の人ならではの発想だが、取り入れていきたい。
楕円のラグビーボールはどこへ弾むか分からないが、同じく人間もどちらへ弾むか分からない。この言葉で締めくくられている。この本を書いたときの著者の心境が滲み出ている一言だ。
大学ラグビーのスター選手を集め、連覇は当たり前だと思っていたが、本著は常勝チームへの道のり、そして連覇継続の苦悩が余すところなく記されている。
・「ゲーム・コンセプト」からの選手起用
・選手の力の数値化
これらは当時の日本のラグビーチームとしては非常に画期的な試みだっただろう。
ラグビー関係以外で印象的だった内容は「相手に向かって説明するときには、短くてもわかりやすく、インパクトのある言葉を用いなければならない。」関西の人ならではの発想だが、取り入れていきたい。
楕円のラグビーボールはどこへ弾むか分からないが、同じく人間もどちらへ弾むか分からない。この言葉で締めくくられている。この本を書いたときの著者の心境が滲み出ている一言だ。
2007年6月4日に日本でレビュー済み
平尾氏が大学卒業後イギリスに留学したときの逸話や、その後神戸製鋼でのキャプテン時代の話を興味深く読んだ。神戸製鋼のチームに新しい戦略を導入し、それを徹底、実践させる過程に関しては大いに説得力があり有益だった。コーチングという点でも参考になる箇所が多々あった。文章も非常にこなれていて読みやすい。
2008年8月18日に日本でレビュー済み
元サッカー日本代表監督、オシム以前にまったく同じことをやろうとした日本人がいた…と言ったら、皆さんは驚くだろう。ただし、ラグビーの世界の話である。平尾誠二のことだ。彼は元日本代表監督である。彼は非常に頭脳的なプレーをしたラガーマンで、その考え方はオシムと奇妙なほど一致する。
私は、単なるスポーツ選手の書いた本はあまり好きではない。しかし、平尾や野球の野村監督のような頭を使って勝負するタイプは別である。平尾は体が小さいと言うハンディを乗り越えるために、野村は不器用さを克服するために頭脳的なプレーをし、活躍した。そのため、彼らは単なるスポーツバカではなく、一般社会にも通じる考え方、哲学を持っている。私はそこに強く魅かれる。
この本は、平尾が神戸製鋼に入ってからキャプテンとして7連覇するまでの過程をつづったノンフィクションである。
平尾は、入社3年目でキャプテンを任された。そのころ、神戸製鋼では、キャプテンが監督の役目をしていた。そして、神戸製鋼ラグビー部の抜本的な改革を進めていく。彼は、練習で惰性でプレーした選手を厳しく指導した。練習であっても、ひとつひとつのプレーに明確な意図や意味を持たせようとしたのである。私は、このエピソードを知って、オシムを思い出した。彼は「考えて走るサッカー」を目指し、練習でも常に明確な意図を持ったプレーをすることを求めた。それはまさに、平尾のやろうとしたこととぴったり一致するのだ。一流の指導者の考えることは自然と似てくるのかもしれない。
この本で、ラグビーが頭脳的なスポーツであることが分かった。できれば一度は生で観戦してみたい。そんな気持ちになった。
私は、単なるスポーツ選手の書いた本はあまり好きではない。しかし、平尾や野球の野村監督のような頭を使って勝負するタイプは別である。平尾は体が小さいと言うハンディを乗り越えるために、野村は不器用さを克服するために頭脳的なプレーをし、活躍した。そのため、彼らは単なるスポーツバカではなく、一般社会にも通じる考え方、哲学を持っている。私はそこに強く魅かれる。
この本は、平尾が神戸製鋼に入ってからキャプテンとして7連覇するまでの過程をつづったノンフィクションである。
平尾は、入社3年目でキャプテンを任された。そのころ、神戸製鋼では、キャプテンが監督の役目をしていた。そして、神戸製鋼ラグビー部の抜本的な改革を進めていく。彼は、練習で惰性でプレーした選手を厳しく指導した。練習であっても、ひとつひとつのプレーに明確な意図や意味を持たせようとしたのである。私は、このエピソードを知って、オシムを思い出した。彼は「考えて走るサッカー」を目指し、練習でも常に明確な意図を持ったプレーをすることを求めた。それはまさに、平尾のやろうとしたこととぴったり一致するのだ。一流の指導者の考えることは自然と似てくるのかもしれない。
この本で、ラグビーが頭脳的なスポーツであることが分かった。できれば一度は生で観戦してみたい。そんな気持ちになった。